東大を卒業したが就職していないといい、「理想を持って勉強してきたが、教科書の内容と違う現実があることを知り、文科省にだまされたと感じた」などと供述。ほかに東大教授の殺害予告も書き込んでいたが、元厚生次官ら連続殺傷事件と関連はないという。
調べでは、20日午前8時ごろから午後0時50分ごろまでの間、自宅パソコンで自身のブログに「文科省官僚への殺人予告をしているのは私です。1週間以内に次の者を順次、自宅で刺殺する」などと書き込み、文科省初等中等教育局長ら幹部10人の実名を挙げて、脅した疑い。(産経新聞)
文部科学省局長らの殺害予告をインターネットのブログに書き込んだとして、警視庁は29日、東京都文京区本駒込、無職M容疑者(25)を脅迫の疑いで逮捕した。
同庁幹部によると、同容疑者は東大を卒業後、定職には就いておらず、「理想を持って勉強してきたが、教科書で勉強したことと社会の現実が違っていたことを思い知り、文科省にだまされたという感情が高まった」などと供述しているという。
発表によると、M容疑者は今月20日、自分が開設したブログに「1週間以内に次の者を、その自宅において刺殺する」などと書き込み、同省局長や課長クラスの実在する幹部職員10人の名前を列挙して脅迫した疑い。
同庁幹部によると、M容疑者は「目的は詐欺教育に対する天誅(てんちゅう)。国民主権を回復し、抵抗権を行使して悪を殺害する」などとブログに書き込んでいた。
今月2日ごろ、インターネット上のウェブサイトに、現職の東大教授を名指し、「殺害する」などと書き込んでおり、同庁が通信記録などを照会した結果、文科省幹部の脅迫も判明した。(読売新聞)
時節柄ブログとか掲示板に犯罪予告をするとあっという間に通報・逮捕されてしまう昨今。先日深夜にNHKを見ていたら「予告.in」の矢野氏が紹介されていました。winnyの47氏と比較すると立派なことをしたのかもしれませんが、矢野氏にしろ犯罪予告を通報する人にしろ、なんだか全体主義国の秘密警察協力者みたいであまりよい印象は受けません。犯人のほとんどは実行する気なんてさらさらない子供か失業者なんだからシカトすればいいだけの話。アホなレスをスルーするのはネットの基本です。
さて、今回の事件で興味深いのは犯人が東京大学を卒業していたということ。元事務次官を刺殺した小泉は佐賀大中退。秋葉通り魔の加藤は青森高校卒。下関通り魔の上部は九州大学工学部卒で池袋通り魔の造田は天城高校という岡山の進学校中退でした。
心理学者の岸田秀は自殺とは自己イメージと社会的地位の乖離が許容量を超えた場合に起こると言っていましたが、通り魔も同じような気がします。自分は頭がよくて価値があると思っている人間が実生活で落ちぶれてしまうと知的プライドのない人間に比べてストレスは比較にならないほど大きいでしょう。そんな人が不遇の原因を自分に求めれば鬱病になって自殺するし、社会に求めれば過剰に攻撃的になり、究極的には通り魔になるのではないでしょうか。
問題は落ちぶれたエリートのストレスをどうするのかということ。酒や博打やセックスで気を紛らわせられない場合、やはり自己分析して状況を言語化するしかないのではないでしょうか。以前一流私大を卒業したものの父親との不和が原因で就職に失敗し、自殺を繰り返していたという男性のブログを読んだことがあります。その人はブログや小説を書くという行為によって苦難を乗り越えているようでした。
秋葉原通り魔の加藤は携帯のサイトにレスしまくっており書けばなんとかなると安易には言えばせんが、自殺したり人を殺したりするよりは明らかに建設的。事件を起こしてしまった人間でも全く無反省のまま死んだ宅間守ときちんと総括した永山則夫との違いは、永山が獄中での読書によって自分の人生を言葉にできたからでした。
書くことは確実に人を癒す効果があります。あまりM君を責めないで、誰か小説でも書くように勧めてあげたらどうでしょうか。とりあえずまだ若いんだし、頭もいいんだから社会的に抹殺するのはもったいないと思います。(内容との整合性があるので今回は引用した記事も含めて犯人の名前をイニシャルとしました)
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