2016年12月30日

今年一番よかったCMよくなかったCM2016

 テレビCMの効果や消費者の反応などを調査・分析している「CM総合研究所」(東京都港区)が、2016年度(15年11月〜16年10月)のCM好感度ランキングを発表した。広告量の多い携帯電話各社のCMが上位を占める構図は前年度と変わらなかったが、犬と赤ちゃんの触れあいをとらえたアマゾンジャパンなど、心なごむ作品が人気を集めた。

 一位は、松田翔太、桐谷健太、濱田岳が昔話の主人公を演じる「三太郎シリーズ」のauで、二年連続の栄冠。寺田心を幼少期の桃太郎にすえ、三太郎の出会いと友情を描いた「出会い編」で物語に深みを持たせたほか、花咲(はなさか)じいさん(笹野高史)や一寸法師(前野朋哉)など新キャラクターも登場し、話題を呼んだ。

 十年目を迎えた「白戸家」のソフトバンクが二年連続の二位に。堤真一や綾野剛らが新聞記者に扮(ふん)する「得ダネを追え!」シリーズが好調だったNTTドコモが続き、携帯電話の大手三社が三位までを独占した。四位にも格安スマホの「ワイモバイル」がランクイン。一九八〇年代にタイムスリップした桐谷美玲が「なめ猫」「ボディコン」など当時の流行を目の当たりにして驚く世代間ギャップが受けた。

 前年度の二千位台から五位に大躍進したのがアマゾンジャパンの会員制特典サービス「Amazonプライム」。最初は赤ちゃんに泣かれた犬が、その後受け入れられるまでのストーリーを、出演者らの表情と女性ボーカルの音楽だけで描いた。

 同社の桑田淳さんは「商品が早く届くというサービスが生活にどういう意味があるかを表現し、消費者との情緒的つながりを強化したかった」と企画意図を説明。反響は大きく、好評のため、米国や英国、ドイツでもそのまま放送され、会員数を増やすなどの成果を上げているという。

 CM総研によると、CMに好感を持つ要因に「心がなごむ」を挙げるモニターが増えたといい、動物や家族との絆や友情を描いた作品も多かったという。

 CM総研の関根心太郎代表は、成功したCMには「身近な生活を快適にする」という共通のキーワードがあると分析。「日常をより快適にする商品に関心が高く、家族など身近な人をより快適にしてくれるパーソナルな幸せ、大げさではない身近な幸福感が求められている」と話している。

 <調査方法> 対象は期間中に在京民放キー局5局で放送された2028社、7470銘柄(商品)、1万6043作品のCM。CM総研が関東1都6県在住の一般モニター男女3000人を対象に行っている「月例CM好感度調査」を集計した。(東京新聞、2016.12.30)


 大手広告代理店電通の石井直社長は28日夜、東京都内で会見し、新入社員だった高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺し、法人としての同社が書類送検されたことを受け、引責辞任すると表明した。石井社長は「経営を預かる身として深く責任を感じており、全責任を取る」と述べ、来年1月の取締役会で社長執行役員を退く考えを示した。

 石井社長は高橋さんの自殺に対し、「新入社員の過重労働を阻止できなかったことはざんきに堪えない」と陳謝した。(時事通信、2016.12.28)


 燃費不正問題からの再出発をアピールするため、三菱自動車が今月8日から再開したテレビCMで、女性がのぞき込む天体望遠鏡が誤って逆向きに設置されていたことが26日、分かった。これでは星空ではなく地面しか見えないことになり、同社は15日、問題のシーンをカットしたCMに切り替えた。

 4月に燃費不正問題を公表した三菱自動車は、今回のCMに「社員全員が車造りを一から見直し、走る喜びと確かな安心を提供し続ける決意を込めた」(広報部)はずだったが、思わぬところでつまずいた格好だ。

 問題となったのは、同社のプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」の横で、男女4人が夜間にキャンプを楽しむ場面。女性が星空を見ようと、のぞき込んだ望遠鏡が逆向きだった。9日にCMを見た顧客から指摘があり、ミスが発覚した。

 三菱自動車は「担当部門の知識不足により、実際と異なる設置をしたままCMを撮影した」(広報部)としている。(東京新聞、2016.10.27)


 2016年広告業界最大の話題は電通の過労自殺問題。去年は佐野研二郎騒動もあったし電通という会社は大きいばかりでロクなことしませんね。コンプライアンス精神の欠片もないブラック企業なんだから東京五輪など国家プロジェクトから排除すればいいのに。法治国家として相応しくないよ。

 さて、今年も三太郎が制したCM好感度ランキング。濱田岳の金太郎が新作ごとにキャラ立ちして桃太郎を食っている好循環の一方、白戸家は唐突に佐藤健を次男に据えたりとテコ入れに失敗して迷走気味。勢いが全然違うので来年もソフトバンクの首位奪還は難しいんじゃないでしょうか。

 だめだったというか不快だったのは、『バンダイナムコエンターテインメント アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』。ヘタな歌をヘタな歌として披露させられる中居正広の心中いかばかりか。好評のようでシリーズ化されているものの正直ギャグになっておらず、飯島マネージャーはこのCMを見てどう思っているんだろうと考えてしまいます。

 今年ワーストは新聞記事にもなった『三菱自動車工業 2016秋 再出発篇』。再出発に相応しくない演出を全力で考えてもなかなか思いつかない致命的ミスでした。担当者は今後この業界にいられるんでしょうか。

 よかったのはこのブログでも紹介した『タウンワーク 通訳篇』。中条あやみが台詞を言いながらけん玉するだけなのに毎回見入ってしまう『NTTドコモ 申込んでスグよの歌篇』。「逃げ恥」を当てて絶好調の新垣結衣がかわいい『日清食品 チキンラーメン エル・チキンラーメシ篇』など。

 ベストは『ダイハツ ムーヴキャンバスLEDヘッドランプ篇』(制作代理店:株式会社博報堂/TUGBOAT)。うだつが上がらない彼氏(少路勇介)を振ったあとの高畑充希の笑顔がすばらしい。稲垣潤一の歌(『夕焼けは、君のキャンバス』作詞:麻生哲朗 作曲:木村篤史 編曲:中村僚/大坪稔明 )もよかった。


<参照>
ダイハツ公式HP ムーヴキャンバスTVCM「LEDヘッドランプ」篇
ダイハツ公式 ムーヴキャンバス(一番下までスクロールすると稲垣潤一のCMソングがフルで聴ける)
ウィキペディア 少路勇介
posted by リュウノスケ at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | CM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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