2018年09月16日

村上宗隆プロ初打席初本塁打

 <ヤクルト2−4広島>◇16日◇神宮

 1軍に初昇格したヤクルトのドラフト1位村上宗隆内野手(18)が、プロ初打席で初本塁打を放った。

 「6番三塁」でプロ初スタメン。1回表の守備では、広島の1番野間の三ゴロを一塁にワンバウンドの悪送球でプロ初失策を記録したが、バットで本領を発揮。

 2回1死一塁、カウント2−2から広島岡田の138キロのフォークを強振。右手人さし指を掲げながら、右翼席へのスタンドインを見届けた。球団の高卒野手の初打席初本塁打は、16年9月29日DeNA戦の広岡以来。村上は「打ったのはフォークボール、緊張はありませんでした。初回のエラーをなんとか取り返そうと思って打席に入りました。プロ初打席がホームランになって良かったです」とコメントした。

 村上は九州学院(熊本)から17年ドラフト1位でヤクルトに入団。高校通算52本塁打を放った打力を生かすべく、プロ入り後に捕手から三塁手に転向。球団の育成方針で2軍で実戦経験を重ね、イースタン・リーグで96試合で打率2割8分9厘、17本塁打、70打点、16盗塁と能力の高さを発揮していた。(日刊スポーツ、2018.9.16)


 イースタンで突出した打撃成績を残していた村上がようやく一軍昇格と思ったら早速ホームランを放ちました。高卒ルーキーとは思えない体格、構え、スイングも素晴らしいですが、選球眼がいいですよね、この人。間違いなくリーグを代表する大打者になると思います。


村上 宗隆 1号 2ラン ホームラン 2018年9月16日 ヤクルトvs広島



<参照>
日刊スポーツ ヤクルト 対 広島 【試合終了】 ヤクルト5勝17敗0分け ◇公式戦◇開始18時01分◇神宮◇観衆30910人 2018年09月16日21時29分02秒更新
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2018年09月09日

大坂なおみ全米オープン優勝

 テニスの四大大会最終戦、全米オープン第13日は8日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで行われ、女子シングルス決勝で世界ランキング19位の第20シード、大坂なおみ(20)=日清食品=が元世界1位で第17シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)を6−2、6−4で破り、初優勝を果たした。日本選手が四大大会のシングルスを制したのは男女を通じ史上初めて。

 大坂は四大大会通算11度目の出場。今大会は1回戦から安定感のあるプレーを続け、決勝までの7試合で1セットしか失わなかった。

 ハイチ出身の父と日本人の母を持つ大坂は2013年にプロ転向。15歳から日本テニス協会ナショナルチームの一員となり、今年は3月にツアー初優勝を遂げるなど躍進し、最高峰の舞台でも頂点に上り詰めた。 

 ◇大坂なおみの略歴

 大坂 なおみ(おおさか・なおみ)3歳でテニスを始める。13年プロ転向。16歳だった14年7月に11年全米オープン覇者のストーサー(オーストラリア)を破り注目された。四大大会は16年全豪で初出場し、これまでの最高成績は18年全豪の4回戦進出。強烈なサーブとフォアハンドが武器。父はハイチ出身で、母は日本人。姉まりもプロテニス選手。180センチ、69キロ。20歳。大阪市出身。(時事通信、2018.9.9)


 世界ランキング26位のセリーナ・ウィリアムズ(36=米国)は、2−6、4−6で同19位の大坂なおみ(20=日清食品)に敗れ、4年ぶり7度目の全米オープン制覇はならなかった。

 第1セットは奪われたが、第2セットで先にブレークし観客の大声援を背に流れが傾きかけた。しかし、直後の第5ゲームをリードしながら連続ダブルフォールトなどで大坂にブレークバックを許し、自分のふがいないプレーにフラストレーションを爆発。ラケットをコートにたたきつけて破壊した。この行為が第2ゲームでのコーチングに続く2度目の警告となり、第6ゲームは1ポイントを失った形で始まり大坂にラブゲームでのキープを許した。

 その後もしつように抗議を続け、暴言も吐いたことで第7ゲームをブレークされた後に3度目の警告。大坂のサービスゲームとなる第8ゲームを戦わずして失った。目に涙を浮かべたセリーナは冷静さを欠き、自滅した。

 しかし、表彰式では会場から起こった大坂へのブーイングに対し、「もうブーイングはやめよう。おめでとう、なおみ」と呼びかけ、元世界女王らしい気遣いをみせ勝者をたたえた。これに対し大坂が「(セリーナを)みんな応援しているのは知っている。こんな終わりかたですいません」と謝罪すると、観客は大拍手でそれに応えた。(日刊スポーツ、2018.9.9)


 全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)、女子シングルス決勝で大坂なおみ(Naomi Osaka)に敗れたセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は8日、不正行為はなかったと主張し、ペナルティーは性差別的だとして批判した。

 決勝では大坂がセレーナを6-2、6-4で下し、日本人選手として男女を通じ初の四大大会(グランドスラム)のシングルス制覇を果たした。

 この結果、セレーナの史上最多タイとなる通算24度目のグランドスラム制覇は持ち越しとなった。36歳のセレーナは、第2セットに激怒して目に涙を浮かべて自滅し、後味の悪い決勝となった。

 この一戦でセレーナは、自身の陣営からコーチングを受けたとしてコードバイオレーションを告げられ、さらに激怒してラケットを破壊したためポイント・ペナルティーを受けた。また、主審のカルロス・ラモス(Carlos Ramos)氏に対し「うそつきの盗人」、「謝って」と暴言をはくとゲーム・ペナルティーを科された。

 セレーナは試合中にコーチのパトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏からコーチングを受けたことはこれまでに一度もないと主張しているが、ムラトグルー氏は米スポーツ専門チャンネルESPNに対しその事実を認め、コーチ全員がしている行為だとした。

 セレーナは「パトリックには『一体何を言っているの?』とメールした。私たちにはサインなどない。サインについて話したことも一度もない」と話している。

 また、性差別と戦う女性のアイコンとして地位を築いているセレーナは、テニス界は男子選手と女子選手の扱いが違うと話す。

「男子選手が審判に注文を付けるシーンをこれまでに見てきた。私は女性の権利と平等のために戦うためにここにいる」

「私は『盗人』と言い、彼はペナルティーを科す。性差別的だと感じた」「彼は『盗人』と言った男子選手を罰したことは一度もない。それで私の心は折れてしまった。だけど、私は女性のためにこれからも戦う」(AFPBB News 、2018.9.9)


 セリーナの執拗な抗議や観客のブーイングなど少々後味は悪いものの女王を倒して偉業達成。おめでとうございます。


<参照>
ウィキペディア 大坂なおみ
ウィキペディア 全米オープン (テニス)
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2018年08月21日

第100回全国高校野球選手権大会閉幕

 第100回全国高校野球選手権大会最終日は21日、甲子園球場で決勝が行われ、今春の選抜を制した大阪桐蔭(北大阪)が金足農(秋田)を13−2で下して4年ぶり5度目の優勝を果たした。大阪桐蔭は2012年にも甲子園を春夏連覇しており、史上初めて2度目の達成となった。

 大阪桐蔭は一回2死満塁から暴投と石川の二塁打で3点を先制。四回に宮崎が3点本塁打を放ち、五回には根尾の2ランなどで6点を奪って突き放した。

 金足農は準決勝まで5戦連続完投の吉田が球威に欠け、5回を投げて12失点で降板。東北勢として春夏を通じて初の甲子園優勝には届かなかった。(時事通信、2018.8.21)


 東北勢悲願の初優勝には、またしても手が届かなかった。

 金足農(秋田)が県勢として103年ぶりに果たした決勝進出。だが、史上初の2度目となる春夏連覇が懸かっていた大阪桐蔭(北大阪)の強力打線に大黒柱の吉田輝星投手(3年)が飲み込まれた。

 秋田大会の全5試合でオール完投。計43回を投げ抜いて甲子園に乗り込んできた右腕の勢いは、舞台を球児の聖地に変えてもとどまることを知らなかった。8日の1回戦から前日20日の準決勝まで1人で全5試合、計45回を完投。準々決勝まで4試合連続2桁奪三振を達成し、一躍今大会のNO・1注目投手に躍り出た。

 しかし、秋田大会から甲子園の準決勝まで1400球近くを投げていた蓄積疲労に、気温33度の猛暑が追い打ちをかける。初回、四球と安打でいきなり無死一、三塁のピンチ。続く3番・中川と4番・藤原はともに内角スライダーで空振り三振に斬って取ったが、5番・根尾も四球で歩かせて満塁としてから6番・石川の初球に自らの暴投で先制を許すと、その石川には右中間へ2点適時二塁打を許して計3点を許した。

 4回には、内角へ投じた140キロ直球を宮崎に左翼スタンドへ叩き込まれる3ランを被弾。5回には根尾にバックスクリーンへ2ランを浴びた。結局5回だけで打者11人に7安打6失点。吉田はこの回限りで今年の夏初めて途中でマウンドを降り、背番号1は右翼の守備に回った。5回で132球を投げ、12安打12失点。そして甲子園全6試合で計50回を投げ、投じた球数は881球にも及んだ。

 三塁の守備からマウンドに上がった4番打者の打川は3回1失点と好投。打線は3回に1点、7回に1点を返したが、及ばなかった。9回、最後の打者・菊地彪の打球が右翼手のグラブに収まって試合が終わると、吉田は号泣しながら整列。その震える肩を大阪桐蔭の選手たちが代わる代わる叩いて抱擁を交わすと、吉田の涙顔に笑みが広がった。日本中を沸かせた金足農の夏、吉田の夏。敗れはしたが、しっかりその足跡を残した熱い夏だった。(スポニチ、2018.8.21)


 日本高校野球連盟は21日、9月に宮崎県で開催されるU18(18歳以下)アジア選手権に出場する高校日本代表18人を発表した。第100回全国選手権を制した大阪桐蔭(大阪)からは、根尾昂内野手、藤原恭大外野手ら5人が選ばれ、準優勝の金足農(秋田)のエース、吉田輝星投手も選ばれた。代表選手は以下の通り。

 ▽投手 吉田輝星(秋田・金足農)渡辺勇太朗(埼玉・浦和学院)野尻幸輝(千葉・木更津総合)板川佳矢(神奈川・横浜)山田龍聖(富山・高岡商)奥川恭伸(石川・星稜)柿木蓮(大阪・大阪桐蔭)市川悠太(高知・明徳義塾)▽捕手 根来龍真(静岡・常葉大菊川)小泉航平(大阪・大阪桐蔭)▽内野手 日置航(東京・日大三)奈良間大己(静岡・常葉大菊川)中川卓也、根尾昂(以上大阪・大阪桐蔭)小園海斗(兵庫・報徳学園)▽外野手 蛭間拓哉(埼玉・浦和学院)藤原恭大(大阪・大阪桐蔭)峯圭汰(長崎・創成館)。 (時事通信、2018.8.21)


 第100回記念大会で大阪桐蔭(北大阪)が金足農(秋田)を破り、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。今秋ドラフト1位候補の根尾昂遊撃手(3年)が5回にバックスクリーンに今大会3本塁打目を放つなど、15安打13得点で4年ぶり5度目の優勝を飾った。V5は歴代3位タイ、春夏通算8度目のVは歴代2位。甲子園決勝は春夏通じて8戦全勝で、平成最後の夏の王者に輝いた。

 右翼の青地斗舞がウィニングボールをつかむ前に、大阪桐蔭の根尾は笑顔でマウンドに駆け出した。「前の2回は(優勝を喜び合うマウンドに)行くのが遅かったので…。春夏連覇を目標にやってきたので、めちゃくちゃうれしかった」。この日の登板機会はなかったが、2勝&3本塁打は100回の歴史で2人目の快挙。二刀流の名にふさわしい活躍で、史上初2度目の春夏連覇を彩った。

 6―1の5回無死一塁、金足農・吉田輝星の高めへの140キロ直球をバックスクリーンへ運んだ。「思ったより球が強かったので、球の勢いで飛んでいった」。今大会3本塁打目で打線を再点火させた。この回打者11人で6得点を挙げ、相手エースは5回12失点で降板。「(吉田は)疲れが目に見えていたし、しんどそうなところもあったけど、代わるところまで素晴らしい投球をしてくれて、全力でぶつかることができた」。これで甲子園は4季連続出場で3度優勝し、通算19試合で無安打は1試合だけ。15戦連続安打で締めくくった。PL学園・清原和博、桑田真澄の「KKコンビ」級の甲子園の申し子と言える。

 “大阪桐蔭史上最強”の優等生だ。物理と生物が得意な理系男子。西谷浩一監督(48)は、授業中の様子として「寝ているのを見たことは一度もない」と証言する。遠征帰りのバスでは他の選手が寝ているなか、投球の極意やメジャーリーガーの本を読んだり、米大リーグのホームラン映像集を見ている。「たまに根尾が(遠征帰りの)バスで寝てたりするとホッとする。『根尾さん』も人間なんだ」と指揮官は苦笑し「本気で声を荒らげて怒ったことは一度もない」と姿勢に感服する。

 入学後、西谷監督に「野球は体でやるもんじゃない。心でやるスポーツだ」と指導を受けた。バスを降りたら一番に走り、1年生より先にグラウンドにトンボをかけ、道具も出す。朝早く起きて勉強をする。その教えを体現した。

 大会前恒例の家族への手紙には「このチームで負けたくないので最後まで勝つ。野球をさせてくれてありがとう!」と記した。約束通り、史上初となる2度目の春夏連覇に貢献した。試合後、今後について聞かれると「プロ野球に入りたいという思いはある」と宣言。投手・野手の二刀流には「どっちか、と言われたら、はっきりとなるかなと思う」と否定的で、「遊撃かな」と希望を明かした。

 「昂」という名前には、両親の「(誕生時は)エネルギーがすごくて、生命力にあふれていた。前向きにのぼってほしい」という願いが込められている。プロ野球の最高峰の舞台でも、エネルギッシュなプレーを見せる。(伊井 亮一)

 ◆根尾 昂(ねお・あきら)2000年4月19日、岐阜・飛騨市生まれ。18歳。河合小2年から「古川西クラブ」で野球を始め、古川中ではボーイズリーグの「飛騨高山ボーイズ」でプレー。中学時代にスキーで国際大会に出場した経験も持つ。大阪桐蔭高では1年夏からベンチ入り。最速は148キロ。高校通算30本塁打。177センチ、78キロ。右投左打。家族は両親と兄、姉。

 ◇個人1大会3本塁打以上 大阪桐蔭・根尾昂が今大会3発目。今大会の大阪桐蔭・藤原(3本塁打)に続き、30人目(31度目)。同一年に同一チームの2人が記録するのは、00年の智弁和歌山・山野純平&後藤仁、08年の大阪桐蔭・奥村翔馬&萩原圭悟に次いで3組目。投手で2勝しながら3発を放ったのは、00年の智弁和歌山・山野(4勝&3発)に次ぐ2人目。

 ◇個人連続試合安打 大阪桐蔭・根尾が15試合連続安打を記録。最近では箕島・嶋田宗彦(78年春夏と79年春夏)、池田・水野雄仁(82年夏、83年春夏)が、ともに出場した全16試合で安打を記録した。また、根尾は甲子園通算19試合のうち18試合で安打。PL学園の清原和博と桑田真澄は83年夏から85年夏にかけて全5季26試合に出場し、清原が18試合、桑田が19試合で安打を記録している。(スポーツ報知、2018.8.22)


<全国高校野球選手権:下関国際5−4創志学園>◇15日◇2回戦

 泣いた。第100回全国高校野球選手権で、大会屈指の好投手として注目された創志学園(岡山)・西純矢投手(2年)が9回に逆転され敗戦。人目をはばからず号泣した。闘志あふれるスタイルの右腕は、マウンドでの派手なガッツポーズを球審に注意される場面もあり、9四死球で自滅。待球作戦で終盤勝負をしかけた下関国際(山口)の前に力尽きた。この日、4試合が行われ、16強が出そろった。

 あふれる涙を何度もぬぐい、天を仰いだ。創志学園・西は「自分のリズムで投球ができなかった。気持ちで負けた」とぽつり。気迫が持ち味の2年生エースが、弱気になったことを悔いた。

 初回、先頭の浜松から見逃し三振を奪うとガッツポーズ。3者凡退に抑えた直後、球審に呼び止められた。「ベンチに戻る途中に主審から『必要以上にガッツポーズをしないで。試合のテンポを速くするために、早くプレートに入りなさい』と言われました」。2回、3回にも球審だけでなく二塁塁審からも注意を受けた。8回に4番鶴田を三振に仕留めた場面では「強い口調で言われた。自然と出たんですけど…」と戸惑った。

 投球中に気持ちが前面に出るスタイルの右腕は、ピンチを切り抜けると背中をそらせてのガッツポーズや雄たけびが自然と出る。ただ、意図した行為ではなくても、過剰なアクションが相手への敬意を欠き、スムーズな試合進行の妨げになると球審に判断された。西は「(打者ではなく)審判と勝負してしまった。気持ちのあせりが態度に出てしまった」と唇をかんだ。

 9日の創成館(長崎)戦は、毎回の16三振を奪い、無四死球完封。100回記念大会注目の右腕として一躍脚光を浴びたが、この日は9四死球と制球に苦しんだ。2点リードで迎えた9回。連続四死球でピンチを招き、無死満塁から暴投で1点を献上。そこから適時打と犠飛で逆転を許した。初戦とは別人のような姿に、長沢宏行監督(65)は「あれが2年生でしょう。勉強しなければだめ」と、あえて厳しい言葉でエースの成長を願った。

 西にとって、この日は特別な1日だった。昨年10月に45歳の若さで亡くなった父雅和さんの誕生日。「父を喜ばせようと思ってマウンドに上がったが、自分のピッチングができなくて申し訳ない」と悔しさをにじませた。

 聖地の土は持ち帰らなかった。「いい思いもして、怖い思いもした。来年ここに戻ってきて今年の借りを返したい」。天国と地獄を味わった甲子園。今度は真のエースとして帰ってくる。(日刊スポーツ、2018.8.16)


 「見たこともない球が来るだろう」と、創成館の3番打者松山は稙田(わさだ)監督に聞かされていた。創志学園の2年生エース西のスライダーは、やはり強烈だった。

 四回、二塁打の峯が三盗に失敗した後、なお1死一塁。松山のバットは鋭いスライダーに空を切った。曲がるまでの軌道が直球とほぼ一緒。「振り始めたら落ちた」。この時点で7奪三振の西が上げ潮に乗った。

 「四回が苦しかった」という西は、以降もスライダーにものをいわせる。松山を含め6者連続三振。これで試合を支配した。「三振はそんなに気にしませんでした。打たせて取ろうとした結果です」

 スライダーが効くのも最速150キロの直球があってこそ。だが、長沢監督には「球場の球速表示と勝負するな」と戒められている。どこも打力を上げている昨今、球速の快感にとらわれるのは危うい。バッテリーもそこは分かっていた。97キロのカーブのあと、142キロという具合の配球に徹した。

 五回以降は内野安打1本に抑え、結局は三塁も踏ませず、毎回の16奪三振。18歳以下日本代表1次候補の力量を全国の舞台で示し、選抜8強の創成館をねじ伏せてしまった。

 帽子を飛ばして投げ、躍動感いっぱい。この日は149キロまで出たが、「(甲子園での)150キロは来年でいい」と緩急の妙を際立たせる西。「今日は野球人生で一番いい投球でした。採点するとしたらですか? 100点ですっ」。どこまでも威勢がよかった。

 ○森田 1年生の7番打者は犠打二つを決め、3四球を選ぶ。「仕事ができた。スタンドから自分の名前、貫佑と叫ぶ声が聞こえた。落ち着いていたんだと思う」

 ○岡本 四回に適時三塁打を放ち、「さらに追加点が欲しい中で、外角高めの直球を逆らわずに打てました。狙い通りです」と白い歯を見せた。

 ○長沢監督 「西を褒めるしかない。球のキレがよく、タフに投げてくれた。打線も相手のスライダーに手を出さず、よく打ってくれた」

 【大会記録】▽毎回奪三振 西(創志学園)。第99回大会準決勝で山本、平元(広陵)が天理戦で継投で記録して以来、91度目。(朝日新聞、2018.8.9)


【球速ランキング(球速、氏名、投打、学校名、学年)】
151 柿木(右右、大阪桐蔭、3年)

150 奥川(右右、星稜、2年)
    井上(右右、日大三、2年)
    吉田(右右、金足農、3年)

149  西 (右右、創志学園、2年)
    根本(右右、木更津総合、2年)
    渡辺(右右、浦和学院、3年)

148 根尾(右左、大阪桐蔭、3年)
    広沢(右右、日大三、2年)

147 小寺(右右、龍谷大平安、3年)
    岸川(右右、二松学舎大付、3年)
    森 (右右、広陵、3年)

146 木村(右右、佐賀商、3年)
    鶴田(右右、下関国際、3年)
    衛藤(右右、聖光学院、3年)

145 及川(左左、横浜、2年)
    中森(右左、明石商、1年)
    山口(右左、済美、3年)
    中田(右右、花咲徳栄、3年)

144 篠田(右右、羽黒、2年)
    秋山(右左、愛工大名電、3年)
    山田(左左、高岡商、3年)
    佐合(右左、近江、3年)
    河北(右右、浦和学院、3年)
    池内(右右、済美、3年)

143 鈴木(右右、山梨学院、3年)
    北畑(右右、佐久長聖、2年)
    恩田(右右、前橋育英、3年)
    修行(右右、大垣日大、3年)
    宮城(左左、興南、2年)
    木村(右左、奈良大付、3年)
    難波(右右、鳥取城北、3年)
    木村(右右、報徳学園、3年)
    永島(左左、浦和学院、2年)
    石橋(右左、沖学園、3年)
    杉本(右右、大垣日大、3年)
    野村(右右、花咲徳栄、3年)
    福山(右右、八戸学院光星、3年)

142 山本(右右、中越、3年)
    沼田(右右、旭川大高、3年)
    林 (右右、佐久長聖、3年)
    楠茂(左左、旭川大高、3年)
    和田(右右、益田東、3年)
    野元(右左、折尾愛真、3年)
    河野(右右、広陵、2年)
    寺沢(右右、星稜、1年)

141 垣越(左左、山梨学院、3年)
    竹谷(右右、星稜、3年)
    生井(左左、慶応、3年)
    松井(右右、花咲徳栄、3年)
    河村(左左、日大三、3年)

140 平田(右右、智弁和歌山、3年)
    福谷(右左、明石商、3年)
    大栄(右左、仙台育英、2年)
    美又(右右、浦和学院、1年)
    野尻(右右、木更津総合、3年)
    成田(左左、八戸学院光星、3年)
    金城(左左、近江、3年)
    中村(右左、日大三、3年)
(140キロ以上、管理人調べ)


 剛腕吉田擁する金足農業旋風で大変盛り上がった100回大会。地元選手のみの公立校だけに打線がエースを擁護できるのか懸念されましたが、予想を上回る攻撃力で決勝まで駆け上がりました。残念ながら如何ともしがたい戦力差で大阪桐蔭に一蹴されたもののこの夏の雄姿は高校野球ファンの記憶に残るでしょう。お疲れさまでした。

 さて、恒例のプロ注目選手総括。やたら球の速い2年生がいて驚いたわけですが、やはり投手筆頭は吉田(右右、金足農、3年)。ピンチできっちり抑える勝負根性は田中将大を髣髴させます。176センチと少々小柄なのでハンカチ王子や島袋のように進学して使い潰されることなくプロでお金を稼いでほしいと思います。

 次に西(右右、創志学園、2年)。100点の自己採点をした初戦はインコースに140キロ後半のストレートがきっちり制球されており神がかっていました。決め球のスライダーもプロレベルのキレ。あれを高校生が打つのは無理な話でしょう。2回戦で審判に注意されまくったパフォーマンスを我慢できれば来年の春か夏は優勝争いするかもしれません。

 他には大会最速151キロを投げた優勝投手柿木(右右、大阪桐蔭、3年)、150キロ右腕奥川(右右、星稜、2年)、身長190センチの渡辺(右右、浦和学院、3年)、西を倒した鶴田(右右、下関国際、3年)、小寺(右右、龍谷大平安、3年)、岸川(右右、二松学舎大付、3年)、及川(左左、横浜、2年)など。

 打者筆頭は完璧超人根尾(右左、大阪桐蔭、3年)。強肩強打のショートという野球センスの塊の上に西谷監督が止めないとやりすぎるほど練習熱心であり、更に頭脳明晰・品行方正と何をやっても成功するタイプ。去年まで目立っていた打撃の粗さが3年になって見違えるほど改善したのは練習の賜物でしょう。吉田にとどめを刺したバックスクリーン弾など容赦のなさもプロ向き。根尾が入ったら5年後にはすっかり「根尾のチーム」になっているんじゃないでしょうか。

 次に同じショートの小園(右左、報徳学園、3年)。初戦いきなり3本の二塁打を放ち、その全てでホームまで帰る大活躍で聖光学院に勝利しました。プロのスカウトも根尾と同等評価のようです。守備走塁もよく違うのは長打力くらいか。他には藤原(左左、大阪桐蔭、3年)、日置(右右、日大三、3年)。万波(右右、横浜、3年)は自慢のパワーを見せられませんでした。

 U18がすぐに始まるわけですが、吉田なんて大会通算881球投げたわけでしょう。招集してまだ投げさせる関係者の気が知れません。


<参照>
日刊スポーツ 夏の甲子園2018 日程・結果
スポーツナビ 夏の甲子園 日程・結果
ドラフト・レポート
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2018年08月06日

第100回全国高校野球選手権大会開幕

 第100回全国高校野球選手権大会は5日、皇太子ご夫妻をお迎えして兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。

 1915年8月の第1回全国中等学校優勝野球大会から100回目となる記念大会は、史上最多の56校が参加。開会式の入場行進では、第1回から地方大会に欠かさず出ている鳥取西(当時鳥取中)など15校の主将が先導を務めた。

 選手宣誓では近江(滋賀)の中尾雄斗主将が「第100回という記念すべき年に野球ができることに感謝し、多くの人々に笑顔と感動を与えられる、最も熱い本気の夏にすることを誓います」と力強く宣言した。

 続いてプロ野球の巨人や大リーグのヤンキースで活躍した石川・星稜出身の松井秀喜さんが始球式を務め、開幕試合では星稜が藤蔭(大分)を9−4で下した。

 大会は準々決勝翌日の休養日を含む17日間の日程で行われる。 (時事通信、2018.8.5)


 <全国高校野球選手権:高知商14−12山梨学院>◇6日◇1回戦

 明徳義塾の馬淵史郎監督(62)が「高知商−山梨学院」のラジオ解説のため、甲子園球場を訪れた。

 高知大会決勝では高知商の強力打線に屈し、9連覇を阻まれた。この日も打線が16安打14得点の猛攻で壮絶な打撃戦を制した。馬淵監督は「よー、打つね。うちも打たれたもん」と感心しきり。

 1年生ながら3安打3打点の高知商・西村貫輔内野手については、「けれん味がないわ。あれはいいバッターや」とたたえた。

 100回大会の出場を逃し、甲子園に出ない夏は09年以来だ。すでに新チームは練習を開始している。「勉強よ。もう1度、リセットしてやる。今年は出たかったな…」とつぶやいた。今大会では春夏連覇を目指す大阪桐蔭が大本命だが、「夏は分からんよ。倒すなら、創志学園という声も聞いた。めちゃくちゃ打つよ。投手も150キロ投げるし」と独自のネットワークからキャッチした情報を披露した。(日刊スポーツ、2018.8.6)


 ナンバーワンに最速150キロの金足農・吉田を挙げたい。176センチ、81キロ。どっしりした下半身で無駄のない投球フォーム。カットボールやチェンジアップなど変化球も多彩だ。巧みな牽制(けんせい)に加え、「打者によって力の入れ具合を変える」というセンスも光り、秋田大会の5試合を1人で投げきった。

 春夏連覇を狙う大阪桐蔭の右腕2人は着実にレベルアップ。根尾は背番号6をつけて遊撃手を兼ねるが、投手としての感覚の良さが際立つ。春以降、投球フォームから力みが消えて制球が安定した。背番号1をつける柿木は本調子でなかった選抜後、坂道ダッシュなどで下半身を強化し、本来の球威が戻った。北大阪大会では148キロを計測した。

 2年生ながら高校日本代表1次候補に入った2人もいい。星稜の奥川は「選抜でスタミナ不足を感じた」と走り込みと筋力トレーニングに重点を置いた。6月の練習試合では九回に146キロを出すなど手応えをつかんだ様子。創志学園の西も岡山大会の決勝で150キロ。スライダーにも自信を持ち、投球回数を上回る三振を奪った。

 横浜の板川は冬場のトレーニングで球速が140キロ台半ばまで上がったが、「球速ではなく、コントロールと変化球で勝負するタイプ」と右打者の外角へチェンジアップを沈める。興南の2年生、宮城は右打者の懐へ食い込む直球が生命線。「要所でズバッと投げ込みたい」と強気だ。

 浦和学院の渡辺は身長190センチの大型右腕。角度のある直球は150キロに迫る。層の厚い投手陣を引っ張る創成館の左腕川原は「春は智弁和歌山に投手力で負けた。1点の重みを感じながら投げてきた」と、準々決勝で敗れた選抜の雪辱を誓う。(山口史朗)

注目投手の地方大会成績

左から名前(チーム)、投球回、被安打、奪三振、与四死球、失点 
吉田(金足農) 43 26 57 16 7 
渡辺(浦和学院) 17回1/3 16 14 5 8 
板川☆(横浜) 20回2/3 17 25 3 6 
奥川(星稜) 15 7 14 1 0 
根尾(大阪桐蔭) 17 12 14 5 5 
柿木(大阪桐蔭) 17 14 14 1 2 
大石☆(近大付) 43 38 36 15 6 
西(創志学園) 28 16 33 9 4 
川原☆(創成館) 23回1/3 15 20 5 2 
宮城☆(興南) 23回1/3 12 22 4 1 
☆は左投げ
(朝日新聞、2018.8.3)

【注目野手】
木更津総合・野尻幸輝(3年)投手・内野手
横浜・万波中正(3年)投手・外野手
智弁和歌山・林晃汰(3年)内野手
大阪桐蔭・根尾昂(3年)投手・内野手・外野手
大阪桐蔭・藤原恭大(3年)外野手
報徳学園・小園海斗(3年)内野手
創志学園・金山昌平(3年)内野手
(Full-count)


 100回記念で盛り上がる選手権大会。強そうなチームが多いので今年はおもしろいと思います。注目は馬淵監督も名前を出す創志学園。西の雄たけびガッツポーズで旋風を起こせるか。


<参照>
Full-count 今夏甲子園で見ておきたいスーパー球児は誰? プロも注目の必見逸材は…
日刊スポーツ 夏の甲子園2018 日程・結果
スポーツナビ 高校野球 日程・結果
posted by リュウノスケ at 22:58| Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月17日

第86回ルマン24時間耐久レース

 世界3大自動車レースの一つ、伝統の第86回ルマン24時間耐久レースは17日午後3時(日本時間同日午後10時)、フランス・ルマンのサルテ・サーキット(1周13.626キロ)で決勝のゴールを迎え、TS050ハイブリッド2台で臨んだ最高峰LMP1クラスのトヨタ勢は、8号車の中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ(スペイン)、セバスチャン・ブエミ(スイス)組が388周を走破してトップでチェッカーフラッグを受け、トヨタ勢として通算20度目の挑戦で初の総合優勝を果たした。

 7号車の小林可夢偉、ホセマリア・ロペス(アルゼンチン)、マイク・コンウェイ(英国)組が2周差の2位に入り、トヨタが1、2位を占めた。

 日本メーカーのルマン制覇は1991年のマツダ以来、2例目。日本人ドライバーの総合優勝は、95年にマクラーレンF1GTRに乗った関谷正徳、2004年にアウディR8に乗った荒聖治以来、3人目となった。

 予選で8号車が1位、7号車が2位のトヨタ勢は決勝で何度か順位を入れ替えながらも、ワンツー態勢で独走。3位以下に大差をつけ、悲願を達成した。

 今回のルマンは世界耐久選手権(WEC)の18〜19年スーパーシーズンの第2戦。次回のルマンはシーズン最終戦として19年6月に行われ、トヨタには連覇のチャンスがある。(時事通信、2018.6.17) 


 トヨタがついに快挙達成。おめでとうございます。


<参照>
ウィキペディア ル・マン24時間レース
posted by リュウノスケ at 23:23| Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする