2011年04月15日

「放射能に汚染されたゴミなど持ってくるな」川崎市災害廃棄物を受け入れに苦情2000件

 川崎市の阿部孝夫市長が東日本大震災で大量に発生した災害廃棄物を受け入れる方針を表明したところ、「放射能に汚染されたゴミなど持ってくるな」という苦情が市に殺到する事態になっている。

 市は13日、「放射能汚染が確認された廃棄物を持ち込むことはありません」とする説明をホームページに掲載するなど、対応に追われている。

 市環境局によると、阿部市長は今月7日に福島県、8日に宮城県を訪問。その際、阪神大震災や中越沖地震の被災地で出た廃棄物を市内で焼却したこともあるため、同様の支援を申し出た。

 その後、原発事故が起きた福島から放射能に汚染されたゴミが市内に運び込まれるのではという懸念が広がり、8日から13日午前までに電話や電子メールなどで市に寄せられた苦情は計1700件余りに上った。市長の支援表明を「売名行為」とののしる声もあったという。苦情は市民のほか、東京都や千葉県民からもあり、同局は「ゴミを燃やした煙が流れると思ったのではないか」と推測している。

 同局は「市独自の取り組みではなく、国の計画に従って安全を確認した上で運び込む」と説明する一方、「まさか、こんなことになるとは」と困惑している。(読売新聞、2011.4.14)


 川崎市の阿部孝夫市長が、東日本大震災で大量に発生した倒壊家屋の木くずなど廃棄物の処分への協力を表明したことについて、「放射能で汚染されたごみが首都圏に持ち込まれる」などとする誤解がインターネット上で広まり、同市に計約二千件の抗議の電話やメールが殺到する事態に発展している。

 同市は「放射能汚染されたものは、低レベルでも移動が禁止されている。市内に持ち込まれるのは安全性が確認されたものだけ」と断言。処分についても「川崎単独の話ではなく、国の指導の下、関係機関と連携して進めていく」などと、冷静な対応を呼び掛けている。

 阿部市長は今月七、八の両日に福島、宮城両県を訪問し、支援策の一環として、知事らに廃棄物処理への協力の姿勢を示した。震災による廃棄物が岩手、宮城、福島の東北三県で約二千五百万トンと試算され、現地では処理施設も被災して処分が難しくなっている実情に配慮した。一九九五年の阪神大震災と二〇〇七年の新潟県中越沖地震の際、被災地の廃棄物を貨物列車で運び、市内で焼却した実績があることも考慮した。

 ところが、このことが報道されると、インターネットの掲示板に「川崎が福島の被ばくごみを大量に引き受ける」との誤った情報が書き込まれた。「処理施設の煙突から出たちりが首都圏に飛散する」という臆測が飛び交い、「阿部市長が福島県出身だから、市民が犠牲にならなければいけないの?」という反応も。

 ツイッターでもうわさが拡散し、市には十三日昼までに電話やメールで計約二千件の抗議が寄せられた。市環境局施設部処理計画課は「都内や千葉、埼玉からも電話があり、中には川崎出身という米国在住者もいた」と困惑。幼い子どものいる母親が大半とみられる。(東京新聞、2011.4.14)
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検証福島原発事故

 東日本大震災は日本の原子力発電所の「信頼」も根こそぎなぎ倒した。東京電力福島第1原発事故は依然、収束の見通しが立たない。地震から1カ月。深刻な「放射線被害」の危機に直面した政府、東電の動向を検証すると浮かび上がるのは、事態の進行に困惑する東電と、混乱する報告、説明に不信感を募らせる首相・菅直人の姿だ。首相と東電や担当官庁との相互不信は消えておらず、国家を挙げて難局に立ち向かう姿勢はいまだに構築できないのが現状だ。(敬称略)

 福島第1原発は、3月11日の地震と津波で非常用を含めすべての電源を失った。核燃料を冷やせない−。緊急事態の始まりだった。

 原発には電気供給が止まって冷却機能がなくなる危険に備え、電源が不要な冷却装置がある。ただ福島第1原発では、この装置の弁がバッテリーを必要としていた。経済産業省原子力安全・保安院は11日午前4時半すぎ「バッテリーは8時間しかもたない」と明らかにした。

 福島第1原発を襲った津波の高さは14メートル超とみられ、想定していた最大5.7メートルの倍以上。2009年には平安時代に起きた「貞観津波」の痕跡を調査した研究者が、第1原発をこうした大津波が襲う危険性を指摘していた。

 東電側は「十分な情報がない」として地震想定の引き上げに難色を示し、設計上は耐震性に余裕があると主張。津波と自身の想定は変更されなかった。

 官邸の資料によると12日午前1時20分、安定していたはずの1号機で、格納容器の圧力が異常上昇。午前2時20分に会見した保安院は「設計基準値は4気圧。現在は6気圧ぐらいの可能性がある」発表した。

 官房長官・枝野幸男は午前3時すぎの会見で、炉内圧力を下げるため放射性物質を含んだ蒸気を排出する「ベント」実施を発表。菅が福島第1原発を視察することも明らかにした。

 政権交代前から“現場主義”を掲げてきた菅は被ばくを懸念する周囲の反対を押しきり、視察を強行。「こっちは人命を考えてやってるんだ。早め早めにやらなきゃ駄目だろう」。午前7時すぎに現地に到着するや、いら立った様子で原発対応の責任者、東電副社長・武藤栄に詰め寄った。

 菅が自衛隊ヘリコプターで福島第1原発を離れた直後、東電はベントに着手。「首相の被ばくを避けるためベントが遅れた」との憶測を生んだ。政府筋は「初期段階は現場の応急処置が大事だ。視察はまずかった」と、ほぞをかんだ。

 ベントのもたつきには東電側の事情もあった。地震発生時、東電の社長・清水正孝は関西に出張中だった。「最高権力者」の会長・勝俣恒久も北京に滞在中。帰京する交通手段確保には難航した。

 12日朝、清水はヘリコプターなどを使いようやく帰京。勝俣が対策本部に入ったのは昼すぎ。

 経営トップ不在に加え、兆単位の費用が想定される廃炉覚悟の「海水注入」を求められていたことも、判断の遅れにもつながった。初期段階で大量の冷却水を確保するには早急に海水を利用するしかない。1号機に海水が注入されたのは12日午後8時20分だった。

 「セシウム等が出ているけれども、水をつぎ足したし、格納容器で囲まれているから、メルトダウン(全炉心溶融)のような危機的状況はないんじゃないか」。12日午後、官邸で開かれた与野党党首会談。菅は、楽観的な見通しを披露した。

 午後3時36分。まだ会談が続いていた官邸、経産省、東電が凍り付いた。1号機で水素爆発が発生。テレビでは爆発の映像と、骨組みがむき出しになった1号機建屋が映った。

 経産省に詰めていた東電の技術系社員の目にも飛び込んだ。「爆発している…」。別の社員は「考えられない。あり得ない」。顔を高潮させ涙をぬぐった。水素爆発は技術者の誇りも吹き飛ばした。

 官邸への報告はようやく1時間後。「東電と保安院は信用できない」。菅は、旧態依然たる「官業癒着」のにおいをかぎ取り、東電などに対する不信感を強めた。

 14日午前、3号機で水素爆発。東電本店の対策本部は「どんどん圧力が上がってるぞ」「ガンマ線の数値が上がっている」の怒号が飛び交った。この日午後、2号機は冷却機能を喪失。夜には原子炉格納容器の圧力が異常上昇し、社内は緊迫感に包まれた。事態を憂慮した東電は夜、経産省幹部を通じて「現場から全面撤退したい」と官邸に伝達。15日未明には東電幹部が直接、撤退の以降を伝えた。

 「全面撤退なんて、あり得ないだろう」。菅は15日午前4時すぎ、東電社長・清水を官邸に呼び、怒鳴りつけた。黙り込む清水。激高した菅は午前5時半すぎ、東電本店に乗り込んだ。傍らに副社長の武藤を立たせたまま、社員を前に「覚悟を決めてください。撤退した時には東電は100%つぶれますよ。東日本がどうなってもいいのか」と怒声を浴びせた。

 「こんな何百人もいる場所では話にならん」。菅は手にしていたマイクを離すと、武藤らを連れて別室に入り、叱責を続けた。「俺たちの邪魔をしに来たのか」。あっけにとられる社員。首相へのわだかまりが、東電の中に醸成された。

 会長の勝俣は30日の記者会見で「当時800人を超える職員のうち、直接運用に関わらない半数ぐらいの撤退は考えたが、全員は決してない」と、原発を放棄する考えはなかったと力説。言い分は菅側と食い違う。

 内部事情に詳しい有識者は「東電社員の士気は下がっていない。放射線量が高いので一時的に退かないと、その先のオペレーションをする要員がいなくなる。時間的余裕はまだあるという判断だったが、官邸にうまく伝わらなかったようだ」と解説する。

 東電、官僚不信に輪を掛けたのが計画停電だった。東電は13日、計画停電の14日からの実施を決定。経産省資源エネルギー庁からに報告した。ところがエネルギー庁からの官邸への連絡は遅れた。

 慌てた枝野らは「医療機器が止まって死者が出るぞ。少なくとも午前中はやめろ」と東電に迫った。「先にやることがあるだろう。大口顧客への節電は要請したのか」とただしたが、東電は「大口顧客にそんなこと頼めません」と答え、激怒させた。

 資源エネルギー庁幹部は官邸への報告日時について「大きな話だと認識し、官邸にも連絡したが、いつしたのかは本当に覚えていない」と言葉を濁している。

 17日、政府は冷却機能が停止した3号機の使用済み燃料プールに、自衛隊のヘリコプターで水投下を決行。計4回実施。うまくプールに入った「成功」は、最初の1回だけだった。それでもこの投下で水蒸気の発生を確認できたことから、爆発の危険性はないと判断。地上からの放水が始まった。

 3号機の水素爆発で東電関係者7人とともに自衛隊員4人も負傷。「爆発の危険があると東電から説明がなかった。隊員の安全が確保できない」と、陸自の中央特殊武器防護隊など180人は15日朝までに約60キロ離れた郡山駐屯地まで退避した経緯があった。それでも菅と防衛相・北沢俊美の命を受けて“決死”の出動だった。

 原子炉だけではなく使用済み燃料も冷やさなければ溶け出し、放射性物質をまき散らす。「自衛隊が危険を承知で放水を決意してくれた。本命はヘリじゃなくて地上からの放水だ」(関係者)。四面楚歌の東電に一条の光が差した。

 17日には菅の要請を東京都知事・石原慎太郎が受諾。消防庁長官が18日未明、東京消防庁にハイパーレスキュー隊などの福島第1原発への出動を要請した。

 自衛隊に先立ち警視庁が放水。暴徒鎮圧が目的の高圧放水車に放射線対処能力はなく「なぜ最初に警察なのか」との声もあったが、警視庁幹部は「国歌存続の危機に自衛隊が、警察が、と言っている時ではない」と語った。

 現場では放水を境に、徐々に関係機関の連携が取れだした。陸上自衛隊中央即応集団の副司令官をトップとする「現地調整所」が設置された。

 一方、東電不信に駆られた菅は15日、政府と東電の「統合本部」設置を指示。首相補佐官・細野豪志を送り込んだ。細野は「首相は全権を担っている。私はその名代だ。情報は全て私を通してほしい」と東電側に通告した。

 この後、日米の原発対処チームも発足。法的根拠が不明確なこのチームには民主党若手議員も加わり、米側などと対策を協議した。乱立した非公式組織は、実質的に官僚を排除する枠組みとなった。政府筋は「ゆがんだ政治主導だ」と、事故収拾策にまで首を突っ込む政権の姿勢に疑問を呈した。

 長期化必至の事故対策。東電本店2階の統合本部には、福島第1原発の免震重要棟とつながるモニターが設置され、約300人が常駐。「年間被ばく量を浴びてきちゃったよ」。現地から戻った社員らが愚痴る傍らで、お守りを懐に作業する社員もいる。

 「作業員が誤って頭から水をかぶった」。作業員3人の被ばくから数日後の3月下旬、急報を受けた対策本部は凍り付いた。結局、汚染水ではなく津波で残った水と判断したが、現場の緊張は続いている。

 4月6日早朝、2号機取水口付近の作業用の穴(ピット)の亀裂から海に出ていた汚染水の流出が止まると、細野は「みなさんのおかげで止まりました。ありがとう。これからも頑張りましょう」と激励した。長期戦をにらみ関係修復の狙いがのぞく。

 それでも東電幹部は「官邸に話に行っても、どなられるだけで聞く耳を持ってくれない」と肩を落とした、(山陽新聞、2011.4.10)
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2011年04月10日

第71回桜花賞(GI)

三連単 O→C・G⇔@・A・B・D・E・F・I・J・L・M・N・P=1万4400円
前回までのトータル:−27万6810円
回収率:90.3%
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2011年04月07日

勧告を受けた力士19人引退届提出

 大相撲の八百長メール問題で処分を受けた23人のうち、谷川親方(37)=元小結・海鵬=が5日、ただひとり日本相撲協会の勧告を拒否した。この日は引退(退職)届の提出期限だったが、同親方は改めて八百長への関与を否定し「提出することは認めたことになる」と退職届を提出しなかった。これにより谷川親方は解雇以上の処分が確実となった。それ以外の処分者22人は全員、この日までに提出し、協会に受理された。

 引退勧告を受けた力士19人全員が5日までに引退届を提出。そのうち8人がこの日両国国技館に姿を見せ、自ら届け出た。尾上部屋の処分対象者3人は師匠の尾上親方(元小結・浜ノ嶋)と共に現れた。十両・境沢(27)は「納得はしていない。これからは力士のことをもっと大事に思ってほしい」と号泣しながら訴えた。日本人最重量277キロの三段目・山本山(26)は「感謝している。協会がなかったらただのデブですから」と人気力士らしく、ユーモアのあるコメントで無念を包み込んだ。

 最大4人の処分対象者を出した陸奥部屋の力士も、全員が自ら提出。幕下・霧の若(27)は「悔しいけど(従わなかったら)新たな処分を出すといううわさも聞いた。師匠のためを思ったら、こうするほかなかった」と涙をぬぐった。幕内・白馬(27)は「納得していないことは分かってもらいたい。自分が辞めることで、この問題が良くなれば」。それ以外の力士は師匠や部屋関係者が代理で提出。放駒理事長は「よく受け入れてくれたと思う。これからの自分の人生を歩んでいってほしい」とねぎらった。

 ◆今月、断髪ラッシュ 〇…退職、引退届が受理された22人のうち、複数の力士は今月中に断髪式を行う予定だ。十両・旭南海の師匠・大島親方(元大関・旭国)は「部屋が主催で今月中にやるつもり」と明かした。山本山ら3人の弟子が引退した尾上親方(元小結・浜ノ嶋)も部屋主催で行う意向。八百長への関与を認めた十両・千代白鵬も今月中を予定しており、今後は断髪ラッシュになりそうだ。

 ◆「錦島」名跡は豊ノ島へ 〇…引退届を提出した十両の霜鳳は年寄名跡「錦島」を保有し、これまで同じ時津風部屋に所属する元幕内・蔵王錦の錦島親方に名跡を貸している。今回の引退で保有することができなくなったため、「錦島」の名跡を部屋の小結・豊ノ島が取得することが判明した。すでに協会に手続きを行っており、6日の臨時理事会に取得を申請し承認を受けることになる。

 ◆徳瀬川ら5人、モンゴルで釈明会見 〇…引退した幕内・徳瀬川ら5人のモンゴル出身力士が、近く母国で釈明会見を行うことが分かった。近い関係者によると、八百長への関与での引退で、モンゴルに住む家族に中傷が及んでいるという。このため、所用がある幕内・白馬を除く4人が6日に帰国し、近日中に母国の国民へ潔白を主張する会見を行う意向だ。(スポーツ報知、2011.4.6)


 日本相撲協会から八百長関与を認定され「退職勧告」を受けた谷川親方(元小結・海鵬)が処分の受け入れを拒否した。相撲協会は「引退勧告」などの処分を受けた力士、親方に対して5日までに退職届、引退届を出すように求めていた。既に関与を認めていた竹縄親方(元幕内・春日錦)、十両・千代白鵬、幕下・恵那司を含め他の22人は同日までに提出したが、谷川親方だけは応じなかった。6日に東京・両国国技館で行われる理事会で谷川親方に「解雇」などの厳罰が下される。

 ただ一人、相撲協会に反旗を翻した。谷川親方は午後4時から東京都墨田区の八角部屋で会見を行った。涙を浮かべながら用意していた文書を読み上げ、八百長関与を強く否定し、退職届を出さないことを宣言した。

 「私は自分の信念を貫き通し、退職届を提出しません。私にとって退職届を提出することは(八百長関与を)認めたことになるからです」

 相撲協会は1日の理事会で計20人の力士、親方の八百長関与を認定し角界追放を意味する「引退勧告」「退職勧告」を宣告。5日までに引退届、退職届を出さなければ、それ以上の厳罰を下すことも付け加えた。反発の声も出たが、3日には全親方らが参加した評議員会が行われ理事会の決議を承認した。そのため、谷川親方にはきょう6日の理事会で「解雇」や「除名」の追加処分が下される。既に降格処分となった八角親方(元横綱・北勝海)にも新たな処分が出る可能性もある。

 谷川親方は「14年間の現役生活で一度たりとも八百長相撲を取ったことがない」として、特別調査委員会の調査に協力。携帯電話も正常な状態のまま提出した。しかし、携帯電話の解析やビデオ検証の結果については説明を受けていないという。

 1日の理事会でも無実を訴えたが、聞き入れられず、竹縄親方の供述などから昨年初場所と同春場所での春日錦との取組が八百長と認定された。「とにかく悔しくて、やりきれない気持ちでいっぱい」。法的措置については「まだ気持ちの整理がついてないので、これから考えたい」と話し、今後検討する。

 ▼放駒理事長(元大関・魁傑) (谷川親方が退職届を出さなかったことは)残念だが、自分は自分という思いだろう。(6日の)理事会で話にはなるでしょう。(提訴されたら)それ相応の対応になるが、仮定の話はできない。

 ▽相撲協会の退職金 力士を引退したときに支給される退職金(力士養老金、勤続加算金)と、親方を辞めたときに支給される退職金(年寄退職金、勤務加算退職金など)がある。いずれも「除名」の場合は支給されないが「解雇」の場合は支払いの有無などを理事会で決定。元小結の霜鳳には約1400万、元幕内の三段目・山本山には約600万円が支給される予定。また昨年名古屋場所中に引退した谷川親方には既に力士の退職金約1600万円が支給されている。また親方の退職金支給は満5年以上勤務が条件のため勧告に応じても谷川親方には支給されない。(スポニチアネックス、2011.4.6)


 日本相撲協会の親方衆や行司の代表らによる評議員会が3日、東京・両国国技館で行われ、八百長問題の処分に理解を示した。実態解明に当たった特別調査委員会や、処分を決めた理事会のメンバーから説明を受け、4時間以上にわたって質疑応答などを繰り返した。しこりは残るものの、角界の将来のために処分を受け入れた。一方、出席した親方衆の中から、星のやりとりは八百長に相当しないという、八百長撲滅を根底から否定する仰天発言も飛び出し、角界の非常識ぶりが浮き彫りにされた。

 評議員会では、相撲界の「八百長」に関する認識不足が明らかになった。調査委の山本浩委員は「質問は、ほとんどが証拠の認定に関するもの」と言いながら「中には、星の回し合いは八百長じゃない、という意見もありました」と明かした。驚く報道陣に「いろいろ考えはありますねえ」と同委員も苦笑い。「金銭のやりとりがないのに、処分はおかしいということなのでしょう」と、半ばあきれた様子で付け加えた。

 1日の理事会後の会見では、調査委の深沢直之委員が「相場は星1つ40万円ということだが、現金の動きは確認できなかった。すべては星の貸し借りだった」と説明している。

 金銭授受の有無ではなく、故意に勝敗を操作したことが問題なのだ。真剣勝負の大原則をないがしろにし、勝負を楽しみに大相撲を支えてきたファンを欺く行為が、大きな社会問題になった。それが、この期に及んで「星の回し合いは八百長じゃない」という仰天発言。これが、力士を指導する立場の親方の言葉だ。

 さらに、驚きは続いた。「星の回し合いは八百長ではない、という意見もあったようですが」という質問に対して、ある協会理事は「私も金銭の授受があるのが八百長で、星の貸し借りは違うと思っている」と口にした。八百長への関与力士を処分して、再発防止へ相撲界を引っ張っていくべき立場の理事までもが「金銭の受け渡しがなければ」という考えだ。八百長に対する認識の甘さが、まだ角界に厳然として存在することを露呈した。

 再出発を目指す相撲界の前途は多難といえる。複数の「元力士」の発言によって「星の貸し借りは問題なし」という角界だけに通用する考えが根強く残っていることが分かった。23人を処分しても、この認識が変わらない限り再び同様の問題が起こるのは間違いない。再発防止への第1歩は、力士はもちろん、親方、協会まで相撲界全体が八百長問題を正しく理解することだ。(日刊スポーツ、2011.4.4)


 大相撲を揺るがした八百長問題で、日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、特別調査委員会が関与を認定した23人の力士、親方について事実上の角界追放を意味する厳罰処分を決めた。

 処分の内訳は(1)幕内の徳瀬川、白馬、春日王、光龍、猛虎浪、琴春日、十両の将司、豊桜、境沢、霜鳳、旭南海、安壮富士、若天狼、清瀬海、幕下の保志光、十文字、霧の若、白乃波、三段目山本山の現役力士19人が引退勧告(2)当初から八百長関与を認めていた竹縄親方(元幕内春日錦)、十両千代白鵬、幕下恵那司は2年間の出場停止(3)谷川親方(元小結海鵬)は退職勧告―となった。

 弟子が八百長に関与したとして北の湖(元横綱)九重(元横綱千代の富士)陸奥(元大関霧島)の3親方が理事を辞任した。この3人を含む17人の師匠を降格処分とした。相撲協会の責任として放駒理事長(元大関魁傑)が2カ月で30%のほか、理事ら幹部の給与の一部自主返納も決めた。

 この日は早朝から特別調査委が両国国技館で処分案をまとめ、臨時理事会で検討。処分対象者を理事会に呼んで弁明させた上で処分を通告した。

 引退勧告は八百長の処分規定では、除名に次ぐ重い処分で、相撲協会は引退届の提出期限を5日とした。引退届を受理された千代白鵬と仲介役の恵那司は謝罪したが、そのほかの力士らは八百長関与をあらためて否定して、処分への不満を表明した。(共同通信、2011.4.1)


 現役力士19人が実質的に永久追放となった大相撲八百長問題。引退勧告を受け入れないと除名となる可能性があり、そうなると退職金が支払われないので選択の余地はありませんでした。まあ本当に冤罪ならば司法の場で徹底抗戦すべきだとは思いますが。

 個人的には思ったよりも厳しい処分だったと思います。親方衆が星の貸し借りは問題ないと思っているということから考えて、自身が現役時代八百長をしていたのは確実。放駒理事長はガチ力士だったそうですが、他の親方には「お前が言うなよ」というようなヤオで有名な人もいます。結論をリードしたのは「角界の常識」を知らない外部委員だったのでしょう。

 今回処分となった力士は全て問題のメールが証拠。週刊現代・ポストが指摘しているように、他に八百長をやっている力士が存在することも十分考えられます。今後幕内上位力士の八百長が確認されれば、そのときこそ大相撲の終焉となります。
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2011年04月05日

「電源喪失が炉心溶融を招く」経済産業省原子力安全保安院炉心溶融可能性認識

 経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が昨年5月、電源が失われて核燃料が冷やせなくなって一部が溶ける「炉心溶融」が国内の原発で起こることが論理的にあり得ると国会答弁していたことが、3日までに分かった。電源喪失に伴う炉心溶融は福島第1原発で実際に起きているとされているが、政府は数時間後に電源が回復し、溶融は起きないとの想定を変えなかった。米国では早くから関連研究がなされ日本にも紹介されていたが、十分な手は打たれなかった。

 昨年5月の衆院経済産業委員会。寺坂院長は「小さい確率の事態が全部実現」すると、電気が供給できなくなって冷却機能が失われ「炉心溶融につながることは論理的には考え得る」とした。電源喪失が炉心溶融を招く危険性を指摘した共産党の吉井英勝議員への答弁だった。

 原発の燃料は、運転停止で核分裂の連鎖反応が止まるが、その後も高い熱を出し続ける。冷却機能が働かないと過熱し、いずれ溶融する。今回の福島第1原発では、運転中の原子炉は地震後に停止したが外部電力が途絶えた。非常用電源が一時動いたが、その後の津波で機能を喪失、電源が完全になくなり燃料を継続的に冷やせなくなった。

 炉心溶融も「考え得る」とした寺坂氏だが、直前の答弁では「多重性、独立性のある非常用電源を備えるなどの多重防護の考え方で設計がなされ、安全性を確保している」と強調。発生の可能性を深刻にとらえていなかったことがうかがえる。

 米国では1980年代、既にオークリッジ国立研究所が、福島第1原発1〜5号機と同型のマークTという原子炉を対象に、電源喪失時のシミュレーションを実施した。外部電源が失われ、非常用ディーゼル発電機も使えなくなって冷却機能が働かなくなるとの想定だ。

 それによると、燃料は8時間後に露出、10時間後に溶融が始まる。11時間半後には燃料が崩壊し、12時間後に原子炉圧力容器が損傷。13時間半で原子炉格納容器の機能が損なわれるとした。

 福島第1原発でも、燃料の露出と一部溶融が起きたと考えられ、圧力容器が損傷した恐れも。詳しい発生時刻は不明だが、80年代に考えられていたのと同様の流れが途中まで続いたことになる。

 日本の原発の安全評価をする独立行政法人原子力安全基盤機構は2007年の報告書で、敷地内の複数の原子炉が損傷する要因は「地震がドミナント(主)に見えるが、外部電源喪失と洪水も寄与が大きい」とする米での評価結果を紹介していた。

 実際の対象にはどこまで生かされたのか。
 
 保安院は「もともと電源喪失は起こりにくく、起きても数時間で復旧できるとの考え方に基づき安全設計をしていた」と説明。東電は「(すべての電源の)喪失は想定できるが、そこに至る前に多重防護(での対応が)可能と考えていた」とし、いずれも電源喪失の恐れを認識したにもかかわらず危機意識が薄かった。

 元日本原子力研究所研究員で核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長は、米国の研究は日本でもよく知られていたはずだが、実際の対応はおざなりだったのではないかと指摘。

 「例えば千年に一度の地震や想定の2倍の高さの津波でも非常用発電機は守るという哲学があれば、大丈夫だったと思う。『こんな津波は来ない』と思い込みでやってきたので、事故につながったのではないか」と話している。(山陽新聞、2011.4.4)


<参照> 
衆議院会議録情報 第174回国会 経済産業委員会 第14号
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