2013年05月14日

国内初卵子バング始動

 染色体異常などで卵子がない女性に、卵子を提供するボランティアを募集していた民間団体「OD−NET」(岸本佐智子代表、本部神戸市)は13日、提供を申し出た人から3人を選び、あっせんを受ける3人との組み合わせを決めたと発表した。

 提供者の意思確認や内部の倫理委員会の審査などを経て、半年以内に採卵と移植に移りたいとしている。

 卵子の提供には法規制がないが、採卵に伴う医学的リスクや、生まれた子の法律上の位置付けが明確でないとの問題が指摘されている。(時事通信、2013.5.13)


 性染色体の異常などにより自分の卵子で妊娠できない女性を対象に、第三者の卵子提供を仲介するNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)が13日、東京都内で記者会見し、患者3人に卵子を提供することが決まったと発表した。

 国内では一部医療機関が、姉妹や知人から卵子の提供を受けて治療を実施しているが、仲介団体による第三者の卵子のあっせんは初めてのケースだ。

 同NPO法人は、医師や患者の支援者などで構成。1月以降、すでに子どものいる35歳未満を対象に、無償での卵子提供を募ったところ、100人以上から問い合わせがあり、42人が申し込んだ。このうち血液検査などを経て9人を第1弾の提供者として登録した。さらにターナー症候群などの病気で卵子がない待機患者13人のうち、年齢や不妊治療歴などを基準に3人を選んだ。

 提供者はいずれも、生まれた子どもが15歳になった時点で、希望すれば住所や氏名などが子どもに開示される条件を承諾した。

 治療は、不妊治療クリニック団体「JISART(日本生殖補助医療標準化機関)」加盟の国内3施設で行われる。各施設の倫理委員会での審議を経て、早ければ年内にも提供者の卵子の採取や体外受精に入る見通しだ。(読売新聞、23013.5.13)


 早発閉経など卵子のない患者の出産を支援する民間団体「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(事務局・神戸市)は13日、無償で卵子を提供するボランティア9人を登録したと発表した。提供を受ける患者3人も選定した。早ければ半年後にも採卵や体外受精などの不妊治療を始める。

 国内では一部の医療機関が親族や知人からの卵子提供で治療を実施しているが、卵子を公募であっせんする初の民間団体が提供者の登録にこぎ着けたことで、卵子バンク事業が本格的に動きだすことになった。加齢で妊娠が困難になり卵子提供を求める不妊患者も多く、卵子提供の法整備を求める論議が活発化しそうだ。

 同団体によると、1月15日の募集開始以来、提供を希望して連絡してきた女性は100人を超え、うち42人が必要書類を返送。血液検査などの結果を踏まえ、選定基準を満たした9人の登録が完了した。検査の結果待ちの女性もおり、登録数はさらに増える見通し。

 同団体の岸本佐智子代表は記者会見で「悩んでいる人の力になれるのは、とてもうれしい」などとの提供者のコメントを紹介し、善意の無償提供である点を強調した。

 提供者からの卵子の採取や体外受精などは連携する五つの民間医療機関のいずれかが実施するが、どの医療機関が担うかは非公表。各施設の倫理委員会で審査するほか、カウンセリングも必要なため時間がかかるという。

 その一つ、広島HARTクリニック(広島市中区)理事長で、OD―NET副代表も務める高橋克彦医師(66)は「無償で卵子を提供する人がいるか不安だったが、本当にありがたい。善意を必ず生かす」と決意を述べた。

 5施設はいずれも、姉妹間などの卵子提供による出産の実績がある。卵子採取ではまれに、卵巣が腫れて吐き気や腹痛などの症状が出ることがあり、高橋医師は「カウンセリングなどを通じて丁寧に説明したい」と話す。

 OD―NETによると、提供者は引き続き募集するが、患者については「希望者が殺到して対処できなくなる恐れがある」(岸本代表)として、しばらく増やさない方針だ。(中国新聞、2013.5.14)


 海外での卵子提供ビジネスでは、患者夫婦はまず卵子を提供してくれる女性を選ぶ。そのための「カタログ」には、女性の写真はもちろん、生年月日、生い立ち、趣味、家族関係、血液型など個人情報が満載だ。全員が日本人。患者夫婦は学歴を中心に容姿や、妻に似ているかなどを基準に「品定め」する。

 あっせん業者の男性は「意外と重要なのは目が二重かどうかだ。だから目を整形した人は提供者に選ばない」と話す。

 日本の若い女性が数十万円の謝礼で海外に行き、医療機関で採卵手術を受ける。人気のある女性には依頼が集中し「中には血液型が全く合わない夫婦から“ご指名”を受けることもある」。

 患者が支払う金額も跳ね上がる。あっせん業者の男性は「ひどいところは何百万円も請求するが、うちは良心的。人助けでやっている」と話す。だが、救われるのは裕福な層だけだ。「女性の人権を侵害している」「命の売買だ」などの批判も根強い。

 国内で卵子提供を受ける場合も、想定される問題は多い。諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(ねつ・やひろ)院長は、これまで提供卵子や精子による体外受精を200組以上の夫婦に実施、150人以上の出産にこぎ着けているが、いずれも親族や友人らからの提供だ。

 こうした人間関係の中で、常に提供者が見つかるとは限らない。だからこそ第三者からの提供が求められる。

 しかし根津院長によると、トラブルは採卵による健康への悪影響が出た場合や、生まれた子に障害があった場合に起こる可能性が考えられ、「赤の他人同士だと『こんなはずではなかった』と、こじれる可能性があるのではないか」と指摘する。事前に保険会社と契約するなど、補償体制を整えることが大事だとしている。また金銭だけで解決できない問題もあり、国が関与して対応を準備する必要性を指摘する専門家もいる。

 「実際に卵子提供がされて治療に結びついた場合に、残念ながら法整備が十分にできていない」と指摘するのは日本生殖医学会倫理委員長の石原理(いしはら・おさむ)埼玉医大教授だ。民法ではこうして生まれた子どもは想定しておらず、子の母親が産んだ女性か卵子提供者なのかは、必ずしも明確ではない。精子や胚の提供の場合の親子関係も同様だ。

 石原教授は「今回の動きが、法整備やシステム作りへのきっかけになってくれれば一番良い。たくさんの問題を抱えながらの船出というのは間違いない」と話す。

 子どもに出自を知らせるかどうかも、夫以外からの精子の提供を受けて行う人工授精で生まれたケースで既に問題になっている。唐突に真実を知らされ「自分は何だったのか」と悩む人も多い。

 根津院長は「内緒にするのではなく、親が堂々と説明すべきだ」と話す。提供を受けた卵子で生まれた子を特別な目で見ない社会づくりも必要だと強調した。(共同通信、2013.5.14)


「40歳以上の患者さんを「まだいけますよ」「次 頑張りましょう」という形でずるずると(治療を)引き延ばす。病院経営としてはそのつど売り上げが上がっていくことになる。患者さんがひとつの金づるになっている」(不妊治療に携わる医師、NHK『クローズアップ現代』、2013.5.8)
posted by リュウノスケ at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする