2018年02月10日

泰明小学校アルマーニ制服騒動

 東京・銀座の中央区立泰明小学校が、高級ブランド「アルマーニ」がデザインした約8万円の新制服導入を決め、保護者らから批判が上がっている問題で、同小の和田利次校長(62)が9日、区役所で記者会見し、新制服の導入方針を「変えるつもりはない」と表明した。高額で購入できない家庭については「個別に相談させていただきたい」とし、公的な援助の手続き方法などを周知するという。バーバリーやエルメス、シャネルなどのブランドにも校長が単独交渉したというが、価格上限などの要件は定めていなかったという。

 スーツ姿で会見した和田校長は、アルマーニ製の制服導入の方針について「変えるつもりはございません」と断言した。1月下旬から今春の新入生60人の採寸が始まっており、「全員ではないがほとんど採寸に来ている」とも説明。高額だが「本校の児童のご家庭なら、出せるんじゃないかと思う」と話した。購入できない家庭が出た場合、その児童を「バカにしたりしないよう(他の児童に)徹底したい」と話した。

 「きちんとした心構えと志で学ぶのが泰明らしさ。その意識を持たない方が増えてきた」と感じ、「泰明らしさを取り戻す1つのスイッチ」として、約3年前に導入を思い立ったという。銀座のバーバリー、シャネル、エルメスなどに、校長自身が電話したが、反応はなかったという。アルマーニだけは同社に勤務する人物の知人を通じて交渉。実現にこぎ着けた。

 保護者に相談せずに独断で進めたことを「アルマーニ様からはっきりしない話は外に出さないでくれと言われた。保護者に言うのをためらった原因かも」と振り返った。交渉が不透明では、あらぬ疑惑も持たれかねない。「校長はアルマーニのスーツを持っているか」と問われると「持っていない。ハンカチくらい持っているかも知れないが、特別な関係はない」とした。

 服を買える家、買えない家が出れば、経済力による児童の分断の種になりかねないが「そういうことが考えられるのは想定していた」という。一方、アルマーニとの交渉時には上限価格も提示せず、昨年11月に価格提示があった時には「高い」と思いながらも、素材の質を下げるなどの交渉もしなかった。「アルマーニさんが決めた生地ならそれがいいと思った」。

 購入が難しい家庭には「入学準備金の制度や就学援助の制度を情報提供する。あとは類似品とか。解決できると思っている」。アルマーニ製の制服は「標準服」で、着用は義務ではないが、着用しない児童に対しては「嫌な思いをしたら、教員に伝えて」と指導するとともに、徐々にそろえるよう求めていくという。(日刊スポーツ、2018.2.10)


中央区立泰明小学校(ちゅうおうくりつ たいめいしょうがっこう)は東京都中央区銀座にある公立小学校。入学条件を受け入れた銀座在住者と学区外の在中央区の希望者が抽選で就学できる特認校である。中央区民には「少人数教育の超名門小学校」として知られる。(ウィキペディア 中央区立泰明小学校)


 「きちんとした心構えと志で学ぶのが泰明らしさ。その意識を持たない方が増えてきた」とする和田校長。ウィキペディアによると「少人数教育の超名門小学校」だそうで我々庶民が想定する公立校とは一線を画す校風のようです。

 愛子内親王が学習初等科で暴力を振るわれたように名門校でも素行不良の児童は存在しており校長の苦労も理解できますが、果たして高価な制服を着ることによって秩序が取り戻せるのか。単に貧乏人を排除したいだけのような気もします。


<参照>
グーグル画像検索「泰明小学校 アルマーニ」
ウィキペディア 中央区立泰明小学校
ウィキペディア 愛子内親王不登校騒動
posted by リュウノスケ at 11:22| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月07日

眞子様ご結婚再来年に延期

 宮内庁は6日、昨年9月にご婚約が内定した秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまと国際基督教大学(ICU)時代の同級生、小室圭さん(26)=横浜市=の結婚式を含めた一連の儀式の日程を延期すると発表した。3月4日に予定されていた一般の結納にあたる「納采の儀」、11月4日に予定されていた結婚式など一連の儀式は、天皇陛下の譲位と皇太子さまのご即位関連儀式を終えた再来年になる見通しという。

 宮内庁は6日、ご結婚の延期に関し、眞子さまが記された「お気持ち」を公表した。眞子さまは延期に至った理由について「秋の結婚までに行う諸行事や結婚後の生活について、充分な準備を行う時間的余裕がないことを認識するようになりました」とつづられた。

 眞子さまはこの中で、昨年5月の結婚報道により、「当初の予定を大きく前倒しして婚約が内定した旨を発表することにいたしました」とご説明。その後、一連の儀式の日取りが公表されたが、「色々なことを急ぎ過ぎていた」とご回想。「そのまま前に進む」という選択をしてきたが、関係者と相談を重ねた結果、結婚に関する諸行事を再来年に延期し、「充分な時間をとって必要な準備を行うのが適切」と判断されたという。

 結婚の延期は、眞子さまが両陛下に報告され、両陛下も眞子さまの気持ちを尊重されているという。

 眞子さまのご結婚をめぐっては、一部週刊誌が小室さんの母に関する金銭トラブルを指摘する報道があった。宮内庁の加地隆治宮務主管は、ご結婚の延期と週刊誌報道との関連について「報道があったから意思が変わられたということではない。ご結婚の意思は変わりないと承っている。報道による延期ではない」と話し、否定した。(産経新聞、2018.2.6)


 週刊女性のスクープに右往左往する皇室と宮内庁。そもそも皇族の結婚相手なんて警察力使ってとことんまで身辺調査するもんじゃないんですかね。借金問題を隠していた小室家側が不誠実なのはもちろん、宮内庁も準備不足だと思います。


<参照>
週刊女性 眞子さま婚約者の小室圭さん、秋篠宮さまに拒絶された“弁明”と宮内庁からの呼び出し
週刊女性 眞子さま、婚約者・小室圭さん母が借金未返済でも養った“彫金師”恋人の存在
週刊女性 秋篠宮家はご存知か! 眞子さまの婚約者・小室圭さん母「400万円」借金トラブル
Business Journal 眞子さま嫁ぎ先「借金トラブル」、結婚延期の可能性…秋篠宮殿下が強い懸念、宮内庁も
posted by リュウノスケ at 00:25| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

仮想通貨取引所コインチェック資金流出事件 その2

 仮想通貨の大手取引所、「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨が流出した問題で、金融庁は顧客の補償に充てる資金が十分にあるのかなど、財務内容を早急に調べる必要があるとして、2日、会社の立ち入り検査に入りました。仮想通貨の取引所に対する立ち入り検査は初めてです。

 東京・渋谷区にある「コインチェック」の本社には2日午前8時前、金融庁の職員数人が訪れ、立ち入り検査に入りました。

 「コインチェック」では先月26日、外部からの不正なアクセスで580億円相当の「NEM」と呼ばれる仮想通貨が流出し、会社は460億円に上るとされる顧客への補償を自己資金で賄うとしています。

 金融庁は立ち入り検査を通じて、補償に充てる資金が十分にあるか確認することにしていて、その際、「コインチェック」が会社の資金と顧客から預かった資金とをしっかり分けて管理しているかどうか、いわゆる「分別管理」の実態など、会社の財務内容を詳しく調べます。

 また、セキュリティー対策や顧客への対応状況などについても確認します。

 金融庁は「コインチェック」に対し、先月29日に業務改善命令を出し、今月13日までに対応策を提出するよう求めていただけに、今回、報告を待たずに立ち入り検査を行う異例の措置をとった形です。

 金融庁が仮想通貨の取引所に資金決済法に基づく立ち入り検査を行うのは初めてで、業務改善命令の履行状況を厳しく監視することで、顧客の保護に万全を期したいとしています。

 コインチェック「真摯(しんし)に対応する」

 金融庁の立ち入り検査を受けたことについて、「コインチェック」の広報担当者は、NHKの取材に対し、「真摯に対応して参ります」としています。

 そのうえで、被害を受けた顧客への補償について、「返金できる時期のめどは立っていないが、自己資金で補償できるという考えに変わりはない」として、総額で460億円に上ると見られる補償は改めて、会社の資金でまかなえるとしました。

 ただ、会社の資金と顧客から預かった資金とをきちんと分けて管理する「分別管理」が適正に行われているかどうかについては、「事実確認をしているところで、確かなことがわかってからお伝えする」と答えるにとどまりました。

 麻生副総理・金融相「資産保全を確実にするため」

 麻生副総理兼金融担当大臣は2日の閣議のあと、記者団に対し、不正なアクセスを受け580億円相当の「NEM」と呼ばれる仮想通貨が流出したコインチェックに、金融庁が立ち入り検査に入ったことを明らかにしました。

 この中で、麻生副総理兼金融担当大臣は「先月26日にみなし仮想通貨交換業者のコインチェック社が管理する仮想通貨が、不正アクセスにより外部に流出するという事故が起きた。本日、会社に対して、資金決済法に基づいて立ち入り検査に着手している」と述べました。

 そのうえで、業務改善命令に対する会社側からの報告を前に立ち入り検査に入ったことについては、「利用者の資産の保全を確実にするという観点からだ」と述べました。

 一方、麻生金融担当大臣はコインチェック社以外のすべての取引所に要請していたセキュリティー対策などの自己点検について、金融庁として実態把握を徹底するため、新たに資金決済法に基づいて報告を求める命令を出したことを明らかにしました。(NHK、2018.2.2)


 金融庁は2日、仮想通貨の取引所「コインチェック」に立ち入り検査に入った。 金融庁は580億円分の仮想通貨「NEM」が流出した問題を受け、2日午前8時前、立ち入り検査に入った。セキュリティー対策の状況や顧客の資金管理の状況などを調べている。 金融庁はこれまでも聞き取りを続けてきたが、ある幹部は「いくら話を聞いても、どういう人間がどういうセキュリティーを動かしているのか、全然わからない」と話しており、立ち入り検査に踏み切ったもの。 急速に広がる仮想通貨だが、今回の問題で、対策が追いついていない未熟な分野であることが浮き彫りとなった。金融庁は今後、規制を強める方針だが、自由であることが売りである仮想通貨をどこまで規制すべきか、あり方が問われている。(日テレNEWS24、2018.2.2)


 コインチェックという会社自体の問題が浮き彫りになってきました。下記ダイヤモンド・オンラインの記事は、事件発覚後1363億円分の仮想通貨「リスク」がコインチェックのメインウォレットから外部アドレス(仮想通貨の保管場所)に移動されたというインサイダー疑惑。そらCMの出川兄もなぜいいのか答えられるわけないわ。


<参照>
ダイヤモンド・オンライン コインチェック騒動のさなかに1363億円の資金移動、不正送金疑惑が浮上
posted by リュウノスケ at 18:10| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月30日

井納翔一ネット中傷損害賠償訴訟

 テレビ朝日の玉川徹氏が29日、同局の「羽鳥慎一モーニングショー」で、一部週刊誌で報じられたDeNAの井納翔一投手がネットに妻の悪口を書いた20代女性会社員を訴えたニュースに触れ、自身にも「アホの玉川」「このカス野郎」などの悪口がネットに書かれていることを明かし、井納の行動を「ファーストペンギン」と評価した。

 番組では、一部週刊誌に報じられた井納がネットに妻の悪口を書いた一般女性を訴えたニュースを特集。匿名にも関わらず、弁護士に依頼し悪口を書いた人間を特定したことや、訴えても井納への金銭的な利益はほとんどないこと、どんな言葉が訴えられるのかなどを専門家を招き意見を聞いた。

 井納の場合、妻に対し「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」などとつぶやいた女性に対し、200万の支払いを求める裁判を起こしたとされているが、玉川氏は自身がネットで書かれた悪口を実際に公表。「アホの玉川」「頭がイカれている」「このカス野郎」などのコメントに対し、住田裕子弁護士や専門家が「アホ」「カス」などが実際に訴えられるものなのかを解説した。

 住田弁護士は、最近ネットの影響力が高まっていることから「信用性は低いが、これからは(裁判で)取り上げられる可能性もある」と指摘。これに玉川氏も「(裁判を)やってみるか」とコメント。

 そして「僕以外の有名人だって嫌な思いをしている人はいっぱいいる。ただ(裁判を)やっていないだけ。井納さんのようなファーストペンギンが出て、次々と(後に続く人が)出て来ると、こんなケースが認められると広まっていって、そういう所からしか変わらないのでは」と意見。ファーストペンギンとは、危険があるかもしれない海に、群れの最初に飛び込むペンギンのことで、勇気のある挑戦者を現す言葉として使われる。

 羽鳥慎一アナも「今回の井納さんのケースはお金ではなくて、時代の変化に警鐘を鳴らす、こういうこともあると井納さんが行動で示した」と評価した。

 玉川氏は更に「井納さんは有名かも知れないが、奥さんだもん。なんでこんなこと言われないとと傷ついたのは想像に難くない。愛する奥さんに対し許せないと思うのは何もおかしくない」と井納の行動に理解を見せていた。(デイリースポーツ、2018.1.30)


 2ちゃんねるかと思ったら野球界の噂という掲示板だそうです。なぜ20代女性会社員は名乗り出てしまったのか。


<参照>
野球界の噂
J-CASTニュース DeNA井納投手の「嫁酷評」提訴で注目 「選手の奥さん叩き」掲示板のエグい内容
posted by リュウノスケ at 20:05| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

旧優生保護法強制不妊手術損害賠償訴訟 その1

 旧優生保護法の下、遺伝性精神疾患を理由に強制不妊手術を受け人権を侵害されたうえ、国が救済措置を怠ったとして、宮城県内の60代女性が30日、国に1100万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。日弁連の意見書では、同法に基づく同意のない不妊手術は全国で約1万6500件確認されている。弁護団長の新里宏二弁護士によると、不妊手術強制をめぐる国家賠償訴訟は全国初。

 弁護団によると、女性は15歳の時に遺伝性精神疾患を理由に不妊手術を受けた。県に開示請求した資料から、強制手術だったとみられている。

 女性側は訴訟で、不妊を理由に縁談を断られ、結婚の機会も奪われたと訴える。また、1歳の時に受けた別の手術が原因で知的障害になったのに、遺伝性精神疾患と誤診された可能性も指摘。子を産む自由を奪われ、憲法が保障する個人の尊厳や自己決定権を侵害されたと主張する。

 また、国連機関から強制不妊手術の被害者に対する救済措置を何度も勧告されたのに国は補償制度の整備などを怠り、立法不作為の過失があったと訴える。

 弁護団は2月2日に電話相談窓口を設置。同様の被害を受けた人々による集団訴訟も検討する。(時事通信、2018.1.30)


 「優生手術」と呼んで知的障害者や精神障害者らへの強制不妊手術を認めた旧優生保護法(1948〜96年)の下、宮城県で63〜81年度に手術を受けた記録が残る男女859人のうち、未成年者が半数超の52%を占めていたことが判明した。最年少は女児が9歳、男児が10歳で、多くの年度で11歳前後がいたことが確認され、妊娠の可能性が低い年齢の子どもにまで手術を強いていた実態が浮かび上がった。30日には15歳で強制手術を受けた同県の60代女性が、初の国家賠償請求訴訟を仙台地裁に起こす。

 宮城県が毎日新聞の取材に対し、優生手術に関する現存記録の一部内容を明らかにした。

 それによると、同県で63年度から19年間に優生手術を受けたのは、男性320人、女性535人、年齢性別不明4人で、そのうち未成年者は、男性191人(59%)、女性257人(48%)。手術理由のうち最も多かったのは「遺伝性精神薄弱」の745人で全体の8割超を占め、「精神分裂病」39人▽「遺伝性精神薄弱+てんかん」26人▽「てんかん」15人−−などと続いた。また、知的障害や精神障害がなくても生まれつき難聴などの身体障害のある14人が手術されていた。

 同法に手術対象者の年齢制限の規定はなく、宮城県で手術を受けた859人のうち最高齢は男性51歳、女性46歳で、最年少は男児が10歳、女児が9歳だった。9歳の女児は2人で、いずれも不妊手術の理由を「遺伝性精神薄弱」とされ、63年度と74年度にそれぞれ手術を受けていた。また、毎年のように11歳の男女が手術を受けていた。

 年代別では、65年度の127人をピークに66年度108人、70年度94人、73年度33人などと減少傾向をたどっていった。

 旧厚生省の衛生年報や毎日新聞の調べによると、同意のないまま優生手術を受けた人は同法施行期間中、全国で1万6475人に上り、そのうち記録に残る最多は北海道の2593人で、宮城県の1406人▽岡山県845人▽大分県663人−−などと続く。

 優生手術の執刀経験がある東京都の産婦人科医師、堀口貞夫さん(84)は、実名で取材に応じ、「現在の医学の見地からすれば、9歳の女児に不妊手術を施すのは非常識だ」としながらも、「当時は法律に基づいて手術をせざるをえなかった」と振り返った。

 【ことば】旧優生保護法

 ナチス・ドイツの「断種法」がモデルの国民優生法が前身。「不良な子孫の出生防止」を掲げ、障害を理由に本人の同意なしでも不妊手術を認めた。手術の必要性は医師が判断し、都道府県が設置する審査会が諾否を決めていた。手術を強制する際の身体の拘束、麻酔の使用、欺罔(ぎもう)なども認められ、手術を受けた人が結婚する場合、相手側に不妊手術の事実を通知するよう定めていた。 (毎日新聞、2018.1.30)


 「不良な子孫の出生防止」を目的に一九九六年まで存在した旧優生保護法を巡り、知的障害などを理由に不妊手術を施されたとみられる個人名が記された資料が、十九道県に約二千七百人分現存していることが二十五日、共同通信の調査で確認された。不妊手術を受けたとされる約二万五千人の一割にとどまるが、当事者の「被害」の裏付けとなる可能性がある。国は個人資料の保存状況を把握しておらず、実態調査など今後の対応が問われる。

 三十日には、旧法下で不妊手術を強いられた宮城県の六十代女性が国に損害賠償を求める初の訴訟を起こす。二月二日には仙台弁護士会が電話相談窓口を設置。札幌、東京、大阪、福岡の弁護士会にも窓口開設を呼び掛けており、資料開示や謝罪・補償を求める動きが広がるか注目される。

 一方、約二万五千人の九割近くは関連資料が保存されていない可能性も判明。既に廃棄されたものが多いとみられ、識者は「当時の実態解明が困難になり、被害者への謝罪や賠償も難しくなる」と指摘している。

 四八年施行の旧法は知的障害や精神疾患の男女らへの強制も含めた不妊手術を容認。日弁連によると、国の優生保護統計報告などから、障害などを理由に手術を受けたのは約二万五千人で、うち約一万六千五百人は本人の同意を得ずに行われた。

 今回の調査は昨年十二月以降、全都道府県(担当部署と公文書館)に不妊手術に関する資料の有無を文書などで聞き、回答をまとめた。

 不妊手術を受けたとみられる人の氏名などが記された資料は、北海道など十九道県に二千七百七人分あった。内容は優生保護審査会の資料や手術費・入院費の支出書など。

 本人同意がないとみられるのは千八百五十八人で、同意は六人、不明は八百四十三人。性別は男性七百八十人、女性千九百十六人、非公表十一人だった。年齢別では成人千八百八十一人、未成年八百十一人、非公表十五人(うち一人は年齢層不明)。非公表の理由は「個人が特定される恐れがある」としている。

 資料がない理由は「保存期間を経過したため廃棄」(茨城、山梨など)が目立つ。内閣府によると、行政文書は、都道府県が公文書管理法に従い条例や規則で保存期間を規定。期限超過分は歴史的価値などを考慮し、永年保存か廃棄かを都道府県が決めるという。

 ◆早急な実態調査を

 <立命館大生存学研究センターの利光(としみつ)恵子客員研究員の話> 障害を理由に生殖機能を失わせるのは、著しく人権を侵害する行為だ。個人名が記された資料の現存が確認されたのは、実態に迫る上で大きな意味を持つ。

 一方で大半は既に存在しないとされ、全体像の解明を困難にするとの懸念が残る。存命している当事者もおり、被害を裏付ける資料を廃棄すべきではない。政府は各自治体を通じて早急に実態を調査し、旧優生保護法下での施策を検証する必要がある。

 また当事者に名乗り出るよう呼び掛け、施策の誤りを謝罪して補償すべきだ。高齢になった当事者が名乗り出るには周囲のサポートが重要。手術に関わった医療や行政の関係者が証言などで事実関係を明らかにしてほしい。

 <厚生労働省母子保健課の話> 調査結果について国としてコメントする立場にない。手術を受けた当事者の話を個別に聞かせてもらいたいが、それ以上の対応は現段階では考えていない。(共同通信、2018.1.26)


<参照>
東京新聞 9歳、10歳児に不妊手術 旧優生保護法の宮城県資料
東京新聞 不妊手術強制 国を初提訴 宮城の女性 旧優生保護法「違憲」
東京新聞 15歳、残酷な傷「苦しんだ」 旧優生保護法 国提訴
ウィキペディア 母体保護法
ウィキペディア 断種
posted by リュウノスケ at 19:42| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする