2013年11月29日

日大ボート部員自殺事件

 強豪として知られる日本大学ボート部の3年生の男子部員が今月、埼玉県戸田市の合宿所で首をつって死亡していたことが27日、関係者への取材で分かった。県警は自殺の可能性が高いとみている。男子部員が部内でトラブルを抱えていたという情報があり、大学側は当時の状況などについて部員から聞き取り調査を開始した。

 ボート部の中溝勝彦監督(47)によると、今月24日午前6時ごろ、男子部員が合宿所の自室にある2段ベッドの柵にかけたロープで首をつっているのを別の部員が見つけた。男子部員は病院搬送後に死亡した。室内に遺書はなかったが、県警は現場の状況から自殺との見方を強めている。

 一方で、男子部員の親族の一人は産経新聞の取材に対し「(男子部員の)身内の者が、『部内でトラブルがあった』と聞いていたのは確かなようだ」と話しており、遺族側は大学側に詳しい調査をするよう申し入れたという。

 中溝監督は部内でのトラブルについて「話は入っていない。厳しい指導もしていない」と話した。

 大学側は25、26日、約30人の全部員から聞き取り調査を実施した。同部は男子学生の死亡を受け活動を自粛しており、再開は調査結果を待って決めるという。

 日大ボート部は明治38年の創部。全日本大学選手権の男子総合では平成18年から8連覇中の名門で、男子部員は4年生引退後の今月20日、副キャプテンに指名されたばかりだった。(産経新聞、2013.10.27)


 日大ボート部の3年生男子部員が10月下旬に自殺した問題を受け、調査を行った大学側が「部員へのいじめはなかった」と結論づけた報告書を作成し、日本ボート協会に提出することが関係者への取材で27日、分かった。

 大学側によると、学外の弁護士3人による特別調査委員会を設置し、11月中旬まで調査を行った。報告書によると、からかったり、ちょっかいを出す「いじり」はあったが、許容される限度を超えて、精神的な負担を与える程度に至ったとみることはできないとしている。原因については「全く不明としかいいようがない」とし、「大学に法的責任はない」とした。

 今後の対応として、大学の各部に対し▽指導者が部員の競技以外の悩みにも対応できるようにコミュニケーションを取る▽合宿所内で部員が1人になる状況をなくす−−ことなどを指導するという。

 日大ボート部では、10月24日朝に埼玉県戸田市の合宿所の個室で、男子部員が首をつっているところを他の部員が見つけた。市内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。(毎日新聞、2013.11.27)


 日大ボート部の3年生男子部員が10月下旬に自殺した問題について、大学は28日、「いじめはなかった」とする特別調査委員会の調査結果を公式発表し、報告書を日本ボート協会に提出した。部員の遺族は「調査結果について遺憾に思う」とコメントした。

 大学の調査結果では、からかったり、ちょっかいを出す「いじり」はあったが、許容される限度を超える「いじめ」はなく、原因不明としていることに対して遺族は、「『いじり』『いじめ』のどちらで定義するか別として、いじめの存否については疑う余地もない」と「いじり」と表現したことに疑問を呈した。

 また、「今までボートを続けたいため、ずっと耐えてきた。通常のいじめ以上の何かがあったのではと解明を期待してきた」と、真相不明のまま調査を終えたことに落胆していた。

 報告書を受けた日本ボート協会は29日にコンプライアンス(規定順守)委員会(委員長・木村新(あらた)協会理事長)を開き、協会独自で調査を行うかなど、今後の対応を決める。活動自粛中のボート部は、具体的な改善策を協議後に活動を再開する予定。(毎日新聞、2013.11.29)
posted by リュウノスケ at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月28日

アメリカで「ノックアウトゲーム」流行?

 若者が無差別で通行人を暴行する事件が全米各地で増加しており、「ノックアウトゲーム」と呼ばれる新たな犯罪が流行する可能性もあるとして、警察は対応に頭を痛めている。

 フィラデルフィアでは、29歳の男性がピザ店の前で10代少年に暴行を受け、重傷を負った。

 ノックアウトゲームとは、10代の少年が通行人を無差別で殴り、一発で相手を気絶させるかどうかを競うものとされている。たいていの場合、その様子を撮影し、ソーシャルメディアに投稿して楽しんでいる。

 しかし、ノックアウトゲームが他の暴力的路上犯罪とどう違うか明確な定義はなく、どれぐらいの頻度で起きているかについての統計も存在しない。

 ノックアウトゲームという呼び方で質問した記者に対し、フィラデルフィアのナッター市長は「暴行は暴行だ。言葉遊びに付き合うつもりはない」と述べ、相次ぐ若者による無差別暴行事件を、流行と位置付けることを避けた。

 ニューヨーク市警のケリー本部長も、ブルックリンを中心に多発する暴行事件について、模倣犯の増加を防ぎたいとして、ノックアウトゲームという定義付けを避けている。

 ニューヨークの場合、被害者の多くがユダヤ人であることから通常の憎悪犯罪として捜査しているという。

 当局が神経をとがらせている背景には、フィラデルフィアで昨年夏、大勢の若者が公共の場所に集合し、通行人を攻撃する「フラッシュモブ」と呼ばれる現象が流行し、当局が若年層の夜間外出禁止令を出す事態になったことがある。

 ナッター市長は「もしこのような行為に参加することを考えているのなら、絶対にやってはいけない」と述べ、若者が安易な気持ちで犯罪に手を染めないよう釘を刺した。(ロイター、2013.11.27)


 米国の若者らの間で通行人をいきなり殴りつける「ノックアウト・ゲーム」という行為が流行し、捜査当局が警戒を強めている。被害者が死亡した例もあるという。

 流行しているのは、見知らぬ相手を「一発で気絶させる」ゲームとされ、ニューヨークやイリノイ、ミズーリ、ワシントンなどの各州で報告されている。

 ニュージャージー州では9月、1人で歩いていたホームレスの男性が後ろから襲われた。もともと脳に損傷を負っていた男性はけいれん発作を起こして倒れ、近くにあった鉄製フェンスが体に刺さって死亡した。現場の防犯カメラには、十代の若者3人が走り去る姿が映っていた。3人は2週間後、警察に拘束された。

 今月22日には、ニューヨーク・ブルックリンの路上で殴打事件が発生。警察は暴行による憎悪犯罪などの疑いで28歳の男を逮捕した。市内では同様の「ノックアウト」が今秋だけで7件報告されている。警察によると、特にユダヤ人を狙ったとみられるケースが目立ち、子どもが襲われるケースも多いという。

 ニューヨーク警察は先週、ユダヤ系住民の多いクラウンハイツで襲撃が続発していることを受け、同地区に配置する警官を増員した。ニューヨーク州議会には「ノックアウト襲撃防止法」として、無差別襲撃の容疑に問われた少年を成人として裁く法案が提出された。

 ニューヨークのユダヤ系とアフリカ系の指導者が若者同士の関係改善を話し合った会合でも、ノックアウト・ゲームが大きな議題となった。

 ペンシルベニア州ピッツバーグでは昨年10月、駐車中の車に向かって歩いていた男性教師(50)が殴られ、道路のコンクリートで頭を打った。防犯カメラの映像から15歳の少年が拘束された。警察の報道官は、スマートフォンや音楽に気を取られている歩行者が狙われやすいとして注意を呼び掛けた。

 同州フィラデルフィアのドレクセル大学で心理学と教育学を研究するチャック・ウィリアム教授は、「こうした若者たちは注意を引くためなら何でもするという心理状態にある。捕まれば名が知られるし、未成年だから短期間で釈放されるという発想だ」と指摘している。(CNN、2013.11.24)


 フラッシュモブの通り魔バージョンのような「ノックアウトゲーム」。実質はユダヤ人差別事件のようです。子どもだから何をやっても許されるとでも思っているんでしょうが、こんな奴らはチャールズ・ブロンソンみたいに拳銃で撃ってやればいいんじゃないでしょうか。


<参照>
テレビ大菩薩峠 飲食店従業員同時多発不祥事について
posted by リュウノスケ at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

若山騎一郎覚醒剤所持で逮捕

 千葉県警松戸署は28日、東京都港区南麻布、俳優若山騎一郎(本名・藤原敏章)容疑者(48)を覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した。

 発表によると、若山容疑者は同日午後0時35分頃、自宅で少量の覚醒剤を所持していた疑い。自宅から覚醒剤を使うためとみられる道具が見つかっている。「1年くらい前から持っている」と話しているという。

 若山容疑者は俳優の故若山富三郎さんの息子。(読売新聞、2013.11.28)


 <覚醒剤:使用容疑、33歳女優を逮捕 俳優の夫と「一緒に」>
 自宅マンションで覚醒剤を使用していたとして、千葉県警松戸署は29日、女優の仁美凌(ひとみりょう)(本名・藤原芽英子(めえこ))容疑者(33)=東京都港区南麻布2=を覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕した。仁美容疑者は前日の28日に同法違反(所持)容疑で逮捕された夫で俳優の若山騎一郎(本名・藤原敏章)容疑者(48)=同=と「一緒に使った」と容疑を認めているという。

 仁美容疑者は1991年に亡くなった俳優の上原謙さんの次女。若山容疑者とは昨年10月に離婚したが、今年10月に再婚していた。

 同署によると、2人が覚醒剤を所持しているとの情報を受け、自宅を調べたところ、部屋にあったガラスパイプから微量の覚醒剤を検出。尿検査では今月中旬以降に使用していた疑いが判明したという。(毎日新聞、2013.11.29)


 <若山夫婦逮捕 30代舞台女優がリークか>
 故若山富三郎さんの息子で俳優若山騎一郎容疑者(48)の妻で女優仁美凌容疑者(33=本名・藤原芽英子)が29日未明、都内自宅で覚せい剤取締法違反(使用)容疑で千葉県警松戸署に逮捕された。夫は前日28日同法違反(所持)容疑で逮捕されたばかり。仁美は故上原謙さんの次女。離婚1年目の先月15日に復縁婚したばかりで、芸能界名門一家に育った大物2世夫婦は「ダブル薬物逮捕」という最悪の結末を迎えた。逮捕の背景には、ある舞台女優の存在も浮上してきた。

 仁美容疑者の逮捕容疑は、11月中旬から28日までの間に、都周辺で覚せい剤を使った疑い。松戸署は28日午後1時36分、若山容疑者を都内自宅で現行犯逮捕しており、その約12時間後の29日午前1時53分に仁美容疑者を逮捕した。

 仁美容疑者は調べに対し「夫と一緒に自宅の部屋で覚せい剤を使った」と容疑を認めている。同署では仁美容疑者の身柄を29日午前、別の署に移送し若山容疑者とともに入手ルートや使用期間などを調べている。

 28日に同署が自宅を捜索し若山容疑者を現行犯逮捕した際、仁美容疑者も立ち会っていた。仁美容疑者も任意で事情聴取され尿検査も受けたが同日午後、いったん自宅に戻っていた。その後、尿検査で陽性となり逮捕に至ったようだ。

 逮捕数時間前に仁美容疑者と話した関係者によると、同容疑者は憔悴(しょうすい)した状態で泣いていたという。自身の逮捕可能性には言及していなかったが「突然警察が来て、夫が逮捕されたんです」などと動揺した様子で説明。夫に覚せい剤の疑いが浮上した理由について、警察への情報提供者と思われる人の名前をあげていたという。

 関係者によると、仁美があげていたのは松戸市が地元の舞台女優の名。若山容疑者とは古くからの知り合いで、昨年10月15日に仁美容疑者と離婚した後、一時親密だった時期があるという。「この女優は30代半ばで一見、物静かな話し方をする美人。一時若山宅に出入りしたり、会食するなどしていた。ただ今年1月に若山と仁美が復縁した後、若山を激しく恨み、ブログなどで攻撃するようになった。自身が疑われるリスクも分かった上で、覚せい剤情報を警察サイドに話した可能性はありうる」(関係者)。

 実際、この女優はブログで長期間若山容疑者を批判し続けた末、先月中旬、ブログに「覚悟」というタイトルで「自分の良心、正義に従って行動します」と意味深な記述をしていた。

 夫妻は波乱続きだった。昨年5月17日に結婚。同10月15日に離婚したが、今年1月にスピード復縁。同10月15日の「離婚1周年記念日」に再婚したばかりだった。若山容疑者は、92年に死去した名優若山富三郎さんの長男で、勝新太郎さんはおじ。仁美容疑者は故上原謙さんが父で加山雄三が異母兄。(日刊スポーツ、2013.11.30)


 <加山雄三、異母妹仁美容疑者に「何も」>
 歌手・加山雄三(76)が1日、大阪城ホールで行われた年末恒例コンサート「1万人の第九」にゲスト出演し、覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された異母妹、仁美凌容疑者(33)について問われた。

 加山の父親は俳優の故上原謙さん。11月29日に覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された仁美容疑者の父親も上原さんであることから、加山と仁美容疑者は異母兄妹という関係。

 加山は公演終演後に会見。その後、報道陣が仁美容疑者について「事件の感想は?」と尋ねると、いらだった表情を浮かべ「何もない」と一言。「最近会ったか?」との質問には首を横に振った。主催者側がガードする中、「残念という気持ちはありますか?」と問われると「あはは」とあきれたような乾いた笑い声をあげた。

 加山は会見では、べートーベン「第九」の別名「歓喜の歌」に引っかけて、「今年一番の歓喜は?」と尋ねられると「我が家が平和であること。仕事を多くいただいて困っているくらいです」と語った。

 1万人の合唱団とともに、今年で31回目を迎えた伝統コンサートをともにした加山は「歌い手みょうりに尽きる。ベートーベンを連れてきて聞かせてあげたい」と感激した様子。自身のヒット曲「君といつまでも」「海・その愛」など3曲も披露した。

 同コンサートは、3年目となる東北会場とライブでつなぎ、被災地復興への願いも込められた。加山は「(津波被害が大惨事となった)震災直後は、つらくて、海の歌をうたえなくなった」と告白。だがテレビで被災地の漁師が「海は悪くない。今まで海から幸せをもらっていたんだ」と話すのをみて心を打たれ「やっと歌えるようになりました」と明かしていた。(デイリースポーツ、2013.12.1)


<参照>
ウィキペディア 若山騎一郎
ウィキペディア 仁美凌
posted by リュウノスケ at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

西城秀樹マネージャー詐欺被害

 歌手の西城秀樹さん(58)のマネジャーを務める男性(53)に対し、西城さんが仏芸術文化勲章の最高章「コマンドゥール」を受章するなどとうそを言い、720万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は28日、詐欺容疑で東京都港区六本木、無職沖山美知子容疑者(60)を逮捕した。同課によると、「私はだましていません。関係ありません」と容疑を否認しているという。

 同課によると、沖山容疑者は俳優の市村正親さん(64)の元マネジャーで、他にも男性芸能人らから数件の被害相談が寄せられているという。同容疑者は六本木のホテルに長期間宿泊しており、詐取金のほとんどはホテル代金に充てられたとみられる。

 逮捕容疑は3〜7月、マネジャーの男性に対し、「仏政府が授与する芸術文化勲章の『コマンドゥール』を西城さんが受章する。日本円で3600万円ぐらいの賞金が出る」などとうそを言い、「授章決定権を持つ仏大統領のパートナーに謝礼金などが必要だ」などと持ち掛け、都内のホテルで数回にわたり、現金計720万円をだまし取った疑い。

 マネジャーの男性が7月、在日仏大使館に問い合わせうそが発覚。今月、警視庁に告訴していた。(時事通信、2013.11.28)


 歌手の西城秀樹さんの男性マネジャーから720万円をだまし取ったとして、警視庁は28日、東京都港区の無職沖山美知子容疑者(60)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。捜査2課の説明では、沖山容疑者は「だましていない」と容疑を否認しているという。

 発表によると、沖山容疑者の逮捕容疑は3〜7月、西城さんがフランス芸術文化勲章「コマンドール」を受章できるとのウソの話を男性マネジャーに持ちかけ、「受章を決めてくれる人への謝礼、献金」などの名目で、数回にわたって計720万円を詐取したというもの。

 コマンドールはこれまで、映画監督の黒沢明さん、北野武さんや歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんが受章。男性マネジャーは同庁に「(脳梗塞〈こうそく〉を患った西城さんが)受章を契機に輝きを取り戻してほしいと思い、金を払っていた」と説明したという。沖山容疑者はかつて芸能人を養成する仕事に就いており、この男性マネジャーとも面識があった。

 同庁は別の男性芸能人ら数人からも同様の被害相談を受けているという。(朝日新聞、2013.11.28)


 歌手西城秀樹にフランス政府が勲章を授与すると偽り、マネジャーの男性(53)から謝礼名目で現金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は28日、詐欺の疑いで、無職沖山美知子容疑者(60)を逮捕した。

 捜査2課によると、ほかに男性芸能人らから数件、同様の被害相談が寄せられており、関連を調べている。沖山容疑者は1982年から数年にわたり、俳優の市村正親のマネジャーを務めていた。

 逮捕容疑は3〜7月、マネジャーに「西城さんがフランスの芸術文化勲章コマンドゥールを受章できる」「受章すると約3600万円の賞金が出る」などとうそを言い、「受章を決めてくれた人にお礼が必要」として計720万円をだまし取った疑い。

 沖山容疑者は「関係ありません」と容疑を否認している。現金を渡した後、連絡が途絶えたため不審に思ったマネジャーが8月、警視庁に相談した。(共同、サンスポ、2013.11.28)


 タレントを想うマネージャー心理を熟知した上での悪質な犯行。人の善意に付け込む手口は俺俺詐欺同様極めて不快です。
posted by リュウノスケ at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

陸上自衛隊秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)

 陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが27日、分かった。

 陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言した。

 自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する。

 衆院を通過した特定秘密保護法案が成立すれば、自衛隊の広範な情報が秘密指定され、国会や国民の監視がさらに困難になるのは必至だ。

 陸幕長経験者の一人は別班の存在を認めた上で、海外での情報活動について「万が一の事態が発生した時、責任を問われないように(詳しく)聞かなかった」と説明。情報本部長経験者は「首相、防衛相は別班の存在さえ知らない」と述べた。

 防衛省と陸自はこれまで別班の存在を認めておらず、 小野寺五典防衛相は27日夜、「陸幕長に過去と今、そのような機関があるのかという確認をしたが、ないという話があった」と述べた。

 関係者の話を総合すると、別班は「DIT」(防衛情報チームの略)とも呼ばれ、数十人いるメンバー全員が陸自小平学校の「心理戦防護課程」の修了者。同課程は諜報(ちょうほう)、防諜活動を教育、訓練した旧陸軍中野学校の後継とされる。

 別班の海外展開は冷戦時代に始まり、主に旧ソ連、中国、北朝鮮に関する情報収集を目的に、国や都市を変えながら常時3カ所程度の拠点を維持。最近はロシア、韓国、ポーランドなどで活動しているという。

 別班員を海外に派遣する際には自衛官の籍を抹消し、他省庁の職員に身分を変えることもあるという。

 現地では日本商社の支店などを装い、社員になりすました別班員が協力者を使って軍事、政治、治安情報を収集。出所を明示せずに陸幕長と情報本部長に情報を上げる仕組みが整っている。身分偽装までする海外情報活動に法的根拠はなく、資金の予算上の処理などもはっきりしない。

 冷戦時代の別班発足当初は米陸軍の指揮下で活動したとされる。陸幕運用支援・情報部長の直轄となった現在でも「米軍と密接な関係がある」と指摘する関係者は多い。(共同通信編集委員 石井暁)

 【解説】 陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」が独断で行ってきた海外活動は、政府や国会が武力組織を統制して暴走を防ぐ文民統制(シビリアンコントロール)を無視するもので、民主主義国家の根幹を脅かす。

 これまで元別班員らが出版などを通じ、冷戦時代の活動の一端を語ったことはあるが、防衛省と陸自は別班の存在すら認めてこなかった。

 今回、陸自トップの陸上幕僚長経験者と、防衛省で軍事情報の収集や分析を統括する情報本部長経験者らが別班の存在を認め、海外展開を初めて明らかにした。

 万が一発覚した場合に備え、陸幕長にも海外の展開先や具体的な活動内容をあえて知らせず、自衛官の身分を離れて民間人などを装った佐官級幹部が現地で指揮する。

 首相や防衛相が関知しないまま活動する不健全さはインテリジェンス(情報活動)の隠密性とは全く異質で、「国家のためには国民も欺く」という考えがあるとすれば本末転倒も甚だしい。

 関東軍の例を挙げるまでもなく、政治のコントロールを受けず、組織の指揮命令系統から外れた部隊の独走は、国の外交や安全保障を損なう恐れがあり、極めて危うい。

 日米同盟を強化し、機微な情報を共有するには秘密保全が必要だとする政府は、国家安全保障会議(日本版NSC)発足と特定秘密保護法案の成立を急いでおり、その先に米中央情報局(CIA)のような対外情報機関の新設も見据えている。

 だが、特定秘密保護法案は恣意(しい)的な運用の歯止めがなく、別班のような「不都合な存在」は歴史的経緯も含め、永久に闇に葬られる懸念がある。

 別班に目をつぶったまま、秘密保全や対外情報活動の強化を進めるのは公明正大さを欠く。政府と国会は別班の実態を徹底的に調べて国民に明らかにし、民主国家の基本原理である文民統制の機能回復を図る責任がある。(共同通信、2013.11.28)


 首相や防衛相が関知しない独断による情報活動が明らかになった陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)。国内担当だった元メンバーが28日までの共同通信の取材に、陸自内部でも存在そのものが秘匿されてきた情報部隊の実態を語った。

 ▽養成

 突然上司に命じられ、諜報ちょうほうや防諜ぼうちょうの教育、訓練をした旧陸軍中野学校の流れをくむ陸自小平学校の心理戦防護課程に入校。同期は7、8人でごくまれに海自、空自の隊員もいる。追跡、潜入、張り込み…。教室の鍵は昼間も厳重で、小平学校長でさえ入室できない。

 同課程を修了して別班員になると、外部との接触禁止に。「身分証明書は自宅で保管し、持ち歩くな」「年賀状も出すな」と指示され、防衛大の同期会は当然欠席。休職扱いか、いったん自衛官の身分を離れるが、給料や退職金は満額が出る。

 ▽任務

 別班の本部は東京・市谷の防衛省地下。民間のビルの一室を借りた「アジト」が東京都内に数カ所あり、組織を秘匿するため、渋谷、池袋、新宿…などを転々とする。

 班員は数人ずつのグループで活動。他のグループのメンバーとは本部でたまに会うだけで、本名さえ知らない。在日朝鮮人を買収し、スパイに仕立てて北朝鮮に送り込んだこともある。

 ▽資金

 活動資金が足りなくなれば、防衛省情報本部にもらう。金が余り、内輪で豪華宴会をしたこともある。領収書は一切いらない。

 別の班員から「数百万円まで湯水のように使えた」「協力者には数十万円単位で使えと言われた」「金を使わないと仕事をしていないと思われた」と聞いたこともある。(中国新聞、2013.11.28)


 共同通信は陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」について、2008年4月から約5年半にわたり、防衛省・自衛隊の現役幹部やOB、元別班員など、延べ約50人を取材した。おしなべて口は重かったが、証言を積み重ねた結果、別班の海外展開や国内での活動の一部が判明した。取材に応じた関係者のうち、防衛省情報本部長経験者と陸上幕僚長経験者の一問一答は次の通り。

【情報本部長経験者】

―別班の海外拠点は。
「かつては旧ソ連、韓国、中国の3カ所だった。冷戦終結後はロシアの重要性が低下して、韓国、中国が中心になった時期もあった」

―別班が海外で収集した情報はどうするのか。
「別班長から地域情報班長、運用支援・情報部長、陸幕長の順に回す。陸幕副長と情報課長には回さない。万が一の時(副長と課長が)責任を免れるためだ」

―別班の存在についてどう考えていたか。
「運悪く新聞に書かれたら、辞めるしかないと覚悟していた」

―防衛相は別班について知っているのか。
「総理も防衛相も存在さえ知らない」

―別班員はどういう身分で外国へ行くのか。
「海外要員は自衛官の籍を外し、他省庁の職員にして行かせる。万が一のことがあっても、公務員として補償するためだ」

―その人事を取り扱うのは誰か。
「陸幕人事部に別班担当者が1人いて、代々秘密裏に引き継いでやっている」

【陸上幕僚長経験者】

―別班の活動について聞きたい。
「あの組織は、いろいろと名称を変えて来ているので」

―特別勤務班、ムサシ、MIST、別班、今はDITと呼ばれているようだが。
「あそこは何回も組織改革をしてきている。現状は詳しくは知らなかった」

―別班が海外に拠点を置き活動しているのを知っていたか。
「幕僚長の時も(詳しく)聞いた事はなかったし、聞かないほうが良かった。万が一の事態が発生した時、聞いていたら責任を問われてしまう」

―どんな責任を問われるのか。
「もっとも(別班の)彼らは自衛官の身分を離れているので、幕僚長の指揮下ではない。万が一のことがあっても大丈夫にしてある」

―どうやって自衛官の身分を離れるのか。
「詳しくは知らない。知らない方が良い」

―別班の海外情報をどう評価するのか。
「幕僚長は毎日、戦略、戦術情報の報告を受けている。どの情報が別班か、駐在武官か、情報本部電波部か分からないが、そのチーム(別班)の情報も有用と考えていた。

―自衛官の身分を偽って海外で活動するのは、極めて危険で過酷だと思うが。
「別に強制されてやっているのではない。情報職種の人なりのやりがいがあるのだろう。われわれは軍人だから、危険な任務は日常だ」

―別班が陸幕長の指揮下でないのならば、誰が指揮していたのか。運用支援・情報部長か。
「そうじゃないんだ。もっと違うものだ」

【別班】 別班について研究を続けてきた軍事評論家の黒井文太郎氏によると、1950年代にキャンプ座間(神奈川県)に駐留していた米陸軍500軍事情報旅団が、自衛隊の情報部隊を養成した軍事情報特別訓練(MIST)をルーツとする。61年に「陸幕第2部特別勤務班」として秘密裏に創設され、米軍と連携して情報収集活動にあたり「MIST」「ムサシ」などと呼ばれた時期もあった。73年に当時、韓国の野党指導者だった金大中元大統領が東京のホテルから拉致された事件では、別班の関与が取りざたされた。(山陽新聞、2013.11.28)


 菅義偉官房長官は28日午前の記者会見で、陸上自衛隊が秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」を組織し、首相や防衛相に知らせず独断で海外に拠点を設けて情報活動をしてきたとの共同通信の報道について、「報道にあるような組織はこれまで自衛隊に存在していないし、現在も存在していないと防衛省から聞いている」と述べた。 

 菅長官は「防衛省・自衛隊の情報収集は任務や所掌事務の範囲内で法令に従って適切に行われている」と強調した。(時事通信、2013.11.28)
posted by リュウノスケ at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする