2018年04月03日

マララさん故郷に帰る

 史上最年少のノーベル平和賞受賞者、マララ・ユスフザイさん(20)が約5年半ぶりに母国パキスタンに一時帰国したが、市民の反応は冷ややかだ。背景には貧富の差が激しい同国を出て英国で暮らすマララさんへの嫉妬や、伝統的価値観と相いれない欧米社会への反感などがある。

 マララさんが帰国した3月29日、パキスタン私学連盟はマララさんの自叙伝「私はマララ」にかけて「30日を『私はマララじゃない』日にする」と呼び掛けた。同連盟は2013年の本の出版時にも私学での閲覧禁止処置を取った。どちらも「パキスタンやイスラム教を中傷している」「欧米社会の宣伝だ」などという理由だった。

 「なぜ彼女だけが注目を集めるのか。政府は(女子教育を支援する)『マララ基金』より、われわれのような貧しい者を支援すべきだ」。首都イスラマバードの理容師、アリ・アシュハーさん(24)は不満を隠さない。

 貧富の差は激しく、貧困層が抜け出すのは容易ではない。欧米への移民希望者も多く、英国の名門オックスフォード大に通うマララさんに嫉妬が集中する。

 また、伝統的価値観から男性優位の色彩が濃く、女性に教育は不要と考える慣習が根強い。マララさんがイスラム武装勢力の女子教育抑圧を告発して、12年に銃撃されて命を取り留めた経緯は、イスラム社会をおとしめるための欧米側の作り話だとする「陰謀論」を信じる人も少なくない。

 マララさんは31日、故郷を訪問したが予定は極秘扱い、移動は軍のヘリという徹底ぶり。地元当局者は「『嫌われ者』を武装勢力に売り渡そうとするやつらがいるからだ」と素っ気なく話した。(イスラマバード共同、岐阜新聞、2018.4.1)
posted by リュウノスケ at 02:01| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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