2011年03月11日

NHKアニメ『もしドラ』14日から放送

 昨年、大ベストセラーとなった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」。春の甲子園に合わせ十四日から、アニメ版「もしドラ」全十話が、NHK総合で土日を除いて連夜、放映される。第一話の試写を見ると、原作よりさらに“青春濃度”が高まっている気配。制作サイドに話を聞いた。

 二月に東京・渋谷のNHK放送センターで試写を見た原作者の岩崎夏海さんは、ちょっぴり涙ぐんでいた。

 「これまでの人生で嫌なことがあったから、基本的に人は信用しないが、いい意味で裏切られるとうれしい。ぼくが本に込めたニュアンスが、アニメにも空気として込められていた」

 浜名孝行監督(43)は、岩崎さんから「基本は夕紀とみなみの二人の友情の物語。それは崩さないでほしい」と注文を受けたという。

 主人公の都立程久保高校二年の川島みなみは、入院した親友・宮田夕紀の代わりに野球部のマネージャーになる。「二人の友情が成り立たないと、面白くなくなっちゃう」(浜名監督)

 みなみが、野球部を甲子園に連れていくためにドラッカーの「マネジメント」を読む場面も、絵本のような文字でエッセンスが紹介されるが、アニメとして自然な流れを壊さないようにした。

 「『ドラッカーさん』というキャラクターを用意してはどうかなど、企画段階ではいろんなアイデアが出て悩んだが、友情よりも浮かんでしまうと作品として合わない」。マーケティングやイノベーションなどの概念も、みなみや野球部の成長に合わせ、一話に一つずつ盛り込んで「難しいだけで終わらないようにした」という。

 AKB48の前田敦子主演で、実写映画にもなる「もしドラ」。大ヒットの理由について岩崎さんは「多くの日本人の意識の変化」を挙げる。

 「これまで政治家や官僚、大企業の経営者など社会的に上の立場の人に生活を良くすることを頼っていた人たちが、自分たちで社会を良くしようと考えるようになり、参考書を探していた」

 岩崎さんによると、情報には二種類ある。「隠しておくほど価値の高い情報と、広げると価値のある情報。ドラッカーは揺るぎない後者なので、読んだ人が価値を大きくしようと取り組んでくれているのが、広がっている理由」と説明する。

 浜名監督が、原作でとくに印象深かったのは「真摯(しんし)さ」という。ドラッカーは「初めから身につけていなくてはならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さだ」と指摘している。みなみが「マネジメント」から最初に学ぶのも、この「真摯さ」だ。「アニメを作るときには忘れちゃならないと、言われているような気がしながら作った」

 アニメは十四〜十八日、二十一〜二十五日、NHK総合で午後十時五十五分から。四月からは毎週木曜深夜零時十五分から再放送される。木曜深夜は民放でも、いわゆる「大人アニメ」がひしめく時間帯。NHKも、このアニメ時間帯に本格進出なのか、日向英実放送総局長に尋ねてみると「視聴者のリアクションを見ながら。深謀遠慮はない」との答え。ドラッカーを読み込んでの戦略、ではないようだ。(東京新聞、2011.3.9)


よくできたホラー小説, 2010/11/23 By インク
レビュー対象商品:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (単行本)
このレビューはネタバレ要素を含んでいます。

 話題の本ということで読んでみたのですが、予想以上に凄いシロモノでした。主人公の川島みなみちゃんは重い病気で入院してしまった親友の代わりに野球部のマネージャーとなり、彼らを甲子園へ導くことを決意します。しかし野球はもちろんマネージャーについてもよく知らないみなみちゃんは、それについて学ぼうと思い立ち、本屋でドラッカーの『マネジメント』を購入しました。

 ここから彼女の人生は狂いはじめます。帰宅してマネジメントを読みはじめたみなみちゃんは本文に出てきた『真摯』の二文字を見て、突然泣き出します。あまりにも唐突な事態に読んでるこっちが泣きたくなります。なお、この時みなみちゃんがなぜ意味もわからなかった『真摯』という文字を見て号泣したのか、その理由が後に語られることはありません。

 そして翌日からみなみちゃんは何かにとりつかれたようにマネジメントを信奉しはじめます。問題が起きる→マネジメントを読む→解決!終盤まで延々とこんな流れが続きます。一般的な物語ならそう簡単に話が終わるはずなどなく、むしろさらなる困難が待ち構え、それにどう立ち向かうかが重要になってくるわけですが、そんなものドラッカーのマネジメントの前では無意味です。

 これさえ読んでいれば人生は全てうまくいく。週刊誌で宣伝している願いのかなう宝石のような効果がマネジメントにはあるのです。少なくとも、本書を読んで私はそういう印象を受けました。そんなに凄い本なのだから、みなみちゃんがより深くマネジメントにのめり込んでしまうのは必然でしょう。

 病状が悪化して今まさに死にかけている親友が文字通り必死に何かを伝えようとしているのに、その言葉をさえぎってマネジメントの朗読をはじめるみなみちゃんの姿は、カルトに洗脳された信者そのものです。

 そして甲子園出場をかけた決勝戦当日に親友は亡くなりました。どう考えても、みなみちゃんのせいです。元マネージャーを失った悲しみを乗り越えて決勝戦に挑む野球部員たち。ちなみに今までろくに練習もしてこなかった彼らは、マネジメントのおかげで普通に練習するくらいには成長していましたが、その程度の彼らがどうやって決勝まで進むことができたのかは謎です。

 決勝戦の相手は当然、甲子園出場のために日夜凄まじい練習と実戦で鍛えてきた強豪です。結論から言えば、みなみちゃんの学校はその強豪校に勝利して甲子園への切符を手に入れるわけですが、勝利できた理由は「なぜか」です。なぜか相手がどんな球を投げてくるのか分かった。なぜか今日は調子がいいといった具合に、本文中ではやたら「なぜか」という言葉が繰り返され、選手たちは謎の覚醒をします。もはやマネジメントは関係ありません。

 それについさっき元マネージャーが亡くなったばかりなのに、今日はいつもより調子がいいというのはあんまりではないかと。それとも、元マネージャーという大切な存在を失ったことで選手たちは自分の中に眠っていた未知なる力に目覚めたのでしょうか。女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んでいる隙に、他の部員たちは久保帯人先生の『BLEACH』を読んでいたに違いありません。

 そして甲子園当日、野球部のキャプテンがインタビューを受けるところで物語は幕を閉じるのですが、比較的まともだと思っていた人物が実は誰よりも洗脳されていたことが判明する、ホラーとしてはかなり秀逸なラストが待っています。

 あらすじだけでも十分おそろしいのに「日本の企業は体育会系出身者が多いから運動部に所属していると企業に採用されやすい」など、お前それドコ情報だよと問い詰めたくなるようなことを平気で言う登場人物や散々指摘されている通り、適当な英文を適当な翻訳サイトで変換したような支離滅裂な日本語など、全てが不気味です。

 オススメはできませんが、本当に怖い本です。こんなものが出版されてしまったことに恐怖を覚えます。(アマゾン)


 14日からNHK総合で始まるアニメ『もしドラ』。原作者の岩崎夏海は去年の紅白歌合戦にも審査員として招待されていました。実質番宣とはいえNHK幹部が原作(者)を気に入ったんだろうなということは何となく感じます。

 私は原作を読んでいないのでけなす権利はないんですが、上記に転載したアマゾンレビュー(☆は一つ)を読むとどう考えてもクソ小説なのではないかと思わざるを得ません。ドラッカーが偉大だからってこんなものをアニメ化して大丈夫なんでしょうか。

 因みに圧倒的におもしろいこのレビューは1000人以上が「このレビューが参考になった」と投票していたにも関わらずいつの間にか消されてしまいました。アマゾンで批判したら削除されるという噂は本当のようです。





<参照>
NHKアニメワールド もしドラ
posted by リュウノスケ at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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