2012年12月14日

舞鶴高1少女殺害事件大阪高裁判決要旨

 舞鶴高1少女殺害事件で中勝美被告を無罪とした12日の大阪高裁判決の要旨は次の通り。

 【目撃証言】

 一審判決は、2008年5月7日午前3時15分ごろ、自転車を押す中被告とよく似た男性が若い女性といた旨の目撃者の証言の信用性を認め、中被告が集会所前交差点で被害者と一緒に歩いていたと認定した。

 しかし、目撃者の視認状況は必ずしも良いとは言えず、取調べで被告の写真を単独で見て、記憶が変容した可能性も否定できない。

 事件直後の段階では、目撃者が供述する男性の特徴は、被告と大きく異なっていたが、時間の経過に伴い被告の特徴と一致しないものが順次消失。最終的に被告の特徴とほぼ整合する内容に変遷したが、合理的な説明はつかない。別の証言や防犯ビデオの精査結果からも、男性と被告が同一と断定できない。

 【被告の供述】

 一審判決は、被告が捜査段階で被害者の化粧ポーチなどの遺留品について特徴と合致する具体的な供述をしている点に、知る機会があるのは犯人の他にほとんど考えられないと認定した。

 しかし、遺留品については報道され、色や形状も際だった特徴はない。知る機会があったのは犯人以外に考えられないということはできず、あてずっぽうでたまたま言い当てたとしてもそれほど不自然ではない。

 警察官の取り調べメモによれば、被告の供述は、遺留品の特徴にそぐわなかったりしたが、長期間の取り調べの中で具体的な供述に変容している。

 捜査官の顔色を読みながら供述したとみることが可能で、捜査官も、問答を繰り返す中で特徴に合致する供述を求め続け、被告に影響を与えた可能性は否定できない。

 被告の供述状況に疑問があるのに、被告が犯人であることを認定する有力な根拠の一つとした一審判決の認定は論理則、経験則に照らして不合理と言わざるを得ない。

 【結論】

 状況証拠で認められる間接事実に、被告が犯人でないとしたら説明できない事実関係が含まれているとは言えず、犯人とするには合理的な疑いを差し挟む余地がある。

 【破棄自判】

 本件公訴事実について、被告が犯人であることを認定するに足る証拠はないから、無罪の言い渡しをする。(山陽新聞、2012.12.13)
posted by リュウノスケ at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする