2018年03月03日

新幹線のぞみの台車はなぜ亀裂が入ったのか

 JR西日本が所有する新幹線のぞみの台車枠に亀裂が見つかった問題で、川崎重工業が台車を製造した際、作業員が現場に張り出されたマニュアルを読んでいなかったことが2日、分かった。責任者が「思い込み」で作業員に鋼材を削る指示を出していたことも判明。厚さが基準の7ミリをを満たさない台車は、ほかにJR東海分も含めて146台あり、ずさんな品質管理と安全意識の欠如が浮き彫りとなった。

 川重が製造時の注意事項をまとめた「作業指導票」は、強度に影響が及ぶとして台車枠の鋼材を削ることを禁じていた。指導票は作業現場に張り出されていたが、40人の作業員はこれを読ます、責任者も内容を理解していなかった。

 一方、業界内の作業基準では、溶接部位に近い場所に限り、鋼材を最大で0・5ミリ削ることを認めていた。だが責任者は「0・5ミリまでなら全体を削ることができる」と誤解。さらに、作業員への指示で「削るのは0・5ミリまで」と告げなかったため、底面が広範囲にわたり削られ、中には厚さが基準の7ミリを大幅に下回る箇所(かしょ)もあった。

 鋼材を削ったのは、「軸バネ座」という部品を接合する際、密着度を高めるためだったという。川重は「鋼材を削ったのは間違った作業方法で安全への意識がなかった。教育の欠如が大きな反省点」としている。

 また、亀裂の断面をJR西などが詳しく調べたところ、底面の溶接部分の2カ所に、溶接工程で生じたとみられる割れがあったことも明らかになった。この割れが元となり、周辺の強度不足によって亀裂が広がったと考えられるという。

 川重は納品前に、1台車につき約100カ所の溶接部位について、微細な傷を探す超音波検査を実施していたが、今回の亀裂箇所は「強度に余裕がある場所」として、検査の対象外だった。(産経新聞、2018.3.2)


 11日に運行した博多発東京行きの新幹線のぞみの台車で亀裂が見つかった問題。車両を所有・管理するJR西日本は19日、亀裂の規模は異常を認識した後も走行を続けたことで台車が破断する寸前まで拡大し、最終的に停車した名古屋駅以降も運行を継続していれば脱線などの重大事故につながっていた可能性が高いとの見解を示した。JR西は平成17年4月に乗客ら100人以上が死亡した福知山線脱線事故を教訓に、安全第一を貫いてきたはずだったが…。専門家からは、運行を続けた判断を問題視する声が上がった。

 破断寸前…「重大インシデント」認定目安上回る亀裂

 「異変をいくつも察知しながら、なぜ地上に降りて点検を行わず、運行を続けたのか」。鉄道技術に詳しい工学院大の曽根悟特任教授は厳しく指摘し、「さらに運行を続けていれば(名古屋の次の停車駅だった)新横浜まで持たずに脱線などの大事故になっていた可能性が高い」と語った。

 問題の新幹線は、11日午後ののぞみ34号。途中、焦げたような臭いや、モーターのうなり音といった異常を認識しながら約3時間走行を続け、台車近くから油漏れが見つかったことを受け、ようやく名古屋駅で運行を取りやめた。

 亀裂は車体と車軸を支える鋼製の台車の枠から見つかった。JR西によると、亀裂の大きさは、運輸安全委員会が重大インシデント(重大な事故につながる恐れのあった事例)認定の目安としていた「10センチ程度」を優に上回る、両側面で各14センチ、底面で16センチに達し、破断寸前だった。

 「目視では異常見落とす可能性がある」

 亀裂はなぜ起きたのか。大阪産業大の大津山澄明教授(鉄道工学)は「過去に何らかの原因で生じた小さな傷が走行中に徐々に広がった可能性が高い」と推察する。

 JR西によると、当該ののぞみについては今年2月、車両を分解して行う「全般検査」を実施。トラブル当日の12月11日未明にも目視による検査を行ったが、いずれも異常は確認されなかった。

 亀裂をめぐっては過去にも事故に発展したケースがあった。東京都板橋区の東武東上線で昨年5月に起きた普通電車の脱線は、台車枠の溶接の不具合によって亀裂が生じたとみられている。

 こうしたトラブルも踏まえ、JR西は台車の溶接部分やその周辺について、磁性を帯びた鉄粉を使い、表面の小さな傷を見つけ出す調査を実施。ただ、それ以外は目視だけだった。大津山教授は「目視では見落とす可能性がある。振動や温度変化の異常を検知する装置で故障の前触れを察知する仕組みが必要だ」と訴える。

 一方、金沢工業大の永瀬和彦客員教授(鉄道システム工学)は「もし亀裂が溶接の影響を受けない部分であれば、台車枠の材料や材料加工の過程に問題があった可能性が出てくる」とし。「金属材料や溶接の専門家も交えた原因究明が求められる」と話した。(産経新聞、2017.12.19)


 こんなことではそのうち重大な死亡事故が起こると思います。安全性を無視し、異常を認識したあとも運航を続けたJR西日本は福知山線脱線事故から何も学んでいません。


<参照>
ウィキペディア JR福知山線脱線事故
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財務省「森友学園」決裁文書改竄事件 その1

 学校法人「森友学園」問題を巡り、財務省が作成した決裁文書が問題発覚後に書き換えられたと二日、報道された。朝日新聞が報じた。同省の太田充理財局長は同日の衆院財務金融委員会で、文書の存在を調査し、六日までに「できる限り努力し報告する」と述べた。裁量労働制を巡る不適切データ問題の追及で勢いづく野党は「文書は書き換えられた疑いが濃厚」とみて政権の責任を追及。決裁文書の原本を提示するよう財務省に要求した。

 国会審議はこの問題を巡り紛糾。立憲民主党の枝野幸男代表は「公文書を改ざんするのは犯罪だ。本当だとすれば財務省限りでできる話ではない」と反発。希望の党の今井雅人氏も「野党六党で徹底解明しないといけない」と述べた。

 一方、安倍晋三首相は、自身が学園の籠池泰典(かごいけやすのり)前理事長と「会ったことがある」とする昭恵首相夫人の講演記録が新たに見つかったと追及され、改めて「会っていない」と否定した上で「妻がどういう答えをしたかは大切な問題ではない」と述べた。

 森友問題では、大阪地検特捜部が国や大阪府の補助金を詐取したとして詐欺罪などで前理事長と妻を起訴。近畿財務局長らの背任容疑や、保存義務のある交渉記録を廃棄したとする公用文書毀棄(きき)容疑でも捜査中。

 麻生太郎副総理兼財務相らは参院予算委で、捜査を理由にいったんは調査に消極的な答弁をしていたが、野党の猛反発を受けて軌道修正した格好。共産党の小池晃氏、立民の福山哲郎氏らへの答弁。

 国と森友側は二〇一六年六月二十日付で国有地を約八億円値引きして売買する契約を締結。昨年二月の問題発覚後に国会議員に決裁文書が開示され、交渉経緯の書面も添付されている。

 報道では、森友側との交渉を担った財務省近畿財務局が作成した決裁文書に関し、契約当時の文書の内容と、開示文書の内容に違いがあると指摘。「特例」との文言が複数箇所でなくなっていると報じた。

 立民、希望など野党六党は二日、国会内で合同会合を開催。立民の辻元清美氏は「政権を守るために事実を隠していたのなら内閣総辞職につながる大きな問題だ」と批判した。(東京新聞、2018.3.3)
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2018年03月02日

日本レスリング協会栄和人強化本部長パワハラ騒動 その1

 女子レスリングで五輪4連覇を果たし、国民栄誉賞も贈られた伊調馨(33)が、日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)からパワーハラスメントを繰り返し受けたとして、レスリング関係者が1月、代理人弁護士を通じ、内閣府の公益認定等委員会に告発状を出していたことが28日、分かった。代理人弁護士の事務所が明らかにした。

 栄氏は28日に取材に応じ、告発内容を否定した上で「協会と話し合って対応を決める。五輪4連覇に一生懸命協力したのに、なぜこんなことになったのか」と話した。

 告発状によると、伊調は04年アテネオリンピック(五輪)と08年北京五輪を連覇した後、指導を受けていた栄氏の意に反して、練習拠点を愛知県から東京都へ移動。それをきっかけに、伊調への嫌がらせが始まったとしている。

 10年開催の世界選手権のためロシアに遠征した際には、伊調のコーチを務める強化委員の男性に指導をやめるよう命じ、従わなかった男性に「言うことを聞かなければ出ていけ」などと脅したと訴えている。16年リオデジャネイロ五輪の直前も、伊調が練習場所としていた警視庁の施設に出入りできないよう圧力をかけるなど、パワハラを繰り返したと主張している。(日刊スポーツ、2018.3.1)


<参照>
ウィキペディア 栄和人
posted by リュウノスケ at 02:09| Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

厚生労働省裁量労働制データ捏造問題 その2

 安倍晋三首相は二十八日深夜、今国会に提出予定の「働き方」関連法案から裁量労働制の対象を拡大する部分を削除するよう加藤勝信厚生労働相に指示した。裁量労働制を巡る不適切なデータ問題に対する世論や野党の反発を受け、裁量労働制の拡大には理解が得られないと判断。今国会への提出を断念した。看板政策に位置づける法案の骨格部分削除は、政権にとって打撃になった。

 首相は加藤氏や与党幹部らと官邸で会談し、関連法案について「国民に疑念を抱かせた。裁量労働制は全面削除する」と述べた。裁量労働制以外の部分は今国会に提出し、成立を図る考えを表明した。同様に野党の批判が強い「高度プロフェッショナル(残業代ゼロ)制度」の創設は維持する。

 加藤氏は、首相から裁量労働制の労働時間に関し、実態の把握をし直すよう指示を受けたと記者団に明らかにした。法案から切り離した裁量労働制に関連する部分を今国会に別の法案として提出することは「難しい」と述べた。

 首相はこれに先立つ衆院予算委員会で、裁量労働制について「きっちり実態把握をしない限り、政府全体として前に進めない」と新たな調査を実施する考えを表明。調査の方法については「厚労相を中心に検討させるが、相応の時間を要する」と述べた。

 政府は、残業時間の罰則付き上限規制や「同一労働同一賃金」、残業代ゼロ制度導入、裁量労働制の拡大を柱とし、八本の改正法案を一括して提出する方針だった。厚労省による労働時間の実態調査に関し、データの不備が相次いで発覚し、法案から裁量制の関連部分を切り離すべきだとの意見が与党内に強まった。

 関連法案を巡っては、首相が「裁量労働制の方が短いというデータもある」と国会で説明したが、野党の指摘で本来比較できないデータを比べていたことが明らかになり、答弁撤回と謝罪を余儀なくされた。

 首相答弁の根拠になった厚労省の「二〇一三年度労働時間等総合実態調査」では、一カ月のうち「最も残業時間が長い一日」で計算した一般労働者の労働時間と、裁量労働制で働く人の実際の労働時間を比較していた。その後も調査の不備が次々に判明し、野党は全面的な再調査と法案の提出断念を求めている。(東京新聞、2018.3.1)
posted by リュウノスケ at 02:04| Comment(0) | ニュース(労働問題) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする