2009年12月20日

イラク武装勢力米軍無人偵察機データ傍受

 米国防省や情報機関の高官らは、イラクのシーア派武装勢力が一部の無人偵察機システム上で、保護されていない通信リンクを利用しビデオ映像を傍受していることを明らかにした。

 イランの支援を受けているこの武装勢力は、インターネット上で26ドルほどで購入可能な「SkyGrabber(スカイグラバー)」などのソフトウエアを用いて無人偵察機のビデオ画像を定期的に捉えている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

 米政府高官は、武装勢力が無人偵察機のコントロールや飛行を妨害した証拠はないと説明した。だが、通信の傍受によって米軍の特定の任務で不意打ちを食らう危険性を減らし、米軍の監視下にある道路や建物を特定することで武装勢力に戦場でアドバンテージを与えることになりかねない。

 無人偵察機の通信傍受は、米軍が海外で繰り広げる戦闘の影でサイバー戦争が広がりつつある現状を浮き彫りにした。また、アフガニスタンやパキスタンで米国が好んで使用する無人偵察機ネットワークの致命的となりかねない弱点を浮き彫りにする格好となった。

 オバマ政権は、無人偵察機の使用に頼る度合いが高い。それにより、米軍の派遣が政治的に困難またはリスクの高い地域で目標となる武装勢力を安全に監視、追跡することが可能となるためだ。

 昨年後半、イラク駐留の米軍兵士がシーア派民兵を捕まえ、持っていたノート型パソコンに傍受した無人偵察機のビデオ画像が入ったファイルが含まれているのを発見した。今年7月には、他の民兵が持っていたノート型パソコンにも傍受した無人偵察機のビデオ画像が見つかった。一部の政府高官は、イランが提供する訓練と資金援助を受けた複数の民兵組織が定期的に通信傍受していたと結論付けた。

 デイヴィッド・デプトゥーラ空軍中将は16日に記者団に対し、無人偵察機は遠隔操作されビデオ画像やデータを相当な距離を隔てて送受信しなければならないため使用にはリスクがつきものだと説明した。その上で、「ビデオ画像やデータの送受信などは、傍受されたり不正利用されやすい」と述べ、米軍は暗号化機能を強化し問題の解決に当たると強調した。(ウォール・ストリート・ジャーナル)


 イラク駐留米軍の無人偵察・攻撃機「プレデター」が撮影した監視映像などのデータが、同国のイスラム教シーア派武装勢力に傍受されていたことが、このほど明らかになった。米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた。

 同紙によると、問題が指摘されたのは昨年後半とされる。国防総省当局者もこれを否定していない。さらにアフガニスタンでも無人機のデータが漏れたことがあるとされるが、いずれの場合も武装勢力側が操縦システムなどに侵入した形跡は報告されていない。

 米当局者が匿名でCNNに語ったところによると、武装勢力による傍受が米軍の作戦に影響を及ぼしたことはないという。国防当局高官はCNNとのインタビューで、「われわれにとっては古い問題で、すでに対応済みだ」と述べたが、具体的な対応策などには言及しなかった。同高官によれば、無人機のデータは多数の相手に即時送信する必要があり、速度を保つために暗号化処理をしていないケースが多かった。

 武装勢力は、ロシア企業「スカイグラバー」が開発した市販ソフトウエアをインターネット上でダウンロードし、これを使ってデータを受信していたとみられる。同社によると、このソフトは本来、テレビ受信やネット接続用の衛星アンテナに入る雑音を取り除く目的で開発されたという。

 国防総省の報道官は、問題の報道については一切コメントせず、「米軍の偵察活動については、能力および保安の向上を常に目指している。その過程で問題が見つかれば当然修正する」と述べるにとどまっている。(CNN)


 イラクやアフガニスタンの武装勢力が、米軍の無人偵察機が地上の米軍施設に送るビデオ映像を傍受していたことが17日、明らかになった。米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた。米軍は「武装勢力に傍受の技術はない」として、映像データを暗号化していなかったという。

 武装勢力が使用しているのは、インターネットで26ドル(約2300円)で販売されているソフトウエア。衛星通信を使い、本来はインターネットなどを通じて他者がダウンロードした音楽やビデオ、写真を傍受する。米軍が無人偵察機から送る暗号化されていないデータも、リアルタイムで傍受可能という。

 昨年12月、米軍が拘束したイスラム系シーア派武装勢力から押収したパソコンに、米軍の無人偵察機の映像が保存されていたことから発覚した。同様の傍受がアフガンでも確認されたという。

 AP通信によると、武装勢力に、無人偵察機の信号を妨害したり、遠隔操作する能力があるかどうかは不明。米国防総省は、映像データの暗号化を進めているが、米軍には少なくとも600の無人偵察機があり、交信する地上施設も数千に上るため、対策には時間がかかるという。

 無人偵察機の中には、ミサイルを搭載した攻撃用の機種があり、米軍は、米兵被害を最小限にするためアフガン戦争で多用している。その回数は、ブッシュ政権時代を上回る。

 無人機による攻撃では、「民間人が殺害された」との指摘が絶えない。武装勢力が無人機の動きを観察し、巧みに拠点を移動して攻撃を事前に回避し、残された民間人が攻撃を受けた可能性もあり、国際人権団体が批判を強めている。(毎日新聞)


 無人兵器を使った攻撃は戦争というより処刑なのではないかと常々思っていたのでちょっとだけ溜飲の下がるこのニュース。

 自軍の損害をできるだけ少なくしたい結果としてアメリカは広島と長崎に原爆を投下しました。その理屈の延長線上に通常兵器の究極的ハイテク化=無人化があり、実際に運用されているのが有名な無人偵察機RQ-1プレデターです。

 遠隔操作で敵兵を偵察・攻撃する様は一見ゲーム感覚であり、モニター上で敵兵が逃げ惑い殺されるのを見ると倫理的にこんなことが許されていいのだろうかと慄然とします。ハイテク無人兵器対生身の人間という戦いはまるで『ターミネーター』の世界。映像だけ見ると思わずイラクやアフガンの兵士を応援してしまいがちになるわけです。

 もちろん同時多発テロのアルカイダ、香田さんを惨殺したイラクの武装勢力、恐怖政治で民衆を苦しめているタリバンなどは倒さなければならない敵なのでしょう。ただ、個人的に今回のデータ傍受のニュースは人類が殺人ロボに一矢報いたような気分になったのも事実です。因みに上記の通り傍受に使われたソフトは26ドル、プレデターの価格は一機4000万ドル(約36億円)だそうです。


RQ-1 Predator Ambush site in Iraq






<参照>
ウィキペディア RQ-1 プレデター
はてなキーワード プレデター
posted by リュウノスケ at 02:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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