2017年01月25日

CKCネットワーク求人詐欺訴訟

 学習指導員として就職したのに、営業活動を強いられたのは「求人詐欺」に当たり、精神的苦痛を被ったとして、愛知県に住む20代の女性2人が、教育関連会社「CKCネットワーク」(名古屋市中区)に、慰謝料や未払い賃金など計約410万円の支払いを求め、2月に名古屋地裁に提訴することが24日分かった。会社への制裁金に当たる「付加金」も含まれる。

 2人は昨年春の入社後に精神疾患を発症し、体職。既に退職している。

 訴えによると、2人は2015年から就職活動を始め、パソコンやファクスを使った家庭学習指導サービス事業を展開するCKCの「指導職(個別指導員〉」という求人サイト情報などを見て応募。面接時にも「営業活動はしない」との説明を受けていた。

 しかし、16年4月の入社後は教材販売の営業やセミナーの勧誘もさせられ、ノルマも課せられた。また、雇用契約を結ぶ際に月給に固定残業代が含まれていることが判明。就職前には休日と伝えられていた月曜日にも出勤することがあり、振り替え休日も設けられていなかったとしている。(山陽新聞、2017.1.25)


 2人は昨年春の入社後に精神疾患を発症し、休職。既に退職している。うち1人は共同通信の取材に応じ「会社にだまされた。人生を狂わされた」と訴えている。CKCは取材に「だれが提訴するか分からないので答えられない」とした。(共同、東京新聞、2017.1.25、抜粋)


 インターネットの就職活動サイトや求人誌に掲載された不適正な求人広告をチェックする厚生労働省の事業で、同省が委託先の業界団体から得た情報を各都道府県にある出先機関の労働局に伝えていなかったことが分かった。二〇一二年には総務省から、労働局に情報を伝えるよう勧告されていた。不適正な求人広告は一五年度までの五年間で十万件を超えたが、指導監督を担う労働局の取り締まりに生かされなかった。

 就活サイトや求人誌を参考にして、好条件の会社に就職したはずが、実際には低賃金で過重労働させられる被害が相次いでおり、対策が急務になっている。

 この事業は「求人情報提供事業指導援助事業」。求人誌などを発行する業界団体「全国求人情報協会」(東京)が厚労省から委託を受け、就活サイトなどをチェックしたり、読者から求人広告への苦情相談を受け付けたりしてきた。求人内容に問題があれば、協会がサイト運営者らに連絡して改善を促しているが、毎年一万件以上の不適正な求人が報告されており、目に見えた効果は出ていない。

 協会が厚労省に報告した中には「講師募集の広告だが、面接で数十万円のテキストを販売している」「月給三十万円以上可能と書いてあったが、そのためには一日十三〜十五時間働く必要がある」などの情報もあった。

 総務省は一二年一月、行政評価・監視制度に基づき、不適正な求人広告の内容を労働局にも伝えるよう厚労省に勧告。「事業で得た情報を踏まえ、労働局が指導できれば、民間求人広告の適正化の効果が期待できる」と、積極的な指導監督を求めた。これを受け、厚労省は「一三年度末から労働局への周知を開始予定」と改善を約束していた。

 しかし、一三年度以降も労働局に伝えた実績はなかった。理由について、厚労省需給調整事業課の松本圭課長は「結果的に提供する情報がなかった。指導にまでつなげるには、労働局の職員も限られており、業務の効率性から情報提供する意義は乏しいと判断した」と説明する。

 一方、総務省行政評価局の萬谷優人・地方業務室長は「限られた権限の中でも前向きに取り組んでいる労働局はある。活用できる情報はあるのでは」と実績ゼロに疑問を投げ掛ける。

 厚労省は、うその求人に対する規制を強化するため、来年の国会で職業安定法改正を目指しており、この事業についても「法改正に合わせて内容を見直したい」としている。

 <求人情報提供事業指導援助事業> 民間求人広告の適正化のため厚労省が1988年度から実施している。本年度の事業費は約1900万円。不適正な広告のうち最も多いのが、賃金に関して記載がないか、あいまいなもの。雇用形態や勤務時間に関するものも目立つ。(東京新聞、2016.12.30)


 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の労働力需給制度部会は7日、賃金などの労働条件を偽ってハローワークや職業紹介事業者に求人を出した企業に対し、罰則を科すことを盛り込んだ報告書をまとめた。中小企業で人手不足が深刻化する中、労働環境の劣悪な「ブラック企業」が賃金、待遇を実際よりも良く見せかけ、人手を確保する「求人詐欺」を抑制する。

 厚労省は報告書を踏まえ、職業安定法の改正案を2017年の通常国会に提出する。既に職業紹介事業者が虚偽の条件で仕事をあっせんした場合などは、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」を科されている。ハローワークなどを通じて採用する企業への罰則は今後、詰める。(時事通信、2016.12.7)


<参照>
ORICON NEWS 求人詐欺「罰則規定」あるのに「適用ゼロ」、なぜハードルが高い? 改正の動きは?
posted by リュウノスケ at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース(労働問題) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サン・クロレラ販売広告差し止め訴訟最高裁判決

 健康食品のチラシ広告が、消費者契約法に基づき差し止めを請求できる「勧誘」に当たるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は24日、「広告のような不特定多数への働き掛けも、勧誘に当たる場合がある」との初判断を示した。

 最高裁の判断は、広告も差し止めの判断対象となり得ることを示したもので、消費者の利益保護につながる可能性がある。

 訴訟は、京都市の消費者団体が、健康食品会社「サン・クロレラ販売」(同市)に新聞折り込みチラシの配布差し止めを求めた。

 一審京都地裁は2015年、「チラシは、商品が厳格に審査された医薬品と誤認させる恐れがある」と指摘して差し止めを認めた。しかし、二審大阪高裁は16年、「広告は勧誘には当たらない」と判断した上で、同社が一審判決以降は配布していないことも踏まえ、請求を棄却した。

 消費者団体側が上告。最高裁も、既に配布が中止されていることから上告は棄却した。(時事通信、2017.1.24)


 新聞折り込みチラシの配布を差し止められるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)は二十四日、チラシを含む広告も「契約の勧誘」に当たり、内容がうそだったり重要事実を隠したりした場合、消費者契約法に基づき、商品購入契約の取り消しや、広告の差し止めの対象になり得るとの初判断を示した。

 不当な勧誘による被害は後を絶たない。顧客に契約を直接勧める店頭や個別訪問での販売だけでなく、新聞や雑誌といった紙媒体からテレビ、インターネットまで広告全般が消費者契約法の規制対象となり、救済が図りやすくなりそうだ。

 消費者庁は広告を勧誘とみなしていなかったが、内閣府消費者委員会が定義の範囲を広げるよう求めていることも踏まえ、解釈を見直す考えだ。

 最高裁は、不特定多数に向けた広告も、消費者が契約しようとする意思に直接影響を与え得るとし「直ちに勧誘に当たらないとは言えない」と指摘した。今後は個別ケースの司法判断を積み上げていくことで、具体的にどういう場合に取り消しや差し止めが認められるかが明確になっていくとみられる。最高裁は今回、請求自体は退けた。

 「京都消費者契約ネットワーク」が二〇一四年一月に提訴。クロレラに医薬品のような効果があるとうたったサン・クロレラ販売(京都市)の折り込みチラシの差し止めを求めていた。

 一審京都地裁判決は「国が認めた医薬品と誤解されかねない」とし、表示そのものを規制する景品表示法に基づき広告の差し止めを命じた。その後、チラシ配布をやめたため、大阪高裁は請求を棄却するとともに「チラシは特定の消費者への働き掛けではなく、契約の勧誘には当たらない」と言及。京都消費者契約ネットワークが「配布を再開する恐れがある」として上告受理を申し立てていた。

 <消費者契約法> 消費者と事業者には情報の質や量、交渉力に差があることから、消費者を保護する目的で2001年4月に施行。消費者の利益を不当に侵害するあらゆる契約を無効とし、消費者団体は訴訟で不当な勧誘の差し止めを請求できる。私立大学の入学辞退者が、前納した入学金や授業料の返還を求めた訴訟では、同法に基づき授業料の返還を命じる判決が確定している。(東京新聞、2017.1.25)


<参照>
ウィキペディア サン・クロレラ
posted by リュウノスケ at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする