2012年09月05日

札幌ドームファウルボール訴訟

 札幌ドームで北海道日本ハムファイターズ戦を観戦中、ファウルボールが顔に当たり、失明したとして、札幌市内の30歳代女性が同市や札幌ドーム、日本ハム球団の3者に慰謝料など計約4650万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、札幌地裁(戸畑賢太裁判官)であり、3者は請求の棄却を求めた。

 女性側は防球ネットが内野席になかった点を過失と主張している。これに対し、札幌市は「内野席全体を防球ネットで覆うことは現実的にあり得ない」、球団も「プロ野球観戦は臨場感が大きな要素」とし、ネットなどを設置すると、臨場感を確保できないとした。また、球団はファウルの際、係員の警笛や場内アナウンスがあって、周囲の観客は避難しており、回避の責任は女性側にあったとした。(読売新聞、2012.9.3)


 札幌ドーム(札幌市)でプロ野球観戦中にファウルボールが右目に当たり失明した市内の30代の女性が、北海道日本ハムファイターズと札幌市などに約4700万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、札幌地裁(戸畑賢太裁判官)であり、球団側はいずれも請求棄却を求めた。

 球団側は答弁書で「大型ビジョンやアナウンスで注意を促していた。ファウルが出た時は警笛も鳴らしている。防御姿勢を取らなかった女性に責任がある」などとした。

 球団は試合の主催者で、市はドームの所有者。

 訴状によると、女性は2010年8月21日、内野席で日本ハム対西武戦を観戦中、ライナー性のファウルボールが顔に直撃し失明。球団側が防球ネットの設置など安全対策を怠ったとしている。

 同種訴訟は仙台地、高裁や千葉地裁で争われたが「看板やアナウンスで注意を呼び掛けた」として、観客側が敗訴した。(日刊スポーツ、2012.9.3)


 2008年にクリネックススタジアム宮城で「ビールを座席下に置いて顔を上げた瞬間に打球が右目を直撃して眼球破裂」というケースがありました。その裁判(二審、原告敗訴)での判決理由は以下の通り。

「判決理由で田村幸一裁判長は、フェンスが内野席全体に設置されていることなどを挙げ「球場が通常備えているべき安全性を欠いているとは言えない」と指摘。また、「内野席フェンス上のネット部分を取り外す球場も出てくるなど、プロ野球観戦では臨場感が本質的な要素だ」と述べた」(スポニチ、2011.10.14)

 この手の訴訟で原告が勝つのは難しいと言わざるを得ません。硬球は石のように硬く野球観戦は本質的に危険であるという意識がないと思わぬ不幸を招くことになります。


 <右目失明女性の請求認める ファウルボール訴訟判決>
 札幌ドーム(札幌市)の内野席でプロ野球観戦中にファウルボールが当たって右目を失明した市内の30代女性が北海道日本ハムファイターズなどに計約4650万円の損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁(長谷川恭弘裁判長)は26日、球団などに約4190万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決理由で長谷川裁判長は、内野席前のフェンスではファウルボールを遮ることはできかったと指摘。「球場の設備は危険を防止するに足りず、安全性を欠いていた」と指摘した。

 球団側は「観客は打球に注意しさえすればファウルボールの直撃を回避できる。事故当時、場内の大型ビジョンやアナウンスで注意喚起もしており、十分な対策を講じていた」と反論していた。

 判決を受け、日本ハムは「野球観戦の本質的な要素である臨場感が失われることを懸念する。野球界全体に及ぼす影響も十分に考えられ、控訴を視野に検討する」とのコメントを発表した。

 判決によると、女性は2010年8月21日、夫や子ども3人と日本ハム対西武戦を観戦していた際、ライナー性のファウルボールの直撃を顔に受け、右顔面骨骨折や右眼球破裂の重傷を負った。

 球団以外の被告は球場所有者の市、管理会社の札幌ドーム(札幌市)。(日刊スポーツ、2015.3.26)


 <札幌高裁、札幌ドーム設備の欠陥認めず 打球訴訟>
 プロ野球観戦中の女性がファウルボールの直撃で右目を失明した事故を巡り、札幌高裁が北海道日本ハムファイターズに賠償を命じた20日の控訴審判決は、女性側が欠陥を主張した球場設備については「通常の観客を前提とすれば安全性を欠いていたとは言えない」と指摘した。

 控訴審判決は一審札幌地裁判決を変更、日本ハムに約3350万円の賠償を命じたが、球場を管理する札幌ドームと所有する札幌市への請求は棄却した。

 判決理由で佐藤道明裁判長は「(事故が起きた)札幌ドームの内野フェンスの高さは、他球場に比べて特に低かったわけではない」と判断。「打球を回避できる安全設備が必要だった」とする女性側の主張を退けた。

 また、日本ハムが小学生を招待した企画に保護者として付き添っていたこの女性には、野球の知識がほとんどなかったとして「日本ハムは打球の危険性を告知し、小学生と保護者の安全に配慮する義務があったが、十分尽くしたとは認められない」と指摘、損害賠償の責任を負うと認定した。

 一方「打者が打った瞬間は見ていたが、その後の打球の行方を見ていなかった」として、女性にも2割の過失があったと認定した。

 一審判決は、女性に過失はないとし、日本ハムと札幌ドーム、札幌市の3者に約4190万円の支払いを命じていた。(日刊スポーツ、2016.5.20)


<参照>
テレビ大菩薩峠 ファウルボール訴訟請求棄却
posted by リュウノスケ at 01:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする