2014年04月25日

パレスチナ統一政権合意

 パレスチナ自治政府のアッバス議長がトップを務めるパレスチナ解放機構(PLO)と、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは二十三日、五週間以内に統一暫定政権を樹立することで合意した。暫定政権発足から少なくとも六カ月を経た後に議長と評議会(議会)の選挙を実施するとしている。

 二〇〇七年以来続く自治区のヨルダン川西岸とガザ地区との分裂の解消に向けて和解した格好だが、イスラエルは、イスラエルの存在を認めないハマスへアッバス議長が接近することに警告を発してきた。難航する中東和平交渉にさらに悪影響を及ぼす恐れもある。

 アッバス議長は、選挙の実施により自身の統治基盤を固めたい考えだ。一方、昨年七月にエジプトのモルシ政権が崩壊し後ろ盾を失ったハマスは、PLOとの和解に活路を見いだす狙いがあったとみられる。合意後の合同記者会見でハマスのハニヤ首相は「合意はパレスチナの人々にとって朗報だ」と述べた。

 一方、イスラエルのネタニヤフ首相は二十三日、アッバス議長に「イスラエルか、ハマスか、交渉相手を選ばなければいけない」と警告していた。

 ロイター通信によると、イスラエルは二十三日、ガザ地区北部を空爆。四人がけがをした。また、イスラエルは同日予定されていたパレスチナとの和平協議を急きょ取りやめた。

 PLO主流派ファタハとハマスは二〇一一年と一二年にも和解に合意したが、その後、決裂していた。(東京新聞、2014.4.24)


 パレスチナ自治政府を担うパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは23日、共同声明を発表し、パレスチナの分裂解消に向け、5週間以内の統一内閣樹立で合意したことを明らかにした。ハマスを「テロ組織」とみなすイスラエルの反発は必至。米国が仲介し、交渉期限が今月29日に迫る中東和平交渉に影響する可能性が高い。

 ロイター通信などによると、イスラエル軍は合意成立直後にガザ北部へ空爆を実施。被害の程度は不明だが、合意を容認しないことを示す“威嚇”の可能性がある。

 協議にあたったハマスの政治指導者、ハニヤ氏は23日、「分裂時代は終わりだ」と語った。

 パレスチナは2007年以降、自治政府のあるヨルダン川西岸とハマス支配のガザとで分裂状態にある。両者は11年にも和解文書に調印するなど分裂解消を模索したが、人事や権限配分などをめぐる争いで頓挫を繰り返してきた。今回の合意が最終的な和解につながるかは不透明だ。

 今回の合意には、イスラエルとの和平交渉が手詰まり状態に陥るファタハが求心力の回復を狙ったことが背景にある。

 ハマスも組織の源流であるムスリム同胞団を母体とするエジプトのモルシー前政権が昨年のクーデターで倒れ、後ろ盾を失っており、ファタハの「和解路線」と思惑が一致したもようだ。(産経新聞、2014.4.24)


 ハマスとPLOが手を組んだというニュース。イスラエルに何度も幹部を暗殺されたハマスにもメンツがあるわけで、安易に妥協するのは死んだ同志に申し訳が立たないでしょう。和平交渉はいままで以上に困難になりました。
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「オーナーは宗教家?」セウォル号沈没事件 その3

 詐欺事件で収監された億万長者、別名を使いルーブル美術館で展覧会を開いた写真家、宗教団体の創始者──。韓国南西部沖で沈没した旅客船「セウォル号」を運航していた会社のオーナー一族のトップ、兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏は様々な顔持つ。

 かつて経営破たんも経験した現在70代の兪氏は、1987年に同氏が率いる宗教団体の信者32人が自殺した事件で、取り調べを受けたこともある。

 検察は、16日に起きた沈没事故に関連し、兪氏の自宅を家宅捜索した。

 兪氏と同氏家族の代理人を務める弁護士はロイターに対し、検察側から出頭要請はないとし、同氏の知る限りでは、会社の資金繰りに不正はなかったと説明。「兪氏とその家族は、運営会社の大株主として、必要ならば、法的・社会的責任を負う」と語った。

 旅客船の運航会社「清海鎮海運」は現在、兪氏の息子2人が経営する持ち株会社が筆頭株主となっている。

 検察は清海鎮海運の事務所も捜索。また、税務当局は同社の資金調達に問題がなかったかどうかを調べている。

 弁護士は、パリのルーブル美術館で開かれた展覧会にも参加したとことがある写真家の「アへ」が、兪氏と同一人物であることを認めた。アへは自身のウェブサイトで、家族が大戦中に日本にわたり、1941年に自身が京都で生まれたとしている。

 またアへは自身について、家財道具や健康関連商品をデザインしたり、発明したりすることにも興味があるなどと記している。

 <経営破たん>

 兪氏が築いた企業グループは1990年代に急拡大したが、その後、持ち株会社「セモ」が経営破たん。会社資料によると、清海鎮海運は1999年2月24日に設立された。設立日は、裁判所がセモの再建を認める1日前で、同社はセモグループの海運事業の中核となった。

 キリスト教福音派の教団を立ち上げた兪氏は1992年、詐欺罪で懲役4年の判決を受け、収監された。裁判の記録によると、兪氏は事業拡大の資金に充てるため、教団信徒の資産を流用したとされている。

 兪氏は、1987年にソウル近郊の工場で、同氏の教団の信徒32人が自殺した事件で、取り調べを受けた。ただ、訴追はされず、兪氏は、雑誌のインタビューで事件への関与を否定した。

 1999年のインタビューで兪氏は「事件と結び付けられたと考えただけで、侮辱を受けたと感じている」とコメント。

 さらに同氏は「小さな村で突然、性的暴行を受けた女性のように感じる。不公平だが、ここ(韓国)の文化でそのことは誰にも話せない。そうなれば、デマが手が付けられないほど広まっていく」と話していた。(ロイター、2014.4.25)


 旅客船「セウォル号」の沈没で、韓国の検察は、船を保有する清海鎮海運の株式の約40%を保有する実質オーナー、兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏の関連企業など関係先約10カ所の家宅捜索に着手。系列会社13カ所の役員約30人を出国禁止処分とした。捜索先には兪氏が関与する宗教団体も含まれている。この宗教団体について韓国の中央日報(電子版)は、団体幹部が清海鎮海運をはじめ兪氏が出資する複数の企業の幹部を兼任していると伝えている。

 検察当局は脱税や資産の海外隠匿も視野に入れており、船舶の航行安全をめぐる捜査は、オーナーの資産追跡という異例の展開となった。

 韓国メディアによると、兪氏が出資する企業は米ニューヨークなどに多数の不動産を所有している。系列会社は、仏南部の村をまるごと52万ユーロで買い入れるなどし、資産は国内外に総額約2400億ウォン(約236億円)に上るとされる。

 清海鎮海運をめぐり検察当局は、船舶の安全運航に必要な乗務員に対する教育・訓練を怠ったとの見方を強める一方で、同社が多額の負債を抱えていたことも把握。このため、同社が経費節減目的で安全教育を怠った疑いがあるとみている。

 検察はまた、事故をめぐり、将来、民事責任を問われた場合、運航会社が賠償逃れのために財産を隠匿する可能性を警戒、資産状況の早期把握が必要と判断したもようだ。

 兪氏をめぐっては、かつて「人類が近く滅亡する」との主張に基づく新興宗教の一派を主宰していたことが明らかになった。韓国メディアは「顔のない写真家」として欧米で活動する芸術カメラマンと同一人物ではないかとする情報も伝え、資産家のミステリアスな素顔に注目が集まっている。

 中央日報(電子版)によると、兪氏は1941年、京都に生まれ、大戦後に韓国に戻った。兪氏の妻の父が興したキリスト教系を自称する新興宗教の傘下団体で牧師として活動していたが、系列の別団体を運営していた男の工場で87年、信者32人が集団自殺する事件があった。

 自殺した信者が男に総額170億ウォンに上る貸し付けをしていたことが判明。この一部を兪氏が主宰する教会が借り入れていた。兪氏は借金を返済しなかったとして詐欺罪で起訴され、91年に懲役4年の判決を受けている。(サンスポ、2014.4.24)


 韓国南西部・珍島沖の旅客船セウォル号沈没事故で、韓国当局は23日、船の運航会社、清海鎮海運や同社の事実上のオーナーが利益追求を優先し安全管理を軽視した経営を行った疑いがあるとみて、捜査や税務調査を本格化させた。

 海洋警察などは事故発生から8日目の23日も潜水士による捜索を続けた。死者は156人、安否不明者は146人となった。救助チームは22日午後、事故当時に修学旅行の高校生が多数いたとされる食堂への進入に初めて成功したが、不明者は見つからなかった。

 韓国メディアによると、清海鎮海運と系列社は20年間、事故のあった仁川〜済州島間の旅客船路線の免許を独占。免許取得や船舶検査でロビー活動を行い、海運当局と癒着していた疑いもある。

 事故では救助活動にも問題があったとの指摘も多いが、捜査当局は運航会社の経営実態解明を優先する姿勢を見せている。海運当局や救助の遅れへの批判をかわす狙いだとの指摘も出ている。

 韓国メディアによると、清海鎮海運を事実上所有する兪炳彦・セモグループ元会長は、宗教団体「救援派」の牧師も務めている。清海鎮海運の幹部役員や、乗客を船内に置き去りにしたとして逮捕されたイ・ジュンソク船長(68)らは救援派の信者だったという。

 セモグループは1997年に約2000億ウオン(197億円)の負債を抱え、経営が行き詰まったが、兪氏一族は現在、約2400億ウオン台の資産を保有。兪氏に横領や脱税、贈賄などの疑いがあると当局はみているもようで、23日に自宅などを家宅捜索した。

 セウォル号の沈没は過積載が原因の一つとみられている。乗組員の多くは正社員ではなく、イ船長の月給は約270万ウオン(約27万円)と、同業他社と比べても著しく低かった。当局は行き過ぎた利益追求が事故を招き、経営に宗教も影響していたとみて、会社の実態解明を進めている。(共同、スポーツ報知、2014.4.23)


 セウォル号のオーナーはいわくつきの人物だったというニュース。兪元会長は一応宗教家のようですが、キリストのように価値観の転換を図るのか、いわゆる「現世利得」を目指すのかが重要なところ。

 セモグループ経営破綻後も自身は巨額の資産を持っていることや今回の利益重視による事故など兪のやっていることはその宗教活動も含め全てが金銭目的としか思えません。

 「人命より金の方が大事」という経営者は福知山線脱線事故のJR西日本やホテルニュージャパンなど日本にもざらにいます。放漫経営からコストカットへ向かうのは正しいとしても、安全に関わる時点でその歩みは止まるべき。真に有能な経営者は中庸の意味を分かっていると思います。
posted by リュウノスケ at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする