2015年01月16日

第152回芥川賞・直木賞

 第152回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に小野正嗣(まさつぐ)さん(44)の「九年前(きゅうねんまえ)の祈り」(群像9月号)、直木賞に西加奈子さん(37)の「サラバ!」(小学館)が選ばれた。副賞は各100万円。贈呈式は2月中旬、東京都内で開かれる。

 芥川賞に決まった小野さんは1970年、大分県生まれ。東京大学大学院を経て、パリ第8大学で文学博士。2001年に「水に埋もれる墓」で朝日新人文学賞、02年に「にぎやかな湾に背負われた船」で三島由紀夫賞。芥川賞は4度目の候補だった。現在、立教大学准教授でもある。

 受賞作は、カナダ人の男と別れ、幼い息子を連れて故郷に戻った女性が主人公。問題を抱える子どもとの関係に苦しんでいる。「みっちゃん姉(ねえ)」と慕う女性の息子が重い病だと聞き、主人公は9年前のカナダでの珍道中を思い出す。過去の旅と現在を行き来しながら、二人の女性の祈りを大分の海辺の風土に包んで優しく描いた。

 小野さんは「小説は土地に根ざしたもので、そこに生きている人間が描かれる。あらゆる場所が物語の力を秘めている。世界の優れた文学は個別の土地と人間を掘り下げ描くことで、普遍的になっている。小説を書いたのは僕かもしれないけれど、(作品は)土地が書いた。(昨年秋に亡くなった)兄が一番大きな力を発揮し、応援してくれた」と話した。

 選考委員の小川洋子さんは「故郷の女性たちが、帰ってきた主人公を丸ごと受け止め、土地が持つ魅力をうまく小説として結実させた。鮮明な記憶とあいまいな記憶が最後に見事につながっている」と評した。

 一方、直木賞に決まった西さんは1977年、イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロや大阪府内で育つ。関西大法学部卒。2004年単行本「あおい」でデビュー。「通天閣」(06年)で織田作之助賞。「ふくわらい」(12年)で河合隼雄物語賞を受賞、直木賞候補にも。候補2度目で受賞が決まった。

 受賞作は、イランで生まれ、育ったカイロでエジプト人の親友を得る少年が主人公。イケメンだが強烈で個性的な家族に囲まれ、自意識過剰でゆがんだ性格になってしまった彼が、親友と再会、家族と自分の存在を受け入れていくまでの成長物語だ。

 西さんは「デビューした時は5冊書けたらすごいと思っていたが、何十作も書けた。直木賞は規模が大きすぎてよく分からないくらい」と驚いた。「当時の自分に『あなたはすごく恵まれているので安心して書きなさい』と言いたい。同時代の作家が悪や違和感を書いてくれるから、私はハッピーエンドに向かっていける。常識やと思っていることを『本当にそうか』と問いかけるような作品を書いていきたい」と話した。

 選考委員の林真理子さんは「人を救うものは何か。宗教でもお金でも成功でもなく、人との出会い、自分がつかみだしたものである。それに向かって私たちは歩かなければならない。こういう前向きなスケールの大きい作品が受賞したことを喜ばしく思う。読み終わった後の、青空が広がるような感覚が最大の魅力」と評した。(朝日新聞、2015.1.15)


 受賞おめでとうございます。





<参照>
ウィキペディア 小野正嗣
ウィキペディア 西加奈子
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桑田佳祐謝罪コメント全文

 昨年紫綬褒章を受章した人気ロックバンド「サザンオールスターズ」のボーカル桑田佳祐さんと所属事務所のアミューズは15日、大みそかに横浜市内で開いたサザンの年越しライブで、桑田さんが観客に向けて受章の喜びを報告する際に配慮が足りない部分があったなどとして、お詫(わ)びのコメントを発表した。

 桑田さんはズボンのポケットから褒章を取り出して観客に披露し、オークションにかけるまねをした。ツイッターなどで一部批判の声が上がり、東京都内の事務所前で抗議する人も出た。コメントでは「ジョークを織り込み、紫綬褒章の取り扱いにも不備があったため、不快な思いをされた方もいらっしゃいました。深く反省すると共に、ここに謹んでお詫び申し上げます」などと記した。

 また、中継で出演したNHK紅白歌合戦で、演奏前にちょび髭(ひげ)をつけて登場した件にも触れ、「つけ髭は、お客様に楽しんで頂ければという意図であり、他意は全くございません」とした。紅白では「ピースとハイライト」などを歌い、歌の「解釈」を巡ってツイッターなどに賛否の投稿が相次いでいた。

 さらに2013年の全国ツアーで、ステージ上でデモなどのニュース映像を演出で流したことにも言及。「緊張が高まる世界の現状を憂い、平和を希望する意図で使用したものです」「特定の団体や思想等に賛同、反対、あるいは貶(おとし)めるなどといった意図は全くございません」などと説明した。

■コメントの全文

サザンオールスターズ年越しライブ2014に関するお詫び

いつもサザンオールスターズを応援いただき、誠にありがとうございます。

この度、2014年12月に横浜アリーナにて行われた、サザンオールスターズ年越しライブ2014「ひつじだよ!全員集合!」の一部内容について、お詫びとご説明を申し上げます。

このライブに関しましては、メンバー、スタッフ一同一丸となって、お客様に満足していただける最高のエンタテインメントを作り上げるべく、全力を尽くしてまいりました。そして、その中に、世の中に起きている様々な問題を憂慮し、平和を願う純粋な気持ちを込めました。また昨年秋、桑田佳祐が、紫綬褒章を賜るという栄誉に浴することができましたことから、ファンの方々に多数お集まりいただけるライブの場をお借りして、紫綬褒章をお披露目させていただき、いつも応援して下さっている皆様への感謝の気持ちをお伝えする場面も作らせていただきました。その際、感謝の表現方法に充分な配慮が足りず、ジョークを織り込み、紫綬褒章の取り扱いにも不備があった為、不快な思いをされた方もいらっしゃいました。深く反省すると共に、ここに謹んでお詫び申し上げます。

また、紅白歌合戦に出演させて頂いた折のつけ髭は、お客様に楽しんで頂ければという意図であり、他意は全くございません。

また、一昨年のライブで演出の為に使用されたデモなどのニュース映像の内容は、緊張が高まる世界の現状を憂い、平和を希望する意図で使用したものです。

以上、ライブの内容に関しまして、特定の団体や思想等に賛同、反対、あるいは貶めるなどといった意図は全くございません。

毎回、最高のライブを作るよう全力を尽くしておりますが、時として内容や運営に不備もあるかと思います。すべてのお客様にご満足いただき、楽しんでいただけるエンタテインメントを目指して、今後もメンバー、スタッフ一同、たゆまぬ努力をして参る所存です。今後ともサザンオールスターズを何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社アミューズ

桑田佳祐(サザンオールスターズ)
(朝日新聞、2015.1.15)


大江健三郎(小説)- 1994年(平成6年)ノーベル文学賞を受賞、慣例として文化勲章の授与と文化功労者としての顕彰が決定されたが、「民主主義に勝る権威と価値観を認めない」と勲章そのものを否定して受章を拒否。(ウィキペディア 文化勲章 辞退者)


 大江健三郎が文化勲章を辞退したとき本多勝一から「反権力ならノーベル賞ももらうな」と批判されたことを思い出します。「いらないアピール」をすれば角が立つ上にあちこち矛盾が出ると先達の大江が証明しています。


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2015年01月15日

「narukami 793」事件

 15日午前1時半ごろ、愛知県豊田市亀首町のコンビニエンスストア「ローソン豊田亀首町店」から、「お菓子につまようじが入っている」と110番通報があった。豊田署によると、商品棚に並べてあったカップ型容器のスナック菓子に、つまようじ1本が混入していた。ふたに小さな穴が開いており、署は何者かが差し込んだとみて、威力業務妨害の疑いで調べている。

 署によると、14日午後11時半ごろ、店のアルバイト従業員の女性(63)がこの菓子を持ち上げたところ、空気が抜けてへこんだ。オーナーの男性(53)が容器内を確認し、長さ6・5センチのつまようじを確認したという。

 ネット上では、東京都調布市のスーパーで菓子の容器につまようじを刺す動画が投稿されており、署は模倣した可能性があるとみている。(朝日新聞、2015.15)


 東京都内のスーパーで商品の菓子につまようじを入れる様子や商品を万引する様子を撮影した動画が、動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開された問題で、警視庁が、都内に住む少年(19)が関与した疑いが強まったとして、窃盗容疑で逮捕状を取ったことがわかった。警視庁少年事件課が、店の防犯カメラの映像などから、動画は同一の少年が自分で撮影したものとみて特定を進めていた。

 動画は「店の商品にいたずらしてみた」などのタイトルで、10本以上が公開されていた。調布市のスーパーで商品棚の菓子のパッケージにつまようじを刺し入れる様子や、武蔵野市のスーパーでメロンパンの袋を破って棚に戻す様子、同市のコンビニで飲料を万引する様子などが撮影されている。

 状況を説明しながら、「余裕ですよ」などと話す声も入っていた。同じ投稿者の名前で、万引する様子を撮影した動画も投稿され、ネット上で波紋を呼んでいた。

 1月上旬に店側の相談を受け、警視庁が捜査を開始。13日に公開されたとみられる動画では「逃亡することを決意しました」と“宣言”。「少年院に入るのはいや」と少年であることを示唆するコメントや、相模原市緑区の京王相模原線橋本駅で撮影された映像もある。14日に公開されたとみられる動画では、さらに父親から出頭を求めるメールが来たことなどをあげるとともに、「警察は無能です」などとも話している。

 投稿者名のプロフィルには、「博多駅で通り魔を犯すとYouTubeに動画をUPして警察に捕まった」などと記載。同課は声や店の防犯カメラの映像から、平成25年6月に、ネット上で殺人予告をしたとして威力業務妨害容疑で逮捕された少年の犯行とみて調べていた。

 スーパー側は12日に被害を警察に届け出ており、経営する会社は「食品を扱っている会社として許し難い内容であり、大変困惑している。警察の捜査に全面協力している」としている。(産経新聞、2015.1.15)


 未だ逃走中のユーチューバー「narukami 793」。ついさっき午後6時20分ごろにも動画をアップしたようです。アンチヒーローを目指して劇場型犯罪を楽しんでいるのかもしれませんが、迷惑なだけなのでそろそろ出頭したほうがいいんじゃないでしょうか。コメントも悪口ばっかりだぞ。


 <動画投稿、19歳少年逮捕=コンビニ不法侵入容疑−滋賀県内で身柄確保・警視庁>
 東京都内の大手スーパーやコンビニの店舗で、スナック菓子につまようじを突き刺したり、飲み物を「万引き」したりするような様子が動画サイト「ユーチューブ」に投稿された事件で、警視庁少年事件課は18日、都内のコンビニに不法侵入したとして、建造物侵入容疑で全国に指名手配していた三鷹市の少年(19)を逮捕した。少年は「少年法改正のために、(コンビニに)入ったことに間違いない」などと容疑を認めている。

 警視庁は少年が一連の動画の投稿者とみて捜査し、威力業務妨害などの疑いでも調べる。

 18日朝、少年と似た人物が名古屋から京都方面行きの電車に乗車しているとの情報が警視庁に寄せられた。少年は滋賀県のJR米原駅(同県米原市)で同県警米原署員に身柄を確保され、午前9時10分ごろに逮捕された。少年は新幹線で東京に移送された。

 逮捕容疑は5日午後7時ごろ、万引きを装った動画を撮影する目的で、東京都武蔵野市のコンビニに侵入した疑い。

 同庁によると、このコンビニの防犯カメラには、少年が事前に用意したペットボトルを冷蔵庫に置いた様子が写っていた。数分後にこのペットボトルを手に取り、レジを通さずに店外に出る少年が確認されたという。

 ユーチューブに投稿された動画は60本以上。少年は「超余裕万引きしてみた」などの題名で、ペットボトルを万引きしたり、大手スーパーで商品のパンの包装を破ったりしたような動画を投稿。警視庁にはコンビニや大手スーパーから被害届が提出されている。

 少年は2013年6月、新宿駅や博多駅などで「無差別で人を殺害する」と予告した動画をユーチューブに投稿したとして、威力業務妨害で警視庁に逮捕され、少年院に送致された。現在、保護観察中だった。(時事通信、2015.1.18)


<参照>
YouTube 「narukami 793」
ハフィントンポスト つまようじをスナック菓子に混入する動画を投稿 19歳少年に逮捕状
posted by リュウノスケ at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セガサミーHD会長兼社長宅銃撃事件

 パチスロ・ゲーム機器最大手「セガサミーホールディングス」(本社・東京)の里見治(はじめ)会長兼社長(72)の東京都板橋区にある自宅前で14日未明に起きた発砲事件で、会長宅の警備員が発砲のような音を聞く数十分前に、付近で不審な2人組の男が目撃されていたことがわかった。

 警視庁は目撃者の男性から話を聞き、事件との関連を調べている。

 男性の話では、14日午前3時〜同3時10分頃、会長宅付近の路上で2人組の男を目撃した。帽子とマスク、眼鏡姿で、黒っぽい防寒着を着て、道路を行ったり来たりしていたという。

 同庁幹部によると、警備員が発砲のような音を聞いたのは同3時30分頃。駆け付けた板橋署員が、玄関近くなどで未使用の銃弾3個と空の薬きょう1個の計4個を発見した。会長宅付近では今月8日にも、「発砲音を聞いた」との110番があったが、弾痕などは見つからなかったといい、同庁が関連を調べている。(読売新聞、2015.1.15)


 14日午前8時半ごろ、東京都板橋区双葉町にあるゲーム・パチンコ機器大手「セガサミーホールディングス」の里見治会長兼社長(72)方で、「夜中に『ドン』という音がした」と、警備員から警視庁板橋署に通報があった。里見会長宅周辺からは銃弾や薬莢(やっきょう)が見つかったといい、署が発砲事件として調べている。けが人はいなかった。

 署によると、警備員は「午前3時半ごろに発砲音のような音を聞いた」と説明。朝になって銃弾のようなものを見つけた。通報を受けて駆けつけた署員が調べたところ、門の照明1個が割れ、近くに薬莢1個や未使用の銃弾3発が落ちていたという。これまでに里見会長から脅迫などの相談が寄せられたことはなかった、と署は説明している。

 同社広報部は「事実関係を確認中なので、詳細はコメントできない」としている。(朝日新聞、2015.1.14)


 14日午前8時30分ごろ、東京都板橋区双葉町のセガサミーホールディングス会長兼社長、里見治さん(72)の自宅の警備員から「銃弾のようなものが落ちている」と警視庁板橋署に通報があった。けが人はなかった。里見会長方の敷地内で銃弾などが見つかり、同庁は発砲事件として捜査を始めた。セガサミーは大手パチスロ機器メーカー。

 板橋署によると、警備員が同日午前3時半ごろ、「ドン」という音を聞いた。当時、会長と妻が自宅にいた。朝になって警備員が確認したところ、北側の門に設置している照明が割れていた。車庫の前には空薬きょう1個と未使用とみられる銃弾3発が落ちていた。

 8日に男性の声で「里見会長方の近くで発砲音があった」と110番があったが、薬きょうなどが見つからず、同署はいたずらと判断していた。今後、今回の発砲との関連を調べる。

 セガサミーホールディングス広報部は「事実関係を確認中で、捜査には全面協力したい」と話している。(日本経済新聞、2015.1.14)


 ゲームやパチンコの大手メーカー「セガサミーホールディングス」の会長の東京・板橋区にある自宅に、14日朝、銃弾のようのものが撃ち込まれているのが見つかり、警視庁は発砲事件として捜査しています。

 14日午前8時半すぎ、板橋区双葉町の「セガサミーホールディングス」の里見治会長の自宅で、「夜中にドンという音を聞き、朝になって確認したところ、銃弾のようなものが落ちているのを見つけた」と警備員の男性から通報がありました。

 警視庁の調べによりますと、自宅の門の照明が割れていて、近くには、薬きょうが1個落ちていたほか、未使用の銃弾とみられるものが3個見つかったということです。当時、自宅には会長や妻などがいましたが、けが人はいなかったということです。

 現場は、都営三田線の板橋本町駅に近い住宅街で、警視庁は発砲事件として、周辺で不審な人物が目撃されていないか捜査するとともに、会長から話を聴くなど調べを進めることにしています。

 「セガサミーホールディングス」は、11年前の平成16年、大手遊技機メーカーの「サミー」と、大手ゲームメーカーの「セガ」が経営統合して設立された会社です。東京・港区に本社があり、パチンコなどの製造や、家庭用ゲームソフトの開発などを行っています。また、韓国企業と合弁会社を設立し、去年11月から、国際空港があるインチョンで、カジノを含む複合リゾート施設の建設を進めています。

 「詳細を確認中」

 セガサミーホールディングスの広報担当者は、「里見会長の自宅でけさ、発砲のような事案があったと連絡は受けているが、詳細を確認中だ。里見会長は自宅にいたが、家族も含めてけがはしていない。これまで脅迫のようなものはなく、原因が分からないが警察の捜査に協力していきたい」と話しています。(NHK、2015.14)


<参照>
ウィキペディア 里見治
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2015年01月13日

自動車教習所津波訴訟仙台地裁判決

 東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県山元町の常磐山元自動車学校の教習生二十五人とアルバイト従業員の女性=当時(27)=の遺族が、教習所側に約十九億七千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で仙台地裁は十三日、全員に対する教習所側の責任を認め、計約十九億一千万円の賠償を命じた。遺族側の全面勝訴の内容。地裁は「教習所側が津波を予見し、教習生らを安全に送迎する安全配慮義務に違反した」と指摘した。教習生は当時十八〜十九歳。

 震災で津波犠牲者の遺族が学校側や勤め先など管理者を相手取った訴訟の一審判決は四件目で、損害賠償が認められたのは、園児五人が死亡した宮城県石巻市の日和(ひより)幼稚園の訴訟に続き二件目。従業員に対する責任を認めたのは初めて。

 判決理由で高宮健二裁判長は「教習所前で消防車両が避難を呼び掛けており、津波が襲来することを具体的に予期し得た」と指摘。教習所側が「速やかに教習生らを避難させ、安全なルートを通って送迎先に送り届ける安全配慮義務があった」として、避難の遅れと死亡との因果関係を認めた。

 判決後、子どもを失った原告男性は「ほっとした気持ちはあるが、線香を上げ続ける毎日に変わりはありません」と喜ぶ様子は見られなかった。

 判決によると、二〇一一年三月十一日午後二時四十六分の地震発生後、海岸から約七百五十メートルの教習所は授業再開を検討し、教習生を敷地内に待機させた。その後打ち切りを決め、午後三時四十分ごろ、教習生が分乗した送迎車などを出発させたが、津波にのまれ四台の二十三人が死亡した。発生時に路上教習で内陸側にいた二人は、海側の教習所に戻った後、徒歩で移動中に被災した。

 アルバイトの女性は勤務中、教習所か周辺で津波に巻き込まれた。

 教習所側は、津波到来は予見できず、安全配慮義務はなかったとして、請求棄却を求めていた。

 教習生の遺族が一一年十月に、女性の遺族が一二年四月にそれぞれ提訴し、一緒に審理された。教習所側によると、役員や教官ら十人も津波の犠牲になった。(東京新聞、2015.1.13)
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