2013年08月03日

ベルルスコーニ元首相有罪確定

 イタリアの最高裁判所は1日、脱税の罪に問われていたシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相に対し、禁錮4年の有罪判決を言い渡した。ベルルスコーニ元首相の初の有罪確定で、同国政界には動揺が広がっている。

 ベルルスコーニ元首相率いる自由国民党(People of Freedom、PDL)が一翼を担う連立政権での緊張が高まることが懸念される中、エンリコ・レッタ(Enrico Letta)首相は「国益のために」冷静さを保つよう呼びかけた。

 最高裁は禁錮4年とした下級審の判決を支持したが、うち3年は恩赦が適用される。また、元首相は収監されずに、自宅軟禁または社会奉仕活動に就くものとみられる。一方、元首相を上院から追放することになる公職禁止については、審理を高裁に差し戻した。

 今回の判決に対する条件等については今後決定されるが、専門家らは、政治活動を行うためには検察の許可が必要となり、選挙への立候補資格がはく奪される可能性があると指摘している。(AFPBB News、2013.8.2)


 数々のスキャンダルを抱えながら、イタリア政界を生き延びてきたベルルスコーニ元首相(76)が1日、株式を所有する巨大メディア企業の脱税事件で初の最高裁有罪判決を受け、禁錮4年(恩赦法に基づき1年に減刑)が確定した。元首相は最高裁判事を「無責任」と非難し、政治活動を継続すると宣言した。だが、今後は上下両院の議員選挙への立候補を禁じられ、政界引退は時間の問題とみられる。約20年にわたってイタリアをけん引してきた元首相の政治劇場は終幕を迎えた。

 元首相は1日夜、テレビで放映されたビデオ声明で「20年も国に尽くしてきた私から個人の自由と政治的権利を剥奪する判決だ」と最高裁を批判。「公的生活の終わりに差し掛かっている」と認めながらも、1994〜2009年に率いた中道右派勢力「フォルツァ・イタリア」(がんばれイタリア)を再結成して、司法改革を進める考えを強調した。

 だが、昨年の政令によって「最高裁で禁錮2年以上の有罪判決を受けた者」は上下両院議員の候補となることができず、国政選挙再出馬の道は封じられた。高裁差し戻しとなった公職追放期間は、今年末までに最終的に決まる見通しだ。それとは別に、上院が最高裁判決を受けて議員不適格と判断すれば元首相は直ちに上院議員の資格を剥奪される。

 元首相はセールスマンからサッカークラブのACミランなどを擁する実業家に成り上がり、1994年に政界入りしたカリスマ政治家。脱税で元首相が判決を受けたメディアセットは元首相一族の持ち株会社フィニンベストが株式を保有する子会社の一つ。メディアセットの株価は判決後に下落したが、イタリアの電子メディアによると、投資家の懸念は判決よりもイタリア経済危機の行方という。

 元首相側は一連のスキャンダル裁判について「政治的に左派に偏向している判事・検事が(中道右派の)元首相を狙い撃ちしている」として司法当局との対決姿勢を強めてきた。だが、最高裁によるクロ判定は「清濁併せのむ」タイプの元首相に公私の峻別(しゅんべつ)を求めた形で、元首相に象徴される利益誘導型の政治スタイルに引導が渡されたと言える。(毎日新聞、2013.8.2)
posted by リュウノスケ at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする