○内藤−清水●(十回KO)
内藤が一撃で劣勢を覆してKO勝ち。足を使う相手の前に空振りが目立ち、九回までポイントでリードを許した。だが、七回から当たり始めたフックを十回序盤に左、右とクリーンヒットさせてダウンを奪い、さらに連打で一気に畳みかけた。
清水は左フックと右カウンターを軸に立ち上がりから主導権を握ったが、善戦及ばなかった。
▽亀田興毅 (いい試合で)ええ気持ちだったからリングに上がっただけや。(内藤に)「次の試合、やろうよ」と言った。WBCのタイトルは(弟)大毅が負けている。兄としてこのまま引き下がるわけにはいかない。いい形を作ってボクシング界も盛り上げたい。
◇猛練習で年齢克服 底力見せ付ける
すさまじい破壊力、見事な逆転KO劇だった。十回に内藤が放った左フック一発。ぐらいついた相手を右フックで倒すと、さらに連打で沈めてテンカウントを聞かせた。
九回まで3審判とも1〜3点差の劣勢で敗色濃厚だった。足を使う日本王者・清水を追うが、左ジャブを突かずに強引に前に出るため、カウンターの左フックを合わせられる。八回終了時の公開採点を聞いて「負けていてびびった」という。だが、KOは狙わなかった。「まだ4回ある。一つひとつ返していこう」。十回、清水の左ジャブに合わせて放った左フックは力みが抜け、スムーズに相手のあごを打ち抜いた。
「『内藤有利』と言われて、守りに入ってしまった。ボクシングセンスねえな」と苦笑いした内藤。左ジャブの少なさ、ガードの低さなどの課題を露呈した格好だ。だが、坂道ダッシュなど、走り込み中心のトレーニングで鍛えたスタミナと運動能力は、来月に34歳になる年齢を感じさせない。底力も改めて見せつけた。
試合直後、WBAフライ級1位の亀田興毅がリングに上がり、「おめでとう。試合やろうな」と握手してくる一幕もあった。内藤は控室で「『やろうなじゃなく、やってくださいだろ』と言い返したら、ちゃんと言い直したよ」と笑う。世界王者になって1年。人気に加え、威厳と風格も備わってきた。
○…大健闘むなしく敗れた清水。九回までは採点で3−0とリードしていただけに、「最後までやりたかった」と悔しさをにじませた。ガードを固めてカウンターを狙う作戦だったが、開始当初から「(内藤の)調子が悪い。フットワークについてこれていない」と見抜き、足を使ったカウンター狙いに変更。内藤のパンチに左フックや右ストレートを的確に返し続けた。「勝てると思った。油断と言うより、これが実力」と言葉少なだった。
【略歴】内藤大助(ないとう・だいすけ) 74年8月30日、北海道豊浦町生まれ。96年プロデビュー。02年4月、WBCフライ級王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)に挑戦し、一回34秒KO負け。昨年7月、ポンサクレックを判定で降して王座に。今年3月、2度目の防衛戦でポンサクレックと引き分け、国内最年長で世界王座防衛。右ボクサーファイター。戦績38戦33勝(21KO)2敗3分け。(毎日新聞)
世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級元王者の亀田興毅が30日、世界ボクシング評議会(WBC)タイトル戦後のリングに上がり、3度目の防衛を果たした内藤大助に「次に試合をしようや」と訴えた。
弟の大毅が昨年10月、内藤との試合で反則を繰り返した上に完敗しているだけに、「このまま引き下がれない」と話した。「亀田ジム」設立が認可されれば、国内での試合が可能となる。
一方、この行動について、亀田興が所属していた協栄ジムの金平桂一郎会長は、「ああいうパフォーマンスが批判されてきた。あんなやり方はボクシングの興行にはない」と強い不快感を示した。また、亀田興がWBAタイトルを防衛した同ジムの坂田健史ではなく内藤との対戦を望んだことには、「亀田興は何のためにWBAランキング1位にいるのか。坂田とやらないなら逃げているということだ」と批判した。(時事通信)
なぜか会場にいた亀田興毅が内藤の勝利インタビューに乱入したこの試合。TBSが工作し、八百長判定で弱い清水を王者にさせてからそのベルトを亀田に獲らせる作戦だったと2ちゃんねるでは深読みする人がたくさんいましたが、内藤のパンチはそんな噂話も含め様々な「大人の目論見」を全て粉砕してしまいました。
試合展開は上記記事の通り。序盤は確かに清水リード。しかしすぐに内藤に翻弄されて清水はクリンチばかりとなり、8ラウンド終了の時点で内藤が負けているとは私も思えませんでした。内藤の「判定にびびった」というコメントは焦ったという意味ではなく意外だったのではないでしょうか。
おかしな判定で不利な状況にもめげず、その後KOで逆転勝利した内藤はポンサクレックにも勝った偉大なボクサーです。亀田をリングに上げたのがTBSなのか、それとも内藤戦を熱望して本当に自分の意思で上がったのかは分かりませんが、亀田は一生頑張っても今日のような凄い試合はできません。彼はそんなレベルのボクサーではない。
未だにスター気取りなんでしょうが、本当に迷惑極まりないKYぶり。会場のブーイングが物語っていたように名勝負の余韻が台無しでした。

